Policy(提言・報告書) 総合政策  政治との連携強化に関する見解

2017年10月23日
一般社団法人 日本経済団体連合会

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安倍政権は、政権発足以来、アベノミクスの経済政策を強力に推進し、わが国経済はデフレ脱却が見通せるところまで漕ぎ着けた。また、安倍総理が先頭に立っての積極的な外交により、国際社会におけるプレゼンスも高まっている。

目下の最重要課題は、デフレ脱却と経済再生を確実に実現し、GDP600兆円経済への確固たる道筋をつけることである。その最大の柱が成長戦略の実行であり、とりわけ、SDGsの達成に資するSociety 5.0の実現に向けた取組みが重要である。同時に、構造改革、社会保障制度改革や財政健全化などの痛みを伴う改革や、エネルギー問題、少子化対策、人口問題への取組みも不可欠である。まさに今こそが、日本経済再生に向けた正念場と言える。また、反グローバル化の傾向が見られる中で、わが国は自由で開かれた国際経済秩序の維持・発展を牽引していかねばならない。同時に、緊迫の度合いを増す国際情勢への適確な対応が求められる。

このような時にあっては、経済と政治とが言わば「車の両輪」となって、あらゆる政策や手立てを総動員することにより、国民一人ひとりが将来への希望と自信を持つことができ、国際社会から信頼される「豊かで活力ある日本の再生」を図っていく必要がある。

経団連はこれまでも、民主導の経済社会の実現に向けた改革を加速するため、政治との連携を図ってきた。引き続き、経済活力と国民生活の向上に資する政策提言、政党・政治家とのコミュニケーション、官民一体となった経済外交の推進、企業人の政治参加意識の高揚などの活動をより一層積極的に行い、政治との連携を強めていく。

一方、政治寄附については、経団連はかねてより、民主政治を適切に維持していくためには相応のコストが不可欠であり、企業の政治寄附は、企業の社会貢献の一環として重要性を有するとの見解を示してきた。

政策本位の政治の実現、議会制民主主義の健全な発展、政治資金の透明性向上に向けて、クリーンな民間寄附の拡大を図っていくことが求められる。

そこで、経団連は、会員企業・団体に対し、自主的な判断に基づき、自由主義経済のもとで企業の健全な発展を促進し、日本再興に向けた政策を進める政党への政治寄附を実施するよう呼びかける。また、経団連としての政党の政策評価も実施していく。

あわせて、企業・経済界は、イノベーションの推進、投資及び雇用の拡大を通じて経済の好循環の実現に努めていく。

以上