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Policy(提言・報告書) アジア・大洋州 訪中ミッション米倉団長所見

2011年5月13日
(社)日本経済団体連合会

  1. 1.訪中は、震災後の慌しい中での準備に加えて、実働日が二日の訪問であったが、温家宝国務院総理、李源潮党中央組織部長、唐家セン中日友好協会名誉顧問、楊潔チ外交部長、苗ウ工業信息化部長、王忠禹中国企業連合会会長、万季飛中国国際貿易促進委員会会長ほかの中国の官民のリーダーとわが国の震災復興および第12次五ヵ年計画の下での両国の新たな局面における協力推進策について集中的に話し合うことができ、所期の目的を達成することができた。

  2. 2.各訪問先では、まずもって、震災に際して、世界最大のコンクリートポンプ車の無償提供など、中国官民による迅速かつ多大な支援への感謝を伝え、あわせて、「わが国では国民が一丸となって震災復興に努めており着実に復旧が進んでいる」と報告した。とりわけ、グローバリゼーション時代の下でわが国が震災復興に取り組んでいくためには、対外経済活動や対外人材交流を維持・拡大していくことが大切であり、かけがえのない日中経済関係については更に取り組みを強化して、深めていく考えを伝えたところ、中国側から全面的な賛同、理解を得られた。

  3. 3.一連の話し合いでは、中国側から、「日中両国経済は相互補完関係にあり、東日本大震災が中国の自動車や電子・電機などの主要産業への部品供給を滞らせるなど中国経済へ直接の影響をもたらしている」ことから、日本経済の早期復興に強い期待が寄せられるとともに、経済界の復旧努力が高く評価された。
    そこで、「中国側の関心の高い日本製部品の調達に関しては、風評被害や過度な通関手続きによる貿易阻害の起きないよう情報提供に努めていくので、中国側の格別の配慮をお願いしたい」旨を伝えたところ、温家宝総理、楊潔チ外交部長他から、緩和を検討するあるいは便宜を図る旨の回答を得た。
    温家宝総理から、(1) 震災対応、(2) FTA/地域間協力、(3) 人的文化交流の3点で日中間協力を進めたいとの表明があり、一同意を強くしたところである。

  4. 4.5月12日は四川大地震の3周年であり、また、来年は日中国交回復40周年にあたることから、両国の震災犠牲者の子弟を支援するための、いわゆる「あしながおじさん」プロジェクトを日中の協力で立ち上げることを提案したところ、温家宝総理並びに唐家セン中日友好協会名誉顧問より賛同を得た。今後、双方間で具体化に向けて検討を進めることとしたい。

  5. 5.また、対外経済活動の維持、発展の一環として、両国政府の支援の下で、経団連が中国国際貿易促進委員会とともに6月1日〜3日にかけて北京で開催する日中グリーンエキスポについては、温家宝総理をはじめとする政府要人に対して開会式の招待状を手交し出席をお願いしたころ、積極的な支援の回答を得ることができた。これに関連して、第12次五カ年計画推進する上での日本の省エネ、新エネルギー、環境保護関連技術等の支援への期待が中国側から聞かれた。特に、同計画の二つの柱が「人間本位の調和のとれた持続可能な発展(科学的発展観)」と「質を重視した経済構造への転換」であることから、その実現のために、日中両国は環境分野での協力の可能性が高いとの認識で一致した。
    なお、昨年視察した曹妃甸エコ工業パークについては、経団連にタスクフォースを設置し、日本政府と連携して協力の可能性について研究を進めていることを中国側に報告した。
    一連の話し合いを通じて、わが国の震災復興と中国の第12次五ヵ年計画の下での、新たな日中経済協力の展望を開くことができた。

  6. 6.世界およびアジア経済の発展のために、日中間の経済連携の一層の推進の重要性についても話し合うことができた。世界経済の牽引車であるアジアが、更に経済発展を達成して行く上で、地域経済統合を進めていくことが重要であり、アジア(ASEAN+6)のGDPの7割強を占める日中および日中韓のFTAの早期締結が必要不可欠であることで一致した。そこで、温家宝総理には、5月21日・22日に日本で開催する日中韓サミットの折に、日中韓投資協定の早期締結を経て、日中韓FTAの早期交渉開始で具体的合意の得られることに期待する旨をお伝えしたところ、具体的進展を図りたいとの回答をいただき、経団連会館での日中韓ビジネスサミットでの再会を約した。この関連で、7月施行の社会保険法が二重払いや掛け捨てといった追加的な投資コストをもたらさないよう、日中社会保障協定締結の重要性を指摘したところ、中国政府より前向きの回答を得ることができた。

  7. 7.既述のように、来年日中は国交回復後40周年を迎えるが、この間に培ってきた両国の友好関係や草の根レベルの人的交流が成熟してきていることを震災復旧を通じて改めて確認することができた。これに関連して、これまでの経団連の日中関係への貢献とともに今回、顧問として参加された御手洗名誉会長の功績に対して中日友好協会より中日友好使者の称号を授与されたことは、誠に象徴的で記念すべき出来事であった。また、日中間の中堅幹部や青年指導者間の交流をはじめとする各種の草の根レベルでの人的交流の強化に一層力を入れていくことで李源潮党中央組織部長と一致した。

  8. 8.なお、向こう3週間の間に5月21日・22日の日中韓ビジネスサミット、そして、6月1日〜3日の日中グリーンエキスポと中国関連の大きな行事が続く。これらは来年の国交回復40周年事業に向けた重要な試金石と位置づけられることから、今回の訪中ミッションの成果を土台として、いずれも成功に繋げてまいりたい。

以上

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