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Policy(提言・報告書) アジア・大洋州 第27回 経団連・全経連首脳懇談会 共同声明

2017年10月20日
於:日本・東京

  1. 日本経済団体連合会(経団連)と全国経済人連合会(全経連)は2017年10月20日、第27回目となる両団体首脳間の懇談会を日本・東京の経団連会館で開催した。経団連側は榊原定征会長をはじめ17名、全経連側は許昌秀会長など15名の首脳がそれぞれ出席した。

  2. 経団連と全経連は、首脳懇談会に加え、2015年10月に「日韓国交正常化50周年記念シンポジウム」を、本年5月に「日韓第三国市場共同進出セミナー」を開催するなど、日韓経済関係の更なる拡大・深化に向けた取り組みを強化している。こうした取り組みが結実し、日韓経済・産業協力が一層発展していくためには、安定的な政治・外交関係が不可欠である。この点において、両国経済界は、本年7月と9月に安倍晋三総理と文在寅大統領の間で首脳会談が開催されたことを大いに歓迎する。

  3. 今回の会議では、永年にわたって培ってきた相互信頼関係を基に、日韓両国の更なる発展に向けた中長期的な課題とそれを解決するための協力方案などについて議論し、両国の関係拡大に加え、アジアならびに世界経済の発展にも寄与していくことを確認した。

  4. まず、最近の日韓両国の経済情勢とともに、中長期的な成長と競争力の強化を目指した両国の成長戦略について報告し、今後の両国の協力の可能性などについて率直な意見交換を行った。

  5. 次に、イノベーションの推進に向けた取り組みとして、日本側からは、超スマート社会である「Society 5.0」の実現に向けた取り組みを、韓国側からは製造業、サービス業など、主要産業における「第4次産業革命」の実現に向けた取り組みについて紹介し、日韓両国が更なる成長を遂げるためには、イノベーションがその基盤となるという認識を共有した。また、競争が激化する国際市場において、両国が競争力を発揮していくためには、両国の経済・産業協力が不可欠との認識をともにし、観光やサービス産業等に加え、ICTやIoT等の成長産業について、今後の協力拡大を図っていくことで合意した。

  6. 企業の競争力の源泉である人材に関し、現在、韓国では若者の失業問題に、日本では労働力不足に直面している。日本側は、韓国の大学生の日系企業へのインターンシップ事業や韓国政府機関等が実施する韓国学生の就職説明会への協力など、韓国若者雇用の機会拡大に様々な形で協力することを表明した。韓国側は、両国の経済界のもつネットワークを基に、雇用に関する情報交換を活性化し、企業と人材のマッチング・チャンスを多様化するよう提案した。こうした議論を踏まえ、来年の然るべき時期に関連のセミナーを開催するなど、両国経済界が相互に協力していくことで合意した。

  7. また、今後の成長分野のグローバル環境での日韓両国の協力に関し、両国の経済界は、アジアの経済統合が地域の持続的な経済成長を実現するために不可欠であることを確認するとともに、日本側は質の高い日中韓FTA、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の早期締結のために、日韓両国が緊密に協力していくことが重要であると強調した。

  8. 第三国市場での日韓企業間の協力に関しては、経団連と全経連が本年5月にソウルで開催した「日韓第三国市場共同進出セミナー」の成果等を踏まえつつ、中国の一帯一路構想関連プロジェクトも含め、第三国市場でのさらなる協力関係の拡大に向けて、引き続き、情報交換と議論を深めることで合意した。

  9. さらに、両国の経済界は、首脳をはじめ日韓の政府間の交流が様々な形で進み、良好で安定的な政治・外交関係の構築に資するよう、日韓中首脳会談の早期開催を期待するとともに、その折に「日韓中ビジネス・サミット」を開催するなど、最大限の協力を行うことで合意した。これらを通じて、両国経済界として、引き続き、未来志向の日韓関係の発展に貢献していく。

  10. 双方は、然るべき時期に、次回の経団連・全経連首脳懇談会をソウルで開催することで合意した。

日本経済団体連合会
会長  榊原定征
全国経済人連合会
会長  許 昌秀

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