企業人の政治意識の高揚と積極的な政治参加を促すべく、企業人と政治家が対話・交流する機会を数多く設けた。また、専用ウェブサイトを活用し、政治関連の情報を積極的に発信した。
経団連と協力して、政党幹部と経済界との意見交換を促進した。
経団連、日本商工会議所、経済同友会と協力して、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加を求める緊急集会を開催した(11月)。
1%(ワンパーセント)クラブでは、法人は経常利益の1%以上、個人は可処分所得の1%以上を社会貢献活動のために拠出しようと努める会員を支援するとともに、社会のニーズにあった社会貢献活動の推進を目指している。
2011年3月に、「1%(ワンパーセント)クラブ交流の夕べ」を開催した。社会貢献活動に参加する企業人のすそ野拡大に向けて、社会貢献活動に関心の高い企業経営者や著名人を招いてのパネル・ディスカッションを行うとともに、NPOと企業人との連携の場を提供した。
「1%クラブニュース・インフォメーション」を毎月1回発行し、NPO・NGOからの協力・支援依頼やイベント案内、企業の社会貢献活動の情報提供に努めた(2010年4月〜2011年3月〔計12回発行〕)。また、社会貢献活動の深化を図る企業や、企業との協働を図るNPOの問い合せや相談に応じた。
「中国・青海省地震」、「パキスタン洪水」、「中国・甘粛省豪雨」、「スリランカ、ブラジル、オーストラリア洪水」、「東日本大震災」といった国内外の災害について、被災地支援を推進するため1%クラブニュース増刊号を発行し、被災状況、支援ニーズ、寄付の受付窓口等の情報を会員企業に提供するとともに、支援を働きかけた。また、企業の支援状況を取りまとめ広報した。
とりわけ東日本大震災においては、米倉会長を本部長とする「東日本大震災対策本部」のもとで、義援金・支援金、救援物資の提供を呼びかけるとともに、NPOや現地災害ボランティアセンター等と連携して、被災地支援に必要な情報を提供した。
九段坂病院におけるボランティア活動への協力を行った。
9月、関西でのISO26000説明会(主催:日本経団連)を協賛し、NPO・NPO関係者に案内するとともに意見交換した。
(1)公益信託日本経団連自然保護基金は、2010年度、アジア・太平洋地域を中心に、56件の自然保護プロジェクトに対し1億9.450万円の支援を行った。また支援の原資となる募金に努めた。
(2)日本で初めて開催される生物多様性条約締約国会議(COP)に対して、公式・非公式を問わず、政府と密接な意見・情報の交換を行った((1)田島環境副大臣(当時)と意見交換(4/5)、(2)自然保護協議会会長・副会長会議において政府と意見交換(4/26)、(3)「COP10の成功に向けた提言」を発表し政府・与党等に建議(6/15)等)。
(3)経団連自然保護協議会総会記念シンポジウムにおいて、「生物多様性民間参画イニシアティブ」構想を発表(5/25)。日本商工会議所、経済同友会とともに企業等に対し、「生物多様性民間参画パートナーシップ」への参加を呼びかけた(2011/3/1現在、450団体が参加)。「第1回生きものにぎわい企業活動コンテスト」の運営に参画し、大久保会長から自然保護協議会会長賞を授与した(6/19)。COP10総括シンポジウムを開催(12/13)、約150名の参加があった。
(4)10月、COP10期間中に、会場内及び会場周辺において、国際機関とともに様々な行事を開催。そのうちビジネスと生態系に関する国際対話会合(10/26)では、大久保会長、佐藤副会長等から、自然保護協議会を含む日本経済界の取り組みや好事例等を情報発信するとともに、「生物多様性民間参画パートナーシップ」の発足式を行った。また、企業人と各国代表団との意見交換会(10/28)を開催し、経団連のCOP10への積極的な参画に対して、ジョグラフ生物多様性条約事務局長から感謝の意が表明された。このほか、ビジネスと生物多様性に関するグローバルプラットフォーム構築に向けた検討会(10/27)、自然保護基金支援プロジェクトの活動報告会(10/22)、自然保護協議会・基金の取り組みを紹介するパネル展示等を行った。
(5)全締約国の総意として採択された「ビジネス参画」決議(Decision X/21)には、生物多様性に関して参考となる取り組みを行っている組織として「日本経団連」が例示された。また、ビジネスと生物多様性に関する国別イニシアティブの設立が締約国に対して招請され、「生物多様性民間参画パートナーシップ」は、日本の国別イニシアティブとして先駆事例となった。
(6)「経団連自然保護協議会だより」をNo.52〜No.55を発刊した。このうちNo.54はCOP10特集として日英2か国語で作成し、COP10会場にて配布した。
(7)自然保護基金が支援しているNGO等の報告会を11回開催した。
日本経団連事業サービスは、経団連の政策提言の周知やその実現に向けて多様な事業活動を展開している。経団連は、昼食講演会、CSR関連セミナー、法務戦略セミナー、労働法フォーラム、労使フォーラム等の会合の開催、「2011年版経営労働政策委員会報告」等の書籍・出版物の発行、各種アンケート調査の集計等について、同事業サービスと連携を行った。
日本経済や経済界に関する広報を内外で展開している(財)経済広報センターと協力して、重要政策課題に関する広報活動を展開した。
具体的には、企業の役割、地球温暖化問題、税・社会保障に関する共通番号制度の導入等の重要テーマについて、シンポジウムの開催、パンフレットの作成等の広報活動を行った。
また同センターの社会広聴会員を対象に、経団連の活動や政策に関する意見交換会を開催した。同時に、提言に対する意見募集を行い、その結果をホームページ上に公表した。
日米経済協議会(Japan-U.S. Business Council)(1971年設立)は、経団連、日本商工会議所、経済同友会、関西経済連合会および日本貿易会の支持を受け、日米経済関係に深く関与する約80の有力企業・団体によって構成される。ワシントンD.C.を拠点とする米日経済協議会(U.S.-Japan Business Council, Inc.)とともに、日米の経済関係・ビジネス環境等に係わる諸課題をめぐり、意見交換・政策提言を行っている。
2010年度は、経団連の関係委員会と協力して、アメリカ委員会における政府・経済界・有識者との政策対話や日米交流等に参加するとともに、第47回日米財界人会議開催に向け、下記の活動を行った。
日米合同スタッフ会議(8月)、運営委員会兼第47回日米財界人会議打合せ会(9月)、運営委員会スタッフ会議(11月)を開催した。
第47回日米財界人会議(10月7-8日、於:東京)を開催し、米倉会長が経団連会長として日本の政治経済状況についてスピーチを行ったほか、前原誠司外務大臣、大畠章宏経済産業大臣、ジョン・ルース駐日米国大使の参加を得、アジア太平洋地域における経済連携ならびに日米協力等について議論するとともに、わが国のTPPへの早期参加の要望を含め、議論の結果を共同声明として公表した。
社団法人海外事業関連協議会(CBCC)は、公益社団法人化により2010年6月、公益社団法人企業市民協議会(CBCC)となった。CBCCでは、日本企業が「良き企業市民」としてステークホルダーズとの良好な関係を構築するとともに、CSR(企業の社会的責任)を推進するための支援を目的に、2010年度、以下の活動を行った。
2010年度は、「パリ日本文化会館日仏文化交流支援事業」や、「アンコール小児病院における医療教育事業」等、合計8件に対して、約9千万円の寄付を行った。CBCCの認定プロジェクトに対する日本からの寄付については、一般寄付とは別枠の損金算入が認められる。
機関誌「ステークホルダーズ」を2回(77号、78号)発行したほか、CSR情報誌「CSRニュース」を、12回発行した。
わが国経済界としてアジア太平洋経済協力(APEC)ならびにAPECビジネス諮問委員会(ABAC)活動に効果的に参加していくために99年に設立されたABAC日本支援協議会の活動を引き続き支援し、わが国民間経済界の意見を反映させる活動を行った。
特に、本年は横浜でAPEC首脳会議が開催され、ABACでも日本が議長を務めたことから、経団連では、関係委員会等との連携の下、ABAC日本支援協議会の活動に協力するとともに、APEC CEOサミットを主催し、わが国民間経済界の意見のAPECならびにABACへの反映を図った。(APEC CEOサミットについては別項参照)
公害対策協力財団は、1976年以降、公害防止に関する民間調査研究法人として活動を行なっている。2010年度は、以下の調査研究に助成した。
本財団の公益性を踏まえ、助成研究事業の成果を広く認知させるため、2月9日に「生物多様性に関する懇談会」を開催した。 当日は、IUCN日本プロジェクトオフィスの古田尚也シニア・プロジェクト・オフィサーから「生物多様性保全政策をめぐる今後の動向と企業の対応の在り方」の研究成果について講演を行い、約50名が参加した。
JITCOは、わが国企業による外国人技術者・技能労働者の受け入れ、研修プログラムを通じて、開発途上国に対する技術移転を推進する目的で、経団連の協力のもと91年に設立された団体である。経団連では、JITCOの運営ならびに活動を引き続き支援した。
映像コンテンツ産業に係る人材の育成、作品制作への支援、企業への支援、および国内・国際市場整備への支援等を目的に2004年12月に設立された映像産業振興機構の活動に協力した。
経団連は、92年に厚生省(当時)と協力し、産業廃棄物処理事業振興財団を設立した。以来、経団連は同財団の活動に協力している。
本年度は、同財団が管理・運用している、産業廃棄物の不法投棄等の支障除去等に関する基金(投棄者不明または資力不足の場合の不法投棄に係る、地方公共団体の行う原状回復事業に対する支援)に対して出えんに協力した。また、産業廃棄物処理優良化推進事業や産業廃棄物処理助成事業等、産業廃棄物の適正処理の推進等に係る財団の諸活動に協力を行った。
警視庁管内特殊暴力防止対策連合会は、東京都内における企業に対する特殊暴力を効果的に排除するために、特殊暴力に関する調査・研究・情報の提供及び講演会等の活動を行っており、経団連として事業運営に対し、支援を行った。
経営法曹会議は、経営法曹の連携協力を図り、労使関係の健全正常な発展に寄与することを目的として、全国の弁護士により1969年に設立された。労働法規の適正な解釈、運用、労働判例について調査研究を行っており、会報「経営法曹会議」等に発表している。
2010年度は、労働法フォーラムの企画助言・協賛を得るとともに、有期労働契約法制や民法(債権関係)の見直しについて経営法曹会議幹部との意見交換を行った。
ドクターヘリ普及促進懇談会は、認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワークが設けたドクターヘリ支援基金が実施する、(1)医師・看護師の研修、(2)有効性や効率化の調査研究、(3)運航の円滑化・高度化、への助成を行い、経団連は、同懇談会の活動に協力した。
全国的または国際的な規模で公益活動を行う機関等が、経済界に資金援助を求める、いわゆる「経済界募金」に協力した。
支援対象は、国際的な学術・文化交流、社会福祉、教育、体育振興、史跡保存等、様々な分野にわたった。
ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC、本部ロンドン)は、世界各国から選抜・派遣された高校生を、13カ国にあるカレッジ(高校)で受け入れ、2年間の全寮制による教育を通じて国際感覚豊かな人材を養成している民間教育機関である。
UWC日本協会(会長:藤田讓朝日生命保険会長)では、2010年度、計7名の高校生を選考会を経て選抜し、カナダ、イタリア、アメリカ、インドの5カ国のカレッジに派遣した。その他、UWCに関する説明会、派遣奨学生を対象とした激励会の開催、ニュースレターの発行等の事業を行った。経団連は、UWC日本協会からの委託を受け、事務局業務を行っている。
石坂泰三第二代経団連会長の偉功を顕彰して設立された(財)国際文化教育交流財団(理事長:米倉弘昌経団連会長)では、奨学金事業を通じて、わが国と諸外国との相互理解の増進をはかっている。
2010年度は、海外の大学院に派遣する3名の日本人奨学生を選抜した他、日本の大学で学ぶアジア諸国からの学部私費留学生を対象とした奨学金(SEIHO Scholarship)の奨学生を14名選抜した。また、SEIHO Scholarship奨学生に選ばれたアジアからの留学生を対象に見学会を開催し、日本文化体験や資生堂鎌倉工場訪問等を行った。経団連は、国際文化教育交流財団からの委託を受け、事務局業務を行っている。
経団連は、ハワイの皇太子明仁親王奨学金財団の日本委員会事務局として日本人奨学生を募集・選考し、ハワイ大学に派遣するとともに、ハワイ大学から訪日する留学生の日本での活動を支援している。2010年度はハワイ大学に派遣する1名の学生を選抜した。