一般社団法人 日本経済団体連合会
クリエイティブエコノミー委員会
エンターテインメント・コンテンツ産業部会
わが国のコンテンツ産業は、海外売上高が半導体産業を上回る規模に達するなど、世界市場におけるプレゼンスを高め、外貨を稼ぐ基幹産業として着実な成長を遂げている。この成長モメンタムを一層加速させ、持続的なものとするためには、コンテンツ政策のさらなる強化・拡充が必要である。この観点から、経団連は、
- (1) 一元的な司令塔機能および一貫した支援を執行可能な実施機関の設置
- (2) 諸外国並みの大規模・複数年・戦略的な支援
等を重ねて提言してきた#1。
こうした経団連の提言を受け、政府においても、
- (1) 産業界も参画する「コンテンツ産業官民協議会」を設置し、「日本成長戦略」(2026年7月21日閣議決定)において、一気通貫の支援体制の構築を明記
- (2) 2025年度補正予算・2026年度当初予算におけるコンテンツ関連予算の約590億円への倍増、さらに2027年度概算要求において、関係省庁が連携し、2,500億円を超える当初予算を要求
など、呼応した具体的な取り組みに着手している。これらは、従来のコンテンツ政策の延長線上にとどまらない、官が力強く踏み込んだ大きな前進であり、高く評価する。
一方、「2033年に海外売上高20兆円」という目標を実現するためには、市場戦略の策定から具体的な支援施策の実行までを一気通貫で担い、政策を戦略的かつ継続的に遂行する実施機関の整備が欠かせない。
加えて、海賊版対策や海外展開支援等、民間企業個社単独では対応が困難な領域については、重点的に取り組む国・地域を明確化するとともに、企業間で協調できるサービスを各種支援策と一体的に展開し、分野やバリューチェーンを横断して、コンテンツ産業全体として最適化を図っていくことが戦略的に極めて重要である。
この点、経団連はかねて、「人材育成から制作支援、海外展開、IP経済圏形成まで、一貫して、かつ重複を排除した形で各種支援を執行可能な実施機関が必要#2」との考え方を示してきた。また、「韓国コンテンツ振興院(KOCCA)・韓国映画振興委員会(KOFIC)のように司令塔組織の下で支援事業を実行する専門機関を設置し、コンテンツに精通した人材を十分に配置し、直接的な支援を行うこと#3」なども提言してきたところである。
わが国においても、今般の機運を捉え、省庁の枠組みを超えて、一連の支援施策を一元的かつ機動的に実行する専門機関を早期に設置すべきである。
具体的には、
- ① 分野別・地域別の市場分析に基づく戦略の策定
- ② 海賊版対策や海外展開支援等、個社では対応が困難な協調領域におけるサービスの提供
- ③ 関係省庁の予算・施策の全体最適化と支援施策の一元的な執行
を一体的に担い、官民双方の知見と専門人材が結集した新たな支援機関を早期に設置することを、改めて求める。
経済界としても、高いポテンシャルを秘めるわが国のコンテンツ産業ならではの野心的な目標の実現に向け、官民一体となって取り組んでいく。その際、わが国コンテンツ産業のさらなる成長と国際競争力の強化という観点から、事業構造改革に取り組むとともに、新たな支援機関を最大限活用しながら、海外展開に向けた成長投資を一層拡大していく決意である。