1. トップ
  2. Policy(提言・報告書)
  3. 科学技術、情報通信、知財政策
  4. 「プラットフォームサービスに関する研究会中間報告書(案)」への意見

Policy(提言・報告書) 科学技術、情報通信、知財政策 「プラットフォームサービスに関する研究会中間報告書(案)」への意見

2019年3月8日
経団連情報通信委員会企画部会

個人に関するデータが活用されることにより、各人のニーズに合ったサービスが提供されることなどを通じ、経済成長や豊かな生活を享受することが可能になっている一方で、消費者の間に、データの悪用やプライバシー侵害に関する懸念が広がっている。デジタルテクノロジーとデータの活用により経済成長と社会課題の解決が図られた社会であるSociety 5.0の実現を目指すわが国としては、個人データを含めたデータの活用やデジタルイノベーションを推し進めるとともに、消費者の懸念に代表される、デジタル社会の新たな課題を解決するために、政府一体・官民連携で取り組む必要がある。

以上を踏まえ、「プラットフォームサービスに関する研究会」が取りまとめた中間報告書(案)に対し、下記のとおり意見を述べる。

[該当箇所]
  1. 第3章 プラットフォームサービスに係る利用者情報の適切な取扱いの確保に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性
  2. 第2節 各検討項目に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性
  3. 1.利用者情報のグローバルな流通の進展に対応するための規律の適用の在り方
[意見]

電気通信事業法に定める通信の秘密の保護規定は、国外に拠点を置き国内に電気通信設備を有さずにサービスを提供する者には適用されない運用がなされている。しかし、消費者を保護し、公平・公正な取引環境を確保するためには、電気通信設備を国内に保有しているか否かにおいて規律に差を設けるのは適切でなく、わが国の利用者を対象にサービスを提供する場合には、当該規律が等しく適用されるべきである。

したがって、「政策対応上の基本的方向性」にある「国外のプラットフォーム事業者が、我が国の利用者を対象として電気通信サービスと同様の、又は類似したサービスを提供する場合についても、電気通信事業法に定める通信の秘密の保護規定が適用されるよう、法整備を視野に入れた検討を行うとともに、併せてガイドラインの適用の在り方についても整理することが適当」との方向性に賛成する。

[該当箇所]
  1. 第3章 プラットフォームサービスに係る利用者情報の適切な取扱いの確保に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性
  2. 第2節 各検討項目に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性
  3. 2.電気通信サービス・機能とプラットフォームサービス・機能の連携・融合等の進展に対応するための規律の適用の在り方
[意見①]

中間報告書(案)には、通信の秘密の保護についての考え方はまとめられているが、具体的に保護すべき内容についての整理が必要である。

そのうえで、ビジネスモデルや市場環境が大きく変化するなかにあって、最新技術を駆使した通信サービスの提供や消費者の利便性にも配慮し、必要以上の規律を適用することは避けるべきである。

[意見②]

中間報告書(案)では、端末IDやクッキーなどの端末情報が利用者の意思に反して取得・活用されているとすると、プライバシー上の適切な保護を検討する余地が生じ得るため、引き続き検討が必要とされている。

端末情報の取扱いに関するガイドラインに定める規律の適用については、(ⅰ)端末情報単体では特定の個人を識別できず、個人の権利利益を侵害しないこと、(ⅱ)端末情報を他の情報と容易に照合することにより特定の個人を識別できることとなった段階では、事業者は個人情報保護法上の個人情報として適切に保護していること、を踏まえるとともに、事業活動の実態や消費者の利便についても考慮し、慎重に検討すべきである。

[意見③]

中間報告書(案)に記載されているとおり、これから飛躍的に増大すると予想されるモノとモノとの間のデータのやりとり(M2M通信)の中には、利用者のプライバシーに直接関わらないものもあり得る。今後の検討に際しては、M2M通信全般にわたり通信の秘密に係る規律を過度に適用することのないよう、具体的な事例に基づいた検討を行うべきである。

[該当箇所]
  1. 第3章 プラットフォームサービスに係る利用者情報の適切な取扱いの確保に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性
  2. 第2節 各検討項目に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性
  3. 3.プラットフォーム事業者による、規律に従った適切な取扱いを確保するための方策のあり方
[意見]

国外のプラットフォーム事業者による規律に従った適切な取扱いを確保するための方策として、わが国の法律の執行を確実に担保するための方策を講じるとともに、関係者に自主的な取組みを促す、他の法律を所管する他省庁との連携を行うという「政策対応上の基本的方向性」に賛成する。

また、国外のプラットフォーム事業者に対する法律の執行を担保するためとして「政策対応上の主要論点」に言及されている、国際的な執行協力や域内に代理人を設置する方法も、国際協定との整合性やプラットフォーム事業者のビジネスの実態等を踏まえ、検討を行うべきである。

[該当箇所]
  1. 第3章 プラットフォームサービスに係る利用者情報の適切な取扱いの確保に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性
  2. 第2節 各検討項目に係る政策対応上の主要論点と基本的方向性
  3. 4.欧米におけるプライバシー保護法制をはじめとする国際的なプライバシー保護の潮流との制度的調和に係る政策対応
[意見]

電気通信分野における通信の秘密およびプライバシーの保護に係る規律について、国際的調和の観点を踏まえて検討することは重要である。しかし、わが国で個人データの活用ビジネスが十分に進んでいない現状を踏まえると、過度に事業者を萎縮させる制度の導入は望ましくない。したがって、欧米における制度を無批判に受け入れるのではなく、通信の秘密・プライバシー保護とイノベーション促進のバランスの取れた制度の導入を模索すべきである。

以上

「科学技術、情報通信、知財政策」はこちら