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Policy(提言・報告書) 中南米 日コロンビア経済連携協定(EPA)締結のため早期の交渉入りを求める

2011年7月20日
(社)日本経済団体連合会
日本コロンビア経済委員会

日本コロンビア経済委員会では、両国経済関係の一層の拡大と強化のために、かねてよりコロンビアとの投資協定と経済連携協定の早期締結を求めてきた。2009年4月に開始された投資協定交渉は2010年12月に終結し、発効に向けた署名が近く行われる予定である。これを歓迎するとともに、日本政府には、この機会を捉えて、EPA交渉にも速やかに着手することを改めて求めたい。

自由な貿易・投資環境を確保することは我が国の成長にとって不可欠であり、各国・地域とのEPA締結を加速しなければならない。アジアに次いで高い経済成長を遂げているラテンアメリカとは、2005年にメキシコ、2007年にチリとのEPAが締結され、その結果、両国との貿易・投資は活発化している。コロンビアとのEPA締結はラテンアメリカにおけるEPAネットワークの拡大につながる。

コロンビアでは、サントス新政権の下、前政権から継続している治安改善策が奏功し、着実な経済成長が続いている。堅実な経済運営、積極的な外資誘致政策、市場開放政策により、海外からの投資も年々増加している。ブラジル、メキシコに次ぐラテンアメリカ地域第三位の人口を擁し、また、本年4月にコロンビア・メキシコ・ペルー・チリの首脳間で採択された地域経済連合である「太平洋同盟」のメンバー国であることから、市場規模の点でも魅力がある。加えて、同国は石油、石炭、フェロニッケルなどの豊富な天然資源を有しており、わが国のエネルギー・資源安全保障にとって、重要性が増している。こうしたコロンビアの戦略的重要性に鑑みて二国間の協力の可能性を顕在化させるためには、コロンビアとのEPAの締結が必須である。また、コロンビア政府は、日本との関係強化に前向きで、先の震災後も即時にわが国に対して支援物資を送るなどの対応をしており、わが国として、このような機会も捉えて両国関係をより一層発展させるべきである。

コロンビアの戦略的重要性は多くの国が認識しており、EPAの締結が進んでいる。米国やEUは署名を終え議会の批准待ちであり、韓国は既に交渉を始めている。こうした各国の動きによって、日本企業の事業環境が他国に劣後することが懸念される。そこで、コロンビアとの戦略的経済関係の強化、競合国とのイコールフッティングの実現のため、他国に遅れることなく、早期に日コロンビアEPA締結に向けた交渉を開始するよう要望する。

以上

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