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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 定例記者会見における中西会長発言要旨

2020年10月5日
一般社団法人 日本経済団体連合会

【健康状態と今後の記者会見】

政権が代わり、また、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)対策も感染拡大防止と社会経済活動の両立という新たなフェーズに入るなど、非常に重要な時期にある。こうしたなか、メディアとの対話を通じて経団連の考えを発信することは極めて重要であり、可能な限り記者会見を続けていきたい。

体調は極めて良好であり、治療も順調に進んでいる。再々発を防止するための最先端治療も行っている。

次回以降の会見について、その形式も含め、主治医とも相談しつつ、体調や治療スケジュールを踏まえながら、都度相談させていただきたい。

【規制・制度改革】

本日の会長・副会長会議で、「改訂Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言」を審議し承認されたので、この場で公表する。

菅政権は、デジタル庁の設置や規制・制度改革の推進など個別具体的な施策を強力に推し進めている。新型コロナの影響のなか、デジタルを前提とした制度への見直し、テレワークの普及などにつながる規制・制度改革を取りまとめた。

【経団連による「新成長戦略」】

目下の重要政策課題は、感染症拡大防止と経済活動再開を両立させ、日本経済の再建を果たすことである。コロナ禍を受けて、何が変わり、何を変えるべきか、その方向性を経済界として明確に打ち出してはどうかと考えている。すなわち、Society 5.0 for SDGsの実現に向けて、サステナブルな資本主義というコンセプトを掲げながら、デジタルトランスフォーメーションや地方創生、グリーン成長等の推進策を検討することとしている。いずれ成案を得た段階で公表したい。

【経団連政策評価2020】

本日の会長・副会長会議では、主要政党の政策評価についても議論した。政治寄附は企業の自主的判断に委ねられるが、その参考に供すべく経団連は毎年政策評価を行っている。今年度も、近く、評価を取りまとめ公表する予定である。

安倍政権は、内政外交の両面で大きな成果をあげた。8年近くにわたり政治の安定をもたらし、日本経済を成長軌道に回帰させた。積極的な外交を背景に日本の国際的プレゼンスを著しく高めた。こうした政府・与党の実績を高く評価している。

【新型コロナ対策と経済活動の両立】

日本における新型コロナ感染率や重症化率、死亡率を見るに、諸外国に比して感染拡大防止を上手くマネージできている。海外との積極的な交流も再開できる段階にまで来ている。新型コロナ対策と経済活動の両立は可能であると実感している。

【東京証券取引所のシステムトラブル】

株式市場を終日停止させてしまうなど、あってはならないトラブルである。詳細な原因は把握していないが、関係者は深刻かつ重大な問題として受け止めるべきである。

【雇用対策】

雇用調整助成金の特例措置は今年末が期限であり、雇用問題は来年前半が正念場となるのではないか。大幅な収入減に見舞われた企業を長期にわたって支援するのは困難である。政府は、事業の継続と雇用の維持に配慮しつつ、日本経済の競争力強化に資する有効な対策について、真剣に検討する必要がある。

【日本の対米・対中外交】

日本と米国は同盟国であり、加えて経済面はじめ様々な分野で結びつきが強い。他方、中国は隣国であり、ビジネスパートナーとして、その巨大な人口と経済力を無視できない。こうした現実を踏まえ、日本は、アジア・太平洋地域の安全保障環境にも目配りしつつ、多国間で連携を取りながら、米中両国との関係を前向きに構築していくことが重要である。

【米国大統領選】

トランプ候補、バイデン候補いずれが大統領選に勝利しようとも、コロナを含む世界の課題に対処するためには、これまで以上に国際協調が重要となる。経団連は引き続き、日本政府および各国の経済界と連携していく。

[トランプ大統領の新型コロナ感染に関連する質問に対し]ちょっと不注意ではなかったか。もともとマスクをされないし、多くの聴衆を前にした大規模集会でもマスクなしで話をされている。ある意味、典型的自業自得と受け止めざるを得ない面も。コロナとうまく付き合っていくということは、しばらく続く。安全性の高いワクチンが一気に世界中に広まるという希望的観測を今すぐ持ちえない状況であることを踏まえれば、米国内で20万人超の死者が出ているというのは大変なことであると実感する次第だ。

以上

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