会長挨拶

十倉会長

新型コロナのパンデミック発生から3年目となる2022年、世界はロシアによるウクライナ侵略という新たな脅威に直面しました。力による一方的な現状変更は断じて許されるものではありません。想像を絶する苦難を強いられているウクライナの人々のために、一日も早い終戦を切望しております。また、企業がグローバルな経済活動を行うためには、自由で開かれた国際経済秩序の確保が不可欠です。安全保障面はもとより経済面においても、これまでの国際秩序を大きく揺るがすロシアのウクライナ侵略には、経団連として、様々な機会を捉えて、G7 をはじめとする国際社会の結束した対応を呼びかけてまいります。

同時に、行き過ぎた株主資本主義や市場原理主義により、地球環境や生態系の崩壊、格差の拡大・再生産など、様々な社会課題がもたらされ、コロナ禍を経て一層顕在化しました。申し上げるまでもなく、資本主義は優れた制度であり、自由で活発な競争、効率的な資源配分、イノベーションの創出など、我々の経済活動の大前提であります。社会課題を克服できるのも資本主義であり、我々は資本主義をアップデートして「サステイナブルな資本主義」を実践し、産業競争力の強化を通じた成長と分配の好循環、地球環境の保全、分厚い中間層の復活、公正で公平な社会の実現、有事対応への備え等を図っていくことが肝要です。サステイナブルな資本主義の実践には、何よりもまず、私たちが生活する地球環境がサステイナブルでなくてはなりません。経団連は温室効果ガスの2030年度46%削減目標、2050年カーボンニュートラルという極めてチャレンジングなゴールを見据えて、グリーントランスフォーメーションに注力してまいります。

さらに、デジタルトランスフォーメーションの推進、科学技術立国の実現と産業競争力の強化、スタートアップの振興、働き方の変革と人への投資、教育改革の推進、地方の経済・社会の活性化、財政健全化と全世代型社会保障・税制の改革を2022年度の重点的な取り組みと位置づけました。

内外の情勢が激変する中、経団連は、社会性の視座(from the social point of view)に立脚した公正な意見を国内外に向けて発信してまいります。2022年度も引き続き、会員の皆さまからのご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

一般社団法人 日本経済団体連合会
会長 十倉 雅和