Policy(提言・報告書) 地域別・国別 ロシア・NIS  第15回日本ロシア経済合同会議 メモランダム

(日本語仮訳/英文正文
2018年11月19日、東京

2018年11月19日、日本経済団体連合会(以下「経団連」)とロシア産業家企業家連盟(以下「RSPP」)は東京で、第15回日本ロシア経済合同会議(以下「合同会議」)を開催した。

両者は、日露経済関係において新たに実施可能な投資プロジェクトがとりわけ2016年以降の首脳会談によって強化されていることを歓迎した。

経団連は、投資環境の改善に向けたロシア政府のたゆまないコミットメントと努力を高く評価した。その一方で、両者はロシアのビジネス環境に関する経団連アンケートの最新の結果、すなわち日本企業がロシアで直面している課題やさらなる改善に向けた具体的な要望を共有した。

こうした中、両者は投資プロジェクトの促進を目的として、日露企業がウィンウィンベースのビジネスを展開できるよう、綿密かつ率直な政策対話を通じて構造的な問題を解決するため恒常的に努力していくことの重要性を認識した。

より多様でこれまでにない分野におけるビジネス関係を活性化する最近の機運を反映し、合同会議の3つのセッションでは、「日露経済関係:長期的に持続可能でバランスの取れた関係をいかに構築するか」、「日露協力とロシア経済の近代化」、「ロシア諸地域:協力が有望な分野」に議論の焦点が当たった。

両者は合同会議を通じて、前述の分野における様々な問題や課題の相互理解を深めることに関心を表明した。両者はとりわけ、日本経済界・社会の近代的な技術とニーズを踏まえ、ロシア諸地域における共同投資プロジェクトの実施に向けた現行の協力の重要性を共有した。

優先分野における協力や投資プロジェクト、地域間協力に関する意見交換を踏まえ、両者は、日本・ロシア連邦両政府に対し、必要な場合は共同政策提言の形式を含め、短期的かつ中長期的な行動を取る必要性を認識した。

RSPP側は、ロシアで現在審議されている法案がロシアの各地域で工業生産を生み出し、また、近代化するための投資プロジェクトを支援する多様なツールを促進することを強調した。

加えて、両者は、以下にあるロシアの様々な地域の公社と日本企業との協力を発展させる広範な展望に留意した。

  • ヴォルゴグラード州(化学クラスター)
  • ニジニ・ノヴゴロド州(造船、機械、製薬、石油化学産業の分野)
  • チュヴァシ共和国(電気技術製品の共同生産、液体・ガス・石油製品の輸送用コンテナ)
  • ウリヤノフスク州(自動車輸送と工作機械建造):特にデジタル時代の鉄道部門における協力

経団連側は、特に極東に直接投資を誘致する政策・施策に関する懸案事項にRSPP側の関心を喚起した。これには、正確で客観的な情報の提供、輸送インフラの整備、先進的経済特区内の優遇措置(法人税や固定資産税等)の期間の延長、投資後のきめ細かなアフターケア等が含まれる。

両国をそれぞれ代表する経済団体同士のハイレベルなビジネス対話を実施することの重要性を認識し、経団連とRSPPは両者の都合が良い時期にロシア連邦モスクワにおいて第16回合同会議を開催することに合意した。

本メモランダムは2018年11月19日に編纂され、英語の2本の正本に署名された。

経団連 日本ロシア経済委員長
朝田 照男
RSPPロシア日本経済協力委員長
アレクサンドル・ショーヒン