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わが国の高コスト構造の是正
−新たな経済システムの構築を目指して−

ポイント


                   4.高コスト構造是正のための具体策
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┃1.日本型経済システムの特徴┃ ┌→┃(1) 輸送分野         ┠┐
┗━━━━━━┯━━━━━━━┛ │ ┃  −輸送分野のビッグバン  ┃│
       │         │ ┗━━━━━━━━━━━━━━━┛│
       │         │ ┏━━━━━━━━━━━━━━━┓│  ┏━━━━━━━━━━━━━━┓
       ↓         ├→┃(2) 公共投資のコスト     ┠┤←→┃5.新たな雇用形態の構築  ┃
┏━━━━━━━━━━━━━━┓ │ ┃  −システムの透明化・合理化┃│  ┗━━━━━━┯━━━━━━━┛
┃2.日本型経済システムの  ┃┌┤ ┗━━━━━━━━━━━━━━━┛│         │
┃      もたらす高コスト┃││ ┏━━━━━━━━━━━━━━━┓│         ↓
┗━━━━━━┯━━━━━━━┛│├→┃(3) 公共料金         ┠┤  ┏━━━━━━━━━━━━━━┓
       │        ││ ┃  −効率化と競争原理の導入 ┃├─→┃6.新たな経済システムの構築┃
       │        ││ ┗━━━━━━━━━━━━━━━┛│  ┗━━━━━━━━━━━━━━┛
       ↓        ││ ┏━━━━━━━━━━━━━━━┓│
┏━━━━━━━━━━━━━━┓│└→┃(4) 金融分野         ┠┘
┃3.高コスト構造の3分類  ┠┘  ┃  −金融システム改革への対応┃
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  1. 日本型経済システムの特徴
    1. 日本型経済システムは、「追いつけ追い越せ」型の経済政策においては、効率的な仕組みであり、戦後の発展に大きく貢献
    2. 機会の均等よりは分配の平等と社会の一体化や安定性を重視

  2. 日本型経済システムのもたらす高コスト
    1. 過度な規制、硬直的な雇用制度などによる高コストが、企業・生産者の競争力を阻害
    2. 生活者の実質生活水準の低迷

  3. 高コスト構造の3分類
    1. 規制依存型高コスト
    2. 官・公益事業における高コスト
    3. グローバル・スタンダードからの乖離による高コスト

  4. 高コスト構造是正のための具体策
    1. 輸送分野−輸送分野のビッグバン
      1. 需給調整規制廃止の前倒し実施
      2. 内航海運、港湾事業も抜本的に見直し
      3. 国際ハブ港湾、空港等の社会資本インフラの効率的整備
      4. 総合交通省を含む行政の一元化の検討
      5. 規制撤廃に伴う真の弱者には時限を明示した所得保障で対応

    2. 公共投資のコスト−システムの透明化・合理化
      1. 費用便益分析の活用による公共工事の効率化
      2. 社会資本整備目標の明確化・重点化とプロジェクトの優先度の評価手法の確立、国・地方、官民の役割分担の明確化と適切な負担
      3. 規制の合理化、建設副産物の再利用、設計のスリム化
      4. 技術提案総合評価方式等新たな発注システムの導入
      5. ロットの拡大、官公需法の見直し等地方公共工事の効率化
      6. 民間:工事技術の革新、機械化施工の推進、高齢技術者の活用(定年制の弾力的運用)等

    3. 公共料金−効率化と競争原理の導入
      1. 直接競争の導入とモード間の競争の促進
      2. 価格決定方式へのプライス・キャップ制やヤードスティック制の導入
      3. 電力:一連の改革を踏まえた効率化と一層の競争原理の浸透
      4. 通信:参入規制の緩和、独占的なサービスへのプライス・キャップ制の導入
      5. 郵便:事業独占となっている分野への民間参入の促進
      6. 高速道路:全国プール制、有料道路が過剰かどうかのチェック

    4. 金融分野−金融システム改革への対応
      1. 金融システム改革の前倒し実施
      2. わが国独自の規制、税制の見直し(株式委託手数料の自由化、有価証券取引税の撤廃、各業務分野への参入の促進、連結納税制の導入)
      3. 公的金融の見直し(郵貯・簡保と財投システムとのつながりを断ち切るとともに経営形態を見直し、政策金融の整理・統合)
      4. 民間:リストラの推進、横並び体質からの脱却、不良債権の早期解消、新商品・新サービスの開発等

  5. 新たな雇用形態の構築
    1. 労働移動の円滑化、雇用機会の提供による雇用の安定の実現
      1. 雇用調整助成金のあり方の見直し
      2. 年金のポータブル化、企業年金の自由化、有料職業紹介、労働者派遣の完全自由化等
      3. 年金支給開始年齢の引上げ、在職老齢年金の受給期間の延長等

    2. 弾力的なシステムの構築
      1. 能力・成果主義による賃金体系の構築及び公平かつ透明な人事評価システムの確立
      2. 企業としては生産性向上に努めるとともに、横並びの賃上げの是正、福利厚生制度、社内教育システムの見直しなどが不可欠

    3. 勤労者の自己啓発と税制面での優遇措置

  6. 新たな経済システムの構築
    1. 多様で柔軟で透明な経済システムの構築
      • 参入規制等の経済的規制の撤廃
      • 市場ルールとして独禁法を位置づけ、市場の透明性を拡大
      • 情報開示の徹底

    2. 企業としての取組み
      • 行政依存や業界内の依存体質、横並び意識からの脱却
      • 自己責任の貫徹、社会的良識を持った行動
      • 経営の透明性の向上

    3. 真に実効ある改革の断行と改革のスピードアップ


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