行政全体の簡素化・効率化の観点から、行政プロセスの電子化を急ぐ必要がある。 |
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産業の情報化を促進するとともに、企業・住民が情報化のメリットを享受するため、官民の接点となる行政手続きや行政サービスの電子化を進めることが求められる。とくに、電子申請・申告の導入、歳入・歳出事務処理の電子化、行政情報のデータベース化、行政EDIの推進、電子化された行政サービス提供等が急務である。 |
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国民と行政との接点である地方公共団体の情報化を促進すべきである。とくに遅れている地方公共団体のネットワーク化が急務である。また、地方公共団体の全国ネットワーク化や地方公共団体と中央省庁とのネットワーク化を推進する必要がある。個人情報保護条例によるネットワーク接続規制を早急に見直すとともに、地域情報ネットワークの構築を推進することも求められる。 |
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行政コストの削減、技術革新への迅速な対応等の観点から、民間へのアウトソーシングを推進すべきである。 |
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コスト削減、急速な技術革新への対応、セキュリティ確保等の観点から、情報システムや行政情報データベースを中心に、極力民間へのアウトソーシングを行なうことを検討すべきである。米国や豪州等では、政府や地方公共団体において、情報処理部門を民間に委託することが一般に行なわれている。わが国においても、民間企業が、情報システムの構築、運用、メンテナンス、バックアップといった業務を委託する動きが強まっている。これらの業務は情報処理部門にとどまらず広く管理・企画部門にも広がりつつある。今後、行政の情報化を進めるに当たって、民間へのアウトソーシングを活用すべきであり、アウトソーシングによるコスト削減やサービスの質的向上の可能性について予め検討することを義務づけるべきである。
行政業務のアウトソーシングについては、行政上の機密や住民情報の漏洩が懸念される向きもあるが、むしろ企業秘密の保護のために培った民間事業者のノウハウを積極的に活用することが望ましい。また、公務員の守秘義務同様、業務を受託する民間企業にとっても、契約上の守秘義務を守ることは、契約関係の維持や社会的信用に関わる問題であり、モラル面で民間企業の方が劣るわけではない。契約時に受託者側に厳格な運用基準を課し、漏洩防止策を確認することにより、行政上の機密保持は確保できる。
また民間企業では、最新の技術やバックアップ・センターを自ら保有して災害時のセキュリティ保護を図ることはコスト負担が重いことから、データを含む情報システムのバックアップを委託するケースが増えており、機密保護に対する信頼性は確立されている。したがって、システムの安全性を確保する観点からも、民間のノウハウを最大限活用すべきである。
なお、アウトソーシング拡大のためには、予算の単年度主義を弾力化し、複数年単位の契約を認めることによって、受託する企業のリスクが軽減されるとともに、トータルとしてのコスト削減が期待できる。
現行の「行政情報化推進基本計画」の見直しを推進するとともに、「地方公共団体における行政の情報化の推進に関する指針」についてもフォローアップを図り、国・地方の協議の場を設けて、情報化のための実施スケジュールや共通基盤の整備、ルールづくり等について検討すべきである。その際、既存の情報化投資について、投資効率の定量的な評価を行ない、国民に開示することが求められる。 |
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