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Policy(提言・報告書)  労働政策、労使関係、人事賃金 雇用調整助成金特例措置のさらなる延長に関する要望

2020年11月4日
一般社団法人 日本経済団体連合会
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コロナ禍による経済低迷が続く中、雇用調整助成金(以下、雇調金)の支給実績は、10月末時点の累計で、167万件、2兆円を超えた。9月の完全失業率が3.0%と、リーマンショック時(2009年5.5%)と比べて低水準であることに鑑みると、失業予防対策として有効に機能してきたと言える。

雇調金新型コロナウイルス感染症特例措置(以下、特例措置)は12月末までとされているが、感染症収束の道筋は未だついておらず、経済の先行きは不透明で、今後の雇用情勢は予断を許さない。依然として、企業のニーズが強いことから、雇用情勢を慎重に見極めながら、本則への段階的な移行を見据えつつも、特例措置の延長をお願いしたい#1

一方、雇調金が想定以上に活用され、雇用保険二事業に係る雇用安定資金財源の枯渇化は必至である。今回の国難とも言うべき経済危機は全国規模の感染症拡大によるものであり、必要となる失業予防対策は、事業主連帯との考え方の下、雇用主の雇用保険料で賄う雇用調整助成金の域を超えている#2。特例措置の延長に際しては、失業の急増など社会不安の増幅を回避し、国民生活を守る観点から、雇調金全体に要する費用として、一般財源を思い切って投入すべきである。また、雇用維持の観点から、経済が回復しない段階での雇用保険料率の引き上げを避けるべきである。

全国レベルの感染症拡大や大規模自然災害等における失業予防対策については、全額事業主負担の雇調金を基本とした現行の仕組みでは限界がある。今後、今回の雇調金の効果等を検証し、一般財源等を思い切って投入した新たな仕組みを検討すべきである。

以上

  1. コロナ禍の長期化を受け、「クーリング期間の撤廃継続」や「生産指標要件の緩和(2年前の業績との比較等)」の確保に加え、適切な助成率・一人当たり上限額の継続、出向や教育訓練に対する支援の充実等が求められる。
  2. コロナ禍の下での約2兆円の雇調金支給額のうち、約1.5兆円が事業主負担で賄われている。そもそも雇調金の活用は「景気の変動などの経済上の理由」を想定したもの。

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