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Policy(提言・報告書)  産業政策、行革、運輸流通、農業 「第二次出入国在留管理基本計画(案)」に対する意見

2026年7月8
一般社団法人 日本経済団体連合会
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現在、出入国在留管理庁は「第二次出入国在留管理基本計画(案)」(以下、「基本計画案」)について意見募集(パブリック・コメント)を実施している#1

2025年末時点におけるわが国の在留外国人数が約413万人と過去最高を更新した。外国人政策に関する国民的な関心が高まる一方、この間も国際的な人材獲得競争は激しさを増している。

外国人政策の転換期とも言うべき状況を踏まえ、経団連は2025年12月に外国人政策に関する提言を公表した#2。同提言では、有為な外国人材の秩序ある受入れの必要性を示しつつ、社会の分断を招くことのないよう、エビデンスに基づく制度の適正化と中長期的な視点に立った社会統合を進めることの重要性を指摘している。

今般の基本計画案は、こうした観点に加え、デジタル技術等を活用した厳格かつ円滑な出入国審査や適正な在留管理、秩序ある共生社会の構築に向けた受入れ環境の整備等を基本方針として掲げており、第一次出入国在留管理基本計画をさらに発展・進化させる内容となっていることを高く評価する。

その上で、基本計画案をより実効性の高いものとするため、政府全体の施策との整合性や、昨今の出入国在留管理行政を取り巻く環境変化、中長期的な社会統合等の観点から、下記のとおり意見を提出する。

出入国在留管理庁におかれては、外国人材の受入れ環境整備に関する総合調整機能を一層発揮するとともに、関係省庁との緊密な連携の下、新たな基本計画に基づく出入国在留管理行政を着実かつ強力に推進することを期待する。

1. パブリック・コメント「第二次出入国在留管理基本計画(案)に係る意見募集について」
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=315000131&Mode=0

2. 経団連提言「『転換期における外国人政策のあり方』~秩序ある戦略的誘致・受入れ環境整備に向けて~」(2025年12月公表)

1.出入国在留管理行政におけるAIの一層の活用

【基本計画案における該当箇所】

1 厳格かつ円滑な出入国管理の実現(全般)
2 外国人の適正な在留管理の実現
ア 在留管理DXの推進

【意見】

AIの活用による厳格な出入国在留管理と外国人・企業の利便性向上を両立させる方針を明確化すべき。

【理由】

まず、電子渡航認証制度(JESTA)の2028年度中の前倒しでの導入やデジタル技術のさらなる活用、在留管理DXの推進に取り組む方向性を評価する。

一方、高市政権は、17の戦略分野の一つとして「AI」を位置付けており、現在検討が進められている骨太方針や日本成長戦略等においても、「AIトランスフォーメーション(AX)」を重要政策として掲げている。

こうした政府の基本方針を踏まえ、今後の出入国在留管理行政においても、AIを最大限活用した在留管理DXを積極的に推進すべきである。これにより、膨大な申請・届出・出入国情報等を適切に分析・活用し、適正な申請者については審査の迅速化・自動化や提出書類の削減を進める一方、悪質・高リスクの申請者については重点的な審査を実施するなど、メリハリのある効率的かつ実効性の高い審査体制を構築することが可能となる。

2.高度人材の戦略的誘致

【基本計画案における該当箇所】

2 外国人の適正な在留管理の実現
エ 上陸許可基準の見直しの検討等

【意見】

高度人材の戦略的誘致に向け、J-Find等の関係制度について活用状況や国内定着状況を把握・評価した上で、必要な制度改善を検討する旨を記載すべき。

【理由】

まず、高度専門職等について、制度目的やポイント加算項目、年収基準、配点、企業・業界ニーズ等を踏まえた制度の見直しや、優秀な外国人材に制度の魅力を的確に届けるための広報活動の強化を掲げている点を評価する。

一方、国際的な高度人材獲得競争が激化する中、日本が有為な外国人材から「選ばれる国」となるためには、高度人材の戦略的な誘致を成長戦略の重要な柱として位置づけるとともに、制度の運用実績を継続的に検証し改善していくことが不可欠である。

具体的には、J-Findの活用状況や、その後の就職・起業・在留状況等を継続的に把握・分析し、エビデンスに基づいて制度を改善していくべきである。ただし、J-Findについては、国内の対象大学が現状では東京大学および京都大学の2大学に限られている実態を踏まえ、優秀な留学生の国内定着を促進する観点から、成績上位者等、一定の成績要件を満たす者に限り、国内の対象大学を拡大することも一考に値する。

3.育成就労制度の開始に向けた体制整備

【基本計画案における該当箇所】

2 外国人の適正な在留管理の実現
ア 在留管理DXの推進
オ 育成就労制度の運用開始に向けた準備等

【意見】

外国人育成就労機構における各種申請・届出のオンライン化、関連業務の電子決裁化を着実に進める旨を記載すべき。

【理由】

まず、出入国在留管理行政における在留申請・各種届出について、原則オンライン化を推進するとともに、2027年4月の育成就労制度の運用開始に向け、外国人育成就労機構を含め必要な人的・物的体制整備に取り組む方針が示されている点を評価する。

一方、外国人育成就労機構における各種申請・届出のオンライン化の具体的な進捗状況は必ずしも明らかになっていない。行政手続のオンライン化については、「規制改革実施計画」(令和4年6月7日閣議決定)において、「法令等又は慣行により、国民や事業者等に対して書面の作成・提出等を求める行政手続のうち、令和7年12月末までにオンライン化する方針が決定している約12,000種類の手続について、可能な限り前倒しを図りつつ措置する」こととされている。同様に、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和6年6月21日閣議決定)においても、「国民の利便性の向上につながる行政手続から優先的に、オンライン化、行政機関間の情報連携等による添付書類の省略及び既存の情報システムにおける利便性向上に必要な情報システムの整備を行う」ことが掲げられている。

育成就労制度の実効性を確保するためには、制度開始前から、外国人本人、受入れ機関、監理支援機関等の利用者にとって分かりやすく、迅速かつ効率的に手続きを行うことのできる体制を整備することが不可欠である。育成就労制度の創設等に伴い、2025年末までのオンライン化のスケジュールに一定の見直しが生じていることはやむを得ないものの、外国人育成就労機構における各種申請・届出のオンライン化や関連業務の電子決裁化に関しては、申請者の利便性向上、重複書類の削減、機構の事務作業の効率化に資することから、着実に推進すべきである。併せて、AI等を活用して申請内容や各種データを分析することにより、不適切事案の早期把握やリスクに応じた重点監査・重点指導の実施など、より効率的かつ実効性の高い監督体制の構築につなげることが期待される。

以上

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