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Policy(提言・報告書) 労働政策、労使関係、人事賃金 仕事と育児との両立支援 事例集 小野薬品工業株式会社

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仕事と育児との両立支援 事例集
小野薬品工業株式会社
業種:医薬品製造業
従業員数:3,761名(男性:2,707名、女性:674名)※連結
所在地:大阪府大阪市

小野薬品工業では、「社員が様々なライフイベントを迎えても仕事を続けることができ、男性社員にも育児休業について理解を深めてもらうことで、お互いが尊重し合い、気持ちよく働くことのできる職場環境を作っていく」とのメッセージを経営トップが発信している。そのうえで、「公平で透明性の高い魅力のある風土」「個性を発揮し、活躍できる仕組み」「変化に適応できる柔軟な労働環境」の実現に取り組んでいる。

<主な取組み>

○男性の育児休業取得促進

2016年当時、同社の男性の育児休業取得率は0%であった。そこで、男性の育児休業取得促進に向け、人事部門で様々な取組みを進めてきた。

例えば、社内の風土を変えるために、育児休業を取得した男性社員の体験談と上司のインタビューを社内報に掲載した。その中では、業務引継ぎの工夫や育児休業から得られた経験などを語ってもらった。また、男女2名ずつの育児休業経験者による座談会の記事を掲載するなど、事例紹介を通じて、会社が男性の育児休業取得をしっかり進めるというメッセージを社内に広く伝えたことは大きなインパクトがあった。

加えて、人事担当者が相談に応じる窓口の設置や、妊娠・育児休業開始から復職までのサポートを目的とした育児休業前ガイダンス、仕事と育児の両立を支援するために社員とその上司が一緒に参加する育児休業復職後のフォローアップセミナーを導入した。さらに、保育所探しのサポート等のサービスを利用できる「子育てみらいコンシェルジュ」の提供や、経済的な支援として病児保育補助、託児所・ベビーシッター補助を実施している。

○働きやすい職場づくりの推進

同社は、育児を抱える社員だけでなく、優秀な人財の採用・確保を実現するために働き方改革を進め、ワーク・ライフ・バランスの向上に継続的に取り組んでいる。スーパーフレックス制度に加えて、在宅勤務制度は各部署の働き方にあわせて活用できる形となっている。また、勤務間インターバル(11時間以上)の導入や、長時間労働の抑制に向けて、IT活用による業務効率化などに関する研修に力を入れている。

<今後の展望>

2022年度の男性の育児休業取得率は65.2%となり、着実に向上している。男性社員からは「取りやすい雰囲気になってきた」との声も寄せられている。しかし、育児休業取得者がいる部署に対するサポートや代替要員の確保等が課題として挙げられる。派遣社員の採用など弾力的に対応しながら、「2026年度までに男性の育児休業または時短勤務の少なくともどちらかの取得率80%」の目標達成に向けて、社員に寄り添った取組みを進めていくこととしている。

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