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Policy(提言・報告書) アジア・大洋州 第9回日中企業家及び元政府高官対話 共同声明

  1. 2023年11月14日と15日の両日、日本経済団体連合会(経団連)と中国国際経済交流センター(CCIEE)は、第9回日中企業家及び元政府高官対話を東京で開催した。

  2. 双方は、日中平和友好条約45周年に際し、日中両国首脳によるメッセージの交換が行われ、日中平和友好条約の精神に立ち返って、日中関係の更なる発展に尽力していくとの決意が示されたことを歓迎した。

  3. 双方は、世界経済の動向、日中の国内経済状況、政策の方向性や直面する課題等を共有し、両国企業の事業の現状や今後の展望と期待等について議論を深めた。双方は、複雑さと不透明感を増す現在の国際情勢下、両国が抱える課題の解決において協力すべきは協力し、新時代にふさわしい建設的かつ安定的な日中関係の構築に向けて、経済面から貢献していくことを確認した。また、最近の人的往来の再開を歓迎するとともに、ポストコロナの新たな時代において、円滑な人的往来を本格化し、より幅広い分野での交流を推進し、相互理解を深めることにより、日中関係がより緊密かつ互恵的なものへと発展していくことへの期待を示した。

  4. 双方は、新型コロナウイルス感染症によって打撃を受けた世界経済を復興・再生するためには、貿易・投資の自由化・円滑化と国際ルール整備の一層の推進、経済活動を遂行する上での予見可能性・透明性の向上等を通じ、自由で開かれたビジネス環境を国内外で構築することが不可欠であることを確認した。また、双方は、世界貿易機関(WTO)が多国間枠組みの中核としての役割を発揮するため、各国が経済的に相応な責任と貢献を果たす形でWTOの改革を進め、ルールに基づく国際経済秩序を維持・強化する必要があることについて一致した。また、並行して地域経済統合を拡大して行く必要があることから、その一環として、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効を改めて歓迎するとともに、日中両国が率先して、協定を着実に履行し、協定の有効性を高めていくことが重要であることを共有した。さらには、経済を持続的かつ安定的に成長・発展させていくためには、イノベーションを駆動力として、新たな製品・サービスの開発と市場の創出に取り組むことの重要性を確認した。また、信頼性のある自由なデータ流通及び国を跨いだデータ利活用が重要との考えで一致した。

  5. 双方は、人口減少・高齢化という共通の課題に対応するため、医療・介護・ヘルスケア分野が、両国の有望な協力分野であることを確認した。そのうえで、同分野におけるスマート技術の応用や高齢化対策等に関する知見と経験を共有するとともに、それぞれの優位性を活かした、より高度な連携・協力の可能性についても議論した。また、関連製品・サービスの分野において日中協力を進展させ、国民生活の向上、ひいては、世界の福祉の向上に貢献していくことで一致した。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の経験を奇貨として、医療・保健分野における協力や緊急時における医療物資の融通等が重要であるとの認識を共有した。

  6. 双方は、気候変動・環境汚染などのグローバルかつ喫緊の課題に直面しているとの共通の認識に立ち、地球規模のカーボンニュートラルに向け、革新的技術の導入や、脱炭素に資する製品・サービスの展開等に関し、連携・協力していくことを確認した。また、これらを通じて、持続可能な社会の構築を推進するうえで、サステイナブルファイナンスや、ESG投資の重要性を認識するとともに、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の実現に貢献していくことで一致した。

  7. 双方は、日中企業家と元政府高官によるハイレベル対話が定期的に開催されていることを高く評価し、日中関係と共通の重要課題を巡り、引き続き率直な議論を深め、相互信頼を増進し、共通利益を拡大していくこととした。また、来年の適切な時期に、第10回会合を北京で開催することに合意した。

以上

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