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Policy(提言・報告書) 産業政策、行革、運輸流通、農業 2014年度経団連規制改革要望

2014年10月14日
一般社団法人 日本経済団体連合会

「2014年度経団連規制改革要望」本文

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安倍政権の経済政策により、デフレからの脱却に向けた経済の好循環が動き始めている。この機を逸することなく、わが国経済を本格的な成長軌道に乗せ、持続的な経済成長を通じた豊かな国民生活を実現することが不可欠である。

経済界としても、技術力や人材力を活かしたイノベーションを通じ、民主導による力強い経済成長の実現に向けて邁進する決意である。このような民間の創意工夫の発揮と自由かつ円滑な事業活動の基盤整備の推進力となるのが規制改革である。

政府においては、「規制改革会議」を中心に、規制改革の取組みを精力的に進めており、本年6月中旬に同会議がとりまとめた「規制改革に関する第2次答申」は、同月末に政府が閣議決定した「規制改革実施計画」および「『日本再興戦略』改訂2014」に反映され、成長戦略の中核を成している。とくに、今般、農業や雇用などの岩盤規制とされる分野において進展が見られたことは、政治の強力なリーダーシップによるものと高く評価する。

今後も、「『日本再興戦略』改訂2014」を着実かつ迅速に実行するとともに、これまでの改革の進捗のフォローアップを行い、必要に応じて措置の強化を図ることが求められる。加えて、健康・医療、雇用、農業、投資促進、地域活性化等の重要分野における現行の規制・制度をセロベースで見直すなど、改革の手綱を緩めることなく全力で取組むことで企業の持てる力を最大限発揮させる環境を整備することが重要である。

こうしたなか、経団連では、全会員企業・団体を対象に規制改革要望調査を行い、12分野173項目にわたる要望をとりまとめた。政府には、成長を牽引する企業の現場の声に応える着実な改革を求めたい。

概要

本年7月7日から7月30日にかけて、経団連全会員企業・団体を対象に「2014年度経団連規制改革要望に関する調査」を実施。

125社・団体から寄せられた648件の回答を関係委員会で精査し、12分野173項目の個別要望を取りまとめた。

1.規制改革要望に関する調査結果と経団連がとりまとめた要望の項目数


2014年度2013年度2012年度2011年度2010年度
回答企業・団体数 125147118111106
寄せられた要望数
(重複分を含む)
648801594648530
規制改革要望として
取りまとめた項目数
173202180174208

2.分野別項目数一覧

分野名 項目数 分野名 項目数
1. 土地・住宅・都市再生・観光 40 7. 情報通信 15
2. 運輸・流通 31 8. 金融・保険・証券 5
3. 農業・食品 3 9. 雇用・労働 13
4. 廃棄物・リサイクル、環境保全 20 10. 通商・国際協力・インフラ輸出 4
5. 危険物・防災・保安 5 11. 外国人材 1
6. エネルギー 15 12. その他(民間開放含む) 21

個別要望項目一覧

1.土地・住宅・都市再生・観光分野

  1. (1)建築物の用途変更を行う場合の既存不適格遡及適用対象範囲の見直し
  2. (2)既存不適格建築物の構造上一体増築の安全性確認基準の見直し
  3. (3)小屋裏等に設置する収納スペースの容積不算入の周知徹底
  4. (4)商業地域、近隣商業地域、準住居地域における倉庫業倉庫の用途制限の見直し
  5. (5)倉庫業倉庫に関する規制の見直し
  6. (6)駅のホームドアの不燃材料使用規制の見直し
  7. (7)機械排煙設備における排煙機能力基準の見直し
  8. (8)建築材料の防耐火性能認定試験の見直し
  9. (9)建築物の安全性に関する大臣認定期間の短縮化
  10. (10)建築物の避難安全性能に関する大臣認定期間の短縮化
  11. (11)大臣認定を取得した昇降機の軽微な変更による認定再取得時における手続きの見直し
  12. (12)建設業法に基づく技術者設置要件の緩和
  13. (13)建設業法上の法人の「役員」要件の見直し
  14. (14)電気通信工事・機械器具設置業における監理技術者資格者の要件緩和
  15. (15)借地借家法における正当事由制度の見直し
  16. (16)区分所有法における決議要件の見直し
  17. (17)都市再開発法区域要件の見直し
  18. (18)市街地再開発事業における一団地の総合的設計制度等に係る同意基準の緩和
  19. (19)市街地再開発組合の設立要件の見直し
  20. (20)都市再生特区における「公共施設」の見直しによる情報インフラ整備の促進
  21. (21)都市再生特別地区における容積配分の自由度の向上
  22. (22)都市再開発法における都市計画事業認可手続と市街地再開発組合設立認可手続の簡素化
  23. (23)集合住宅の窓ガラス等の改良の促進に向けた区分所有法の規定の見直し
  24. (24)実態上道路として使われていない道路を廃止する際の行政手続きの簡素化
  25. (25)工期延長に伴う請負金額変更の可能化
  26. (26)建設業法上の工事請負契約に関する契約の簡素化
  27. (27)公共工事応札要件(監理技術者指定業種)の緩和・統一
  28. (28)工場製作期間における監理技術者制度の適用要件緩和
  29. (29)工事期間における監理技術者等の途中交代要件の追加
  30. (30)点検整備等における業務発注要件の統一
  31. (31)所管行政庁への報告が義務付けられた耐震診断実施者の資格要件の変更
  32. (32)住宅瑕疵担保履行法の供託に関する販売戸数の合算
  33. (33)鉱山、砕石山における国有保安林解除手続きの簡素化
  34. (34)公拡法における届出免除区域の設定
  35. (35)会社分割時の不動産登記の要件緩和
  36. (36)建築士法第24条の8 書面交付義務の免除
  37. (37)外国人旅行者の利便性向上のための消費税免税制度の見直し
  38. (38)訪日外国人観光客に対する査証発給要件の緩和・見直し
  39. (39)通訳案内士試験の改善
  40. (40)ITを活用した外国語ガイドサービスの普及開発に向けた通訳案内士法の解釈の明確化

2.運輸・流通分野

  1. (1)車両の大型化に対応した特殊車両通行許可制度の見直し
  2. (2)路外駐車場における換気装置の基準の見直し
  3. (3)アセット型サードパーティーロジスティクス(3PL)事業における保管用に供される保管庫の倉庫業法上の解釈の見直し
  4. (4)物流総合効率化法上の特定流通業務施設の開発許可基準の見直し
  5. (5)一般貸切(又は乗合)旅客自動車運送事業の事業計画(事業用自動車の数)変更に係る事前届出手続きの簡素化
  6. (6)道路使用許可が認められる時間帯の緩和
  7. (7)イモビライザを無効化する機器の所持等の制限を目的とした法令の制定
  8. (8)沿海区域の更なる拡大
  9. (9)NACCSを利用した不開港場寄港特許の申請手続きの実現
  10. (10)外国船舶を対象とした中ノ瀬海域における錨泊に係る運用の見直し
  11. (11)京浜港区における指定錨地における錨泊に関する運用の見直し
  12. (12)産油国共同備蓄事業における外国船籍タンカーによる国内原油輸送の許可
  13. (13)船舶の資格の変更の弾力化
  14. (14)ELTの出発時の要件の緩和
  15. (15)国際貨物チャーター便(エアラインチャーター便)の運航に係る要件見直し
  16. (16)操縦士学科試験の受験機会増加
  17. (17)適用する最大離陸重量の柔軟な変更
  18. (18)追加型式設計変更手続きの簡素化
  19. (19)揮発油税法による蔵置管理者の選任の柔軟化
  20. (20)市街化調整区域における出店規制の運用の柔軟化
  21. (21)全酒類卸売免許の付与に際しての審査順位の決定の柔軟化
  22. (22)酒類販売業免許における通信販売の取り扱いに関する規制緩和
  23. (23)酒類の仕入・販売に関する記帳義務の廃止
  24. (24)酒類及び煙草取扱い店舗における年齢確認義務の国民への周知・啓蒙
  25. (25)製造たばこ小売販売業の開業要件の緩和
  26. (26)たばこ小売販売業の予定営業所の環境区分の事前開示
  27. (27)店舗内におけるたばこ自動販売機の設置の柔軟化
  28. (28)コンタクトレンズ販売営業管理者講習会の参加機会の増大
  29. (29)一般医薬品の販売における薬剤師・登録販売者の常駐要件の緩和
  30. (30)指定第二類医薬品の陳列に際しての距離基準の緩和
  31. (31)一般用医薬品の区分による陳列規則の緩和

3.農業・食品分野

  1. (1)農業生産法人の構成員要件の緩和等、農地規制の更なる見直し
  2. (2)株式会社農林漁業成長産業化支援機構の支援基準要件の見直し
  3. (3)砂糖・でん粉の価格調整制度、豚肉差額関税制度の見直し

4.廃棄物・リサイクル、環境保全分野

  1. (1)確実にリサイクル可能な資源物に対する産業廃棄物収集運搬業の許可制の見直し
  2. (2)バイオマス発電の普及に向けたバイオマス燃料の廃棄物該当性の判断基準の明確化
  3. (3)県外産業廃棄物流入規制の見直し
  4. (4)廃太陽電池モジュール及び廃蓄電池等のリサイクルに向けた規制緩和
  5. (5)一般廃棄物由来のごみ固形燃料(RDF)等の廃棄物該当性の判断基準の明確化
  6. (6)自ら処理のための産業廃棄物処理施設設置許可に係る軽微変更届出事項の緩和
  7. (7)廃棄物処理法の実地確認方法の統一
  8. (8)電子マニフェストにおける運搬・処分報告期間の延長
  9. (9)産業廃棄物収集運搬業許可に関わる申請書類様式の全国統一の徹底
  10. (10)広域認定制度の申請に関する審査体制の効率化
  11. (11)優良産業廃棄物処理業者認定制度における申請書類の提出方法の見直し
  12. (12)建設リサイクル法における建築物以外の工作物の工事に関する届出要件の緩和
  13. (13)土壌汚染対策法の届出対象の見直し
  14. (14)土壌汚染対策における自然由来物質の規制値の適正化
  15. (15)土壌汚染対策法上の指定調査機関に係る変更の事前届出の見直し
  16. (16)土壌汚染対策法上の形質変更時要届出区域の指定解除要件への不溶化処理の追加
  17. (17)石綿建材を使用した建築物等の解体工事時に係る届出の合理化
  18. (18)大気汚染防止法で定める事前調査対象の見直し
  19. (19)離島に立地するガスタービン、ディーゼル機関に係るばい煙の簡易測定法の改善
  20. (20)特定施設の設置の許可に係る審査期間の短縮

5.危険物・防災・保安分野

  1. (1)危険物の取扱いに関する仮貯蔵許可の柔軟な対応
  2. (2)屋外タンク貯蔵所における指定数量の計測方法の統一
  3. (3)屋上ヘリポートにおける航空機給油取扱所の設置容認
  4. (4)公有水面埋立の緩和
  5. (5)非常用発電機に対する、一般取扱所規制の除外または緩和

6.エネルギー分野

  1. (1)発電用にも供しているボイラーの規制の見直し
  2. (2)電気事業法における蒸気タービンに関する規制緩和
  3. (3)一般電気工作物工事に従事できる者の要件の見直し
  4. (4)保安業務従事者等の実務経験に関する要件緩和
  5. (5)第3種電気主任技術者の監督の範囲拡大
  6. (6)火力発電所をリプレースする場合の環境影響評価手続の簡素化
  7. (7)風力・地熱発電における環境アセスメント手続き迅速化
  8. (8)国立・国定公園における地熱開発規制の緩和
  9. (9)省エネ法、温暖化防止条例に基づく届出の一元化の推進
  10. (10)省エネ法に基づく中長期計画書作成の負担軽減
  11. (11)省エネ法に基づく定期報告対象の限定
  12. (12)変圧器に係るトップランナー規制の見直し
  13. (13)電気自動車の非接触給電装置の設置に関する許可の緩和
  14. (14)潜熱回収型ガス給湯器のドレン排水規制の緩和
  15. (15)LNG設備、石油・ガスプラント、化学プラント等の建設工事に係る詳細設計図書の提出時期の見直し

7.情報通信分野

  1. (1)医療等分野における番号制度の導入
  2. (2)官民が保有する情報を連携するための基盤構築
  3. (3)医療用医薬品におけるより迅速で確実な情報提供の推進(添付文書情報の電子的な提供の推進)
  4. (4)中古買取販売業における相手方の真偽確認方法の選択肢拡大
  5. (5)電子保存可能書類の明確化と対象とする書類の拡大
  6. (6)行政機関等からの照会に係る事務手続の簡素化
  7. (7)金融機関での税公金収納取引における納付書の電子的な読み取りを可能とする制度・環境整備
  8. (8)政府の情報システム調達に関する改善
  9. (9)電波法規制の緩和
  10. (10)携帯電話回線の利用制限の見直し
  11. (11)主任無線従事者制度の条件緩和
  12. (12)時分割多元接続方式広帯域デジタルコードレス電話が利用可能な周波数の技術的条件の見直し
  13. (13)無線局機器に関する基準認証制度の緩和
  14. (14)クラウドのサービスレベル基準/技術基準の制定
  15. (15)政府機関のクラウドサービス利用における情報セキュリティ対策の明確化と各国政府の要求事項の差異の明確化

8.金融・保険・証券分野

  1. (1)保険会社の常務に従事する取締役等の兼職認可の届出制への移行(グループ間限定)
  2. (2)保険会社の特定子会社(ベンチャーキャピタル子会社)の保有比率10%超投資対象企業の範囲等の拡大
  3. (3)外国の関連法人等に係る子会社等業務範囲規制の緩和
  4. (4)共同出資者の子会社から合弁会社への貸付に関する貸金業法適用除外
  5. (5)英文開示銘柄に関する説明義務の見直し

9.雇用・労働分野

  1. (1)創造性の高い業務内容・働き方に適した労働時間制度の創設
  2. (2)企画業務型裁量労働制の適用範囲の拡大および手続きの簡素化
  3. (3)フレックスタイム制の見直し
  4. (4)変形労働時間制に係る天災時のカレンダーの変更
  5. (5)休憩時間の一斉付与規制の撤廃
  6. (6)労働基準監督行政の統一的運用強化
  7. (7)使用者の雇用保障責任に係る判例の整理と予見可能性の高い紛争解決システムの構築
  8. (8)就業規則による労働条件の不利益変更法理の規制見直し
  9. (9)36協定の特別条項に関する基準の柔軟な運用
  10. (10)労働契約申込みみなし制度の廃止
  11. (11)グループ企業内派遣規制における派遣割合の見直し
  12. (12)一年以内に離職した労働者の派遣労働者としての受入れ禁止の見直し
  13. (13)日雇派遣の原則禁止の廃止

10.通商・国際協力・インフラ輸出分野

  1. (1)エンドユース規制中心の安全保障貿易管理制度への移行
  2. (2)安全保障貿易管理に係る行政手続法第二章の適用除外規定の撤廃
  3. (3)「公知の技術」に係る定義の見直し
  4. (4)ODA無償資金協力における運営・維持管理費用の対象化

11.外国人材分野

  1. (1)永住許可に必要な在留歴の算定方法の見直し

12.その他

〔経済法制〕

  1. (1)独占禁止法9条(一般集中規制)の廃止等
  2. (2)独占禁止法9条ガイドラインの改正による報告の適正化
  3. (3)生産出荷集中度調査の調査頻度の見直し
  4. (4)グループ会社を最終顧客とする製造委託等の下請法の適用除外
  5. (5)アウトレットにおける景表法上の二重価格表記要件の緩和
  6. (6)グループ企業間の法律事務の取扱いと弁護士法第72条の関係

〔医療、社会保険等〕

  1. (7)福祉用具専門相談員の常勤換算方法において例外的取扱が可能であることの周知
  2. (8)任意継続被保険者・特例退職被保険者の健康保険料について、厚生年金から特別徴収を実施
  3. (9)任意継続被保険者・特例退職被保険者の保険料前納(支払)期間の追加
  4. (10)診療放射線技師の検査機器使用時における医師立会いの不要化
  5. (11)保険料の前納に係る割引率の引下げ
  6. (12)特例退職被保険者の標準報酬月額の決定方法の柔軟化

〔その他〕

  1. (13)指定医薬部外品の機能性表示規制の見直し
  2. (14)医療用医薬品を一般用医薬品として販売するために必要な臨床試験の見直し
  3. (15)医療機器の製造業者が自ら製造する医療機器を修理する場合の修理業許可の不要化
  4. (16)動物向け体外診断用医薬品の製造販売手続きの見直し
  5. (17)指定管理医療機器の製造販売の認証基準の明確化
  6. (18)CT搭載車等移動式医療装置の使用前検査および使用許可の取扱いに関する運用の徹底
  7. (19)医療用医薬品の製造販売承認申請に係る手数料の納付方法の見直し
  8. (20)乳および乳製品の容器に関する規制の見直し
  9. (21)展覧会における美術品損害の補償契約の手続きの見直し
以上

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