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月刊 経団連 最新号

月刊 経団連2024年3月号

特集 デフレ完全脱却に向けた「成長と分配の好循環」の加速

巻頭言

働く人々の価値創造力を引き出し持続的な成長へ

筒井 義信 (経団連副会長/日本生命保険会長)

日本では1990年代以降賃金が伸び悩んできたが、二つの要因で大きな変化の局面を迎えている。一つは少子高齢化による構造的な人手不足、もう一つは人的資本経営の拡がりだ。

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特集

デフレ完全脱却に向けた「成長と分配の好循環」の加速

足元では、不安定な国際情勢や円安基調などを背景として、物価の上昇が続いている。あわせて、少子化と人口減少による供給面の制約を受け続けることが確実な状況にある。
こうした中、デフレからの完全脱却に向けて、わが国経済の安定的かつ持続的な経済成長を実現し、賃金引上げと総合的な処遇改善・人材育成に取り組むことを通じて「成長と分配の好循環」を回していくことが必要となる。そのため、各企業において、生産性の改善・向上を図り、賃金引上げの原資を継続的に確保することが求められている。

座談会:デフレ完全脱却に向けた「成長と分配の好循環」の加速

  • 大橋 徹二(経団連審議員会副議長・経営労働政策特別委員長/コマツ会長)
  • 小路 明善(経団連副会長/アサヒグループホールディングス会長)
  • 稲垣 精二(経団連審議員会副議長/第一生命ホールディングス会長)
  • 滝澤 美帆(学習院大学経済学部教授)
  • ■ 働き方改革とDE&Iのさらなる推進に向けた取り組み
  • データ分析から見える生産性向上のための戦略
  • 構造のひずみが生んだ現状と社会全体への働きかけ
  • “慣性の法則”を打開するZBBという取り組み
  • マジョリティの目には見えないマイノリティの壁
  • ■ 「円滑な労働移動」の推進による生産性の改善・向上
  • 能力発揮と賃金保障によって「流動雇用社会」を生む
  • 退社・転職に対する考え方の変化
  • 10年単位で見直すキャリアデベロップメント
  • ■ 2024年春季労使交渉・協議における対応
  • 会社と従業員が共に企業価値の向上を目指す
  • 「人的資本経営」をゼロベースで考える“人への投資元年”
  • 中小企業の賃金引上げ実現に向けて
  • コストプッシュ型のインフレから円滑な労働移動まで

2024年版経営労働政策特別委員会報告
―デフレ完全脱却に向けた「成長と分配の好循環」の加速
 (経団連労働政策本部)

  • ■ 第Ⅰ部 「構造的な賃金引上げ」の実現に不可欠な生産性の改善・向上
  • アウトプットの最大化とインプットの効率化
  • 「円滑な労働移動」の推進
  • 人材の「量」の確保と「質」の向上
  • 人の流れの創出を通じた地方経済活性化
  • ■ 第Ⅱ部 2024年春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンス
  • 物価動向を重視した積極的な検討
  • ベースアップを有力な選択肢とした検討・実施
  • 中小企業の賃金引上げと有期雇用等社員の賃金引上げ・処遇改善
  • 様々な観点からの「総合的な処遇改善・人材育成」の検討

みんなで賃上げ。ステージを変えよう!
―2024春季生活闘争にあたって
 芳野 友子(日本労働組合総連合会会長)

  • みんなで賃上げ
  • ステージを変えよう
  • 2024春季生活闘争に向けて

2024年春季労使交渉・協議に向けて
 笹島 律夫(茨城県経営者協会会長/常陽銀行会長)

  • 常世の国いばらき
  • 地方の縮図“茨城県”
  • 2024年春季労使交渉・協議に向けて

実質賃金をプラスに転化させる条件
 熊野 英生(第一生命経済研究所 首席エコノミスト)

  • 価格転嫁だけでは不十分
  • 「働き方改革」の再起動

働き方改革を通じて多様な人材の活躍と生産性の向上を
 佐藤 博樹(東京大学名誉教授)

  • 働き方改革の本来の目的とは何か?
  • 付加価値の高い働き方を実現するための取り組み
  • 社員の生活を豊かにする働き方改革を

AI新時代のスキルと学び直し
 石原 直子(エクサウィザーズ はたらくAI&DX研究所所長)

  • 生成AIで仕事の現場が変わる
  • 生成AI時代の必要スキル
  • AI新時代の学び直し

採用方法の多様化に向けて
―清水建設の新卒通年採用の取り組み
 村田 広(清水建設執行役員人事部長)

  • 新卒通年採用の導入
  • 求める人財像
  • 募集から入社後研修までの流れ
  • これまでの実績と評価
  • 今後の展望

メルカリのインクルージョン&ダイバーシティ
―男女間の「説明できない賃金格差」を是正し、よりフェアな社会に
 中田 美沙貴(メルカリ経営戦略室政策企画・Inclusion and Diversity Specialist)

  • インクルージョンのカギは多様な働き方の尊重
  • 安心して働ける環境の整備が性別役割分業の打破に
  • 男女間賃金格差
    ─「説明できない格差」の是正
  • フェアな待遇の提供はコストではなく投資である
  • 社内へのコミュニケーションはTrust and Opennessに
  • よりフェアな社会の実現のために

DX推進による生産性向上とブランディングへの投資
―ハマヤの取り組み
 若井 信一郎(ハマヤCTO兼CIO)

  • 効果がわかりやすいDXを実践
  • 中小企業のDXを阻む四つの壁
  • 新たな企業ブランディングが中小企業におけるDXの価値

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一般記事

【報告】
日韓関係の一層の強化に向けて、重層的な交流を推進する

 十倉 雅和(経団連会長)

  • 日韓経済協力の一層の拡大・深化と国際社会の発展に向けた連携・協力を
  • 今後に向けて
  • ■ 韓国高校教師を日本に招聘
    ──様々な体験を通し、多角的に日本への理解促進を図る
  • まちづくりやグリーン戦略など、社会課題解決に向けた取り組みを視察
  • 日韓共通の社会課題をめぐり、教師・生徒と意見交換

【提言】
多様な働き方に対応する労働法制への転換を

―労使自治を軸とした労働法制に関する提言
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/007.html
 冨田 哲郎(経団連審議員会議長、労働法規委員長/東日本旅客鉄道会長)
 小路 明善(経団連副会長、労働法規委員長/アサヒグループホールディングス会長)
 芳井 敬一(経団連労働法規委員長/大和ハウス工業社長)

  • 今後求められる労働法制の姿
  • 労使自治を軸とした労働法制に関する三つの提案
  • 今後の企業と労働者に向けて

【提言】
内発型の地域づくりに向けた地域経済活性化

―人口減少・経済社会の変化を踏まえた地域連携のあり方
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/083.html
 永井 浩二(経団連副会長、地域経済活性化委員長/野村ホールディングス会長)
 小林 哲也(経団連地域経済活性化委員長/近鉄グループホールディングス会長)
 月岡 隆(経団連地域経済活性化委員長/出光興産名誉顧問)

  • 地域経済社会を取り巻く課題認識
  • 内発型の地域づくりに向けて
  • 企業視点での地域経済の活性化に向けて

【提言】
役員・従業員へのインセンティブ報酬制度の活用拡大に向けた提言

https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/002.html
 日比野 隆司(経団連金融・資本市場委員長/大和証券グループ本社会長)
 佐藤 雅之(経団連金融・資本市場委員長/日揮ホールディングス会長)

  • インセンティブ報酬の現状と課題
  • インセンティブ報酬制度の活用拡大に向けた施策

【報告】
サーキュラーエコノミーに関する欧州ミッションを派遣

 野田 由美子(経団連副会長、環境委員長/ヴェオリア・ジャパン会長)

  • ミッション派遣の二つの目的
  • 訪問先
  • 欧州委員会との意見交換
  • オランダ政府・自治体との意見交換
  • 大企業、スタートアップとの意見交換
  • 「高い目標を掲げなければ何も起こらない」

【報告】
日ASEAN友好協力50周年に寄せて

―次の半世紀に向け、ASEANとともに新時代を協創する
 原 典之(経団連審議員会副議長、アジア・大洋州地域委員長/三井住友海上火災保険会長)

  • 今後50年の日ASEAN関係を見据え、メッセージを公表
  • ASEAN政策対話ミッションを派遣
  • ASEAN首脳歓迎昼食会を開催
  • 今後に向けて

【報告】
ニアショアリングに沸くメキシコとのさらなる連携強化に向けて

―第33回日本メキシコ経済協議会をメキシコシティで開催
 片野坂 真哉(経団連日本メキシコ経済委員長/ANAホールディングス会長)

  • 投資先として大きな魅力を備えるメキシコ
  • メキシコのビジネス環境の改善が必要
  • グリーントランスフォーメーション(GX)における連携・協力を期待
  • 現地に根を張る日本企業

連載

  • 読書のみちしるべ
    鉄のあけぼの
    柿木 厚司(経団連税制委員長/JFEホールディングス社長)

  • Essay「時の調べ」
    ハリネズミと金貨
    若菜 晃子(エッセイスト)