2020年12月2日、中国国際経済交流センター(CCIEE)と日本経済団体連合会(経団連)は、第6回日中企業家及び元政府高官対話をオンラインで開催した。
双方は、新型コロナウイルスの感染拡大が、人々の健康と安全ならびに各国の経済・社会の発展に深刻な脅威をもたらしているとの認識を共有した。双方は、日中が感染拡大の抑制と経済活動の再開の両立に向けて協力することが重要であると確認した。また、世界の公衆衛生と安全を維持するための国際的な連携を推進すべきであると表明した。
双方は、日中経済の現状、動向、政策の方向性等について意見交換を行うとともに、ポストコロナ時代の日中経済協力の展望につき議論し、相互に理解を深めた。
双方は、コロナ禍により世界経済が低迷する中、デジタルトランスフォーメーション(DX)が各国の経済・社会の新たな発展に重要な役割を果たしているとの認識を共有した。イノベーションと産業構造変革のチャンスを掴むため、知的財産権の適切な保護やデータ流通に係るルール形成、サイバーセキュリティの確保などについて対話を実施し、必要な連携を図っていくことを確認した。
双方は、世界的なコロナウイルスの蔓延という未曾有の危機において、自由で、開かれた、円滑なグローバル貿易・投資体制の堅持・拡大に向けて、引き続きルール整備を進めることが必要であると認識した。双方は、ルールに基づく多角的貿易の中核を担う世界貿易機関(WTO)の果たす重要な役割を認識し、改革の必要性について一致するとともに、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の署名を歓迎し、日中韓FTA交渉の加速による、より高いレベルでの地域経済統合の実現に期待を表明した。また、引き続き第三国での質の高いインフラ整備に協力していくとともに、ハード・ソフト両面でのサプライチェーンの強靭化を通じて、地域の連結性を強化していく重要性を共有した。
双方は、少子高齢化や環境問題など、両国が共通して直面する課題の解決に向けて更なる協力が不可欠であるとの認識で一致した。互いの知見を大いに活用しつつ、医療・ヘルスケア、介護等の分野での協力を推進し、両国の国民生活の向上に寄与していくべきである。また、引き続き省エネ・環境保護分野での協調と協力を推進し、その一環として、脱炭素社会への移行に向けたクリーンエネルギー・環境技術の開発・普及とその金融面からの後押しを加速する。これらの取り組みを通じて、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献していくことで一致した。あわせて、民間レベルの交流を継続し、相互理解促進と信頼醸成を積み重ねていく重要性を確認した。
双方は、日中の企業家と元政府高官による定期的なハイレベル対話の開催が果たす重要な役割を高く評価し、日中経済協力の拡大・深化に向けて議論を継続することで一致した。双方は、来年の適切な時期に第7回会合を東京で開催することに合意した。
Policy(提言・報告書) 地域別・国別 アジア・大洋州 第6回日中企業家及び元政府高官対話 共同声明
以上