[目次] [はじめに] [第I章] [第II章] [第III章] [第IV章]

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新しい全国総合開発計画に関する提言
−「新たな創造のシステム」による国土・地域づくりを目指して−

IV.各ブロックにおける地域づくりの課題

四国地域


地域の目指す将来像

  1. 世界に直接開かれた四国の実現

  2. 本四3橋時代の広域交流圏の形成

  3. 強靱な産業構造を実現する企業群の育成と誘致

  4. 高度情報化社会の構築

「21世紀新四国創造への進路」(95.2)

地域の特性・ポテンシャルまたは発展阻害要因

  1. 産業面では、農林水産物に恵まれる一方、製造業は基礎素材型のウェイトが高く、加工組立型のウェイトが低い産業構造。また個々の企業をみると、独自の技術や発想によって全国的、世界的に高いシェアを持つ製品やサービスを生み出す企業が少なくない。

  2. 自然や文化面では、瀬戸内海、四国霊場88カ所、阿波おどりなど、美しい自然と歴史的文化遺産を数多く有する。

  3. 98年度の本四3橋の完成によって、これまでの地理的制約が大幅に改善され、本州との交流が活発化。さらに、アジアとの近接性を生かし、国際交流の促進も期待される。

  4. 交通基盤、都市・生活基盤、情報化基盤などの社会基盤整備の立ち遅れが発展を阻害している。

  5. 技術開発をリードする研究開発機関・高等教育機関の整備が遅れている。

  6. 近年においては一部の地域において渇水が問題となっている。

今後成長が期待される産業

  1. 高度情報化社会に対応した情報通信および情報サービス産業

  2. バイオテクノロジー、新素材、エレクトロニクス、海洋開発など、四国の特性を生かした産業

  3. 高齢化社会のニーズに対応したメカトロニクス産業や健康関連産業

  4. 観光産業

重点的に推進すべきプロジェクト(推進主体)

  1. 太平洋新国土軸の形成
    推進主体=国、地方自治体、経済団体など

  2. 地域連携軸の形成
    • 太平洋〜瀬戸内海〜日本海を結ぶ3つの地域連携軸の形成
    推進主体=国、地方自治体、経済団体など

  3. 「歴史・文化道」の整備
    • 各地域において歴史的文化遺産を結ぶ道路を整備し、これらを地域連携軸、さらには国土軸によって全国に繋ぎ、価値ある歴史と文化を織り込んだ国土形成を目指す。
    推進主体=国、地方自治体、経済団体など

プロジェクト推進のための課題

  1. 地方への公共投資の重点配分
    • 地方における公共投資について、採算性が低いという理由だけでこれを慎重視する意見があるが、太平洋新国土軸をはじめとした社会基盤整備の必要性は、決してその地域だけの経済効率で議論すべきものではない。
      わが国のセキュリティ確保のために、また全ての国民が、文化的・経済的価値を享受するのに必要な、国家的社会基盤の形成のための投資として捉えることが必要。

  2. 本四連絡橋の通行料金については、地域間交流のネックとならない水準に設定することが必要。また、通信料金体系については、遠近格差の是正など、高度情報化社会に対応したものとしていくことが必要。

  3. 地域間の連携・協力の一層の推進。


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