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Policy(提言・報告書) 科学技術、情報通信、知財政策 サイバー分野における官民連携に関するNCABと経団連の協力覚書

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(仮訳/英語正文

英国国家サイバー諮問委員会(NCAB:National Cyber Advisory Board)と経団連は、以下の内容について合意した。

サイバー分野に関する包括的かつ積極的に関与する、国内および国際的な対話のための官民連携の重要性を認識する。

自由、公正かつ安全で、国際法を遵守し、経済成長の機会を最大化し、Society 5.0 for SDGsとDFFT(信頼性のある自由なデータ流通)を実現するサイバー空間にコミットする。

自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を確保:「強化された日英のグローバルな戦略的パートナーシップに関する広島アコード」を基礎とし、日英サイバーパートナーシップおよび人的交流に関する協力覚書の実現を目指す。

第1項
目的

  1. この協力覚書(以下、MoC)の目的は、日英間のサイバー分野における官民連携を深化させることである。

第2項
協力分野

両者は以下の分野で協力する:

  1. 2024年1月に実施された第1回「日英サイバー協力ミッション」を踏まえ、両者の協力関係を深めつつ、各国の取組みに関する最新情報を共有し、サイバー空間における現状および新たな動向について議論するために、定期的に会合を開催する。

  2. サプライチェーン防護を含む、サイバーレジリエンスの必要性に関する経営層の認識を向上させる。

  3. 専門化、ベストプラクティスの採用、入門レベルに焦点を当てた人材育成等を通じて、サイバースキル不足に対する解決策を見出す。

  4. 将来の危機や紛争に備えたサイバーレジリエンスに関する官民連携を強化する。

  5. 持続可能で革新的、かつ国際競争力のあるサイバーセキュリティ・情報セキュリティ分野の成長を促進し、質の高い製品とサービスを活用して政府ならびに広範な経済のニーズに応える。

  6. 高度で営利的なサイバー能力が無責任に広がり使用されることによってもたらされる脅威について、より広範な理解を醸成する。

  7. 安全性とイノベーションのバランスを取りながら、現状や今後予想されるサイバー規制について議論する。国境を越えた価値を創造するための規制や標準・規格の調和の実現を支援する。

  8. 価値観を共有する同志国・地域の機関を包含するための協力を拡充する。

第3項
実行と統制

  1. 両者は、必要に応じて関係する高官や専門家を招き、本MoCを実施する。

  2. 両者は、官民の枠組みを利用して、本MoCの実施を監督する。

  3. 本MoCに起因する紛争は、両者の協議を通じて友好的に解決する。

第4項
開始、期間、変更および中止

  1. 本MoCは法的拘束力を持たず、国内法または国際法上の権利・義務を生じさせるものではない。また、両者が新たな協力分野を設定することを排除するものでもない。

  2. 本MoCは、両者が署名した日に効力が発生する。本MoCを破棄したい場合は、3か月前にその意向をもう一方に書面で通知することで破棄できる。

  3. 本MoCは、両者の合意により、いつでも書面により変更できる。かかる変更は、両者が決定した日に効力が発生する。

  4. 本MoCを破棄することは、両者が特段の決定をしない限り、継続中の協力活動に影響を与えない。

上記は、NCABと経団連の双方で言及した事項に関する合意を示すものである。

本MoCは2024年1月17日に編纂され、英国ロンドンにて2本の正本に署名された。英文、和文ともに同じ価値を有する。

経団連 副会長
サイバーセキュリティ委員長
遠藤 信博
副首相/ランカスターハウス公領大臣
NCAB共同代表
オリバー・ダウデン
ロイズ・バンキング・グループCIO
NCAB共同代表
シャロン・バーバー

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