会長コメント/スピーチ 会長スピーチ  ナレンドラ・モディ インド首相歓迎昼食会における榊原会長挨拶

2014年9月1日(月)
経団連会館
(日英同時通訳)

経団連会長の榊原でございます。

ナレンドラ・モディ首相閣下におかれましては大変お忙しいご訪問日程の中、私ども経済5団体の歓迎昼食会にご臨席賜り、誠にありがとうございました。日本の経済界を代表いたしまして、心から歓迎申し上げます。また、インド政府ならびにインド経済界の皆様にもご出席いただきましたこと、心から感謝申し上げます。

インドと日本の間では、2005年に両国首脳による、いわゆるシャトル外交が始まり、2007年からは日印ビジネス・リーダーズ・フォーラムも定例会合を積み重ねてまいりました。これらを受けまして、2011年には日印包括的経済連携協定(CEPA)が発効いたしました。

こうした中、日印貿易は飛躍的な発展を見せており、2013年には両国の貿易総額は163億ドルまで拡大し、この10年間で4倍以上となっております。

また、投資の面でも、国際金融危機によって、他の主要国からインドへの投資が伸び悩む中、日本からの投資は急増しております。インドに進出している日本企業の数は、最近5年で倍増しており、今や1,000社を超えております。

わが国の経済界は、インド市場の規模や成長性に大いに注目いたしております。ハード、ソフト両面でのインフラ整備への協力を通じて、インドの経済発展に貢献してまいりたいと考えております。特に、長年の日印経済協力のシンボルであるDMICすなわちデリー・ムンバイ産業大動脈構想、およびCBICすなわちチェンナイ・バンガロール産業回廊構想を実現するとともに、水、鉄道、エネルギーなどの生活・産業インフラの整備や、中東およびアフリカをはじめとする第三国市場の開拓での日印企業による協力関係の強化につきましても、検討してまいりたいと考えております。

モディ首相は、グジャラード州の首相時代に、いわゆるCEOスタイルで強力なリーダーシップを発揮され、州経済の大きな発展を主導してこられました 。

この度、インドの首相に就任されるにあたり、インフラ整備と投資に関する改革をはじめ、10項目の優先政策課題 を発表されました。これらはいずれも、貴国の経済発展はもとより、日本を含めた国外の投資企業にとってもビジネス環境の改善につながるものと期待を致しているところでございます。モディ首相におかれましては、引き続き、インドのビジネス環境整備を進めていただくとともに、マルチやリージョナルな貿易・投資の自由化に向け、強いリーダーシップを発揮いただくことを大いに期待致しております。

本日、この昼食会に先立ちまして、経団連とCII(インド工業連盟)は、第7回になります日印ビジネス・リーダーズ・フォーラムを開催いたしました。両国政府への提言を含む共同報告書をとりまとめたところでございます。この共同報告書は、本日夕刻、改めてモディ首相、並びに安倍総理にお渡しすることとなっております。

さらに、経団連とCIIとの間で、具体的なフォローアップ・メカニズムを構築することとしており、次回の安倍総理訪印までの間に、インドに経済ミッションを派遣して、両国の経済協力をさらに具体的に推進することを検討しております。

モディ首相閣下におかれましては、両国経済界の活動に対して一層のご理解とご支援を賜わりますよう、心よりお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。

本日は誠にありがとうございました。