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Policy(提言・報告書) 企業行動憲章  企業行動憲章 実行の手引き(第9版)

2022年12月13
一般社団法人 日本経済団体連合会

企業行動憲章 実行の手引き(第9版)

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企業行動憲章

「企業行動憲章 実行の手引き」改訂の背景

  1. Ⅰ.「企業行動憲章」と「実行の手引き」の位置付け
  2. Ⅱ.企業を取り巻く環境
  3. Ⅲ.企業が目指す方向

第1章 持続可能な経済成長と社会的課題の解決

1.イノベーションを通じて社会に有用で安全な商品・サービスを開発、提供し、持続可能な経済成長と社会的課題の解決を図る。
1-1Society 5.0の実現に向けデジタルトランスフォーメーションを推進する。
1-2商品・サービスの品質と安全性を確保する。
1-3持続可能で強靭な社会インフラの開発・維持に努め、積極的に展開する。
1-4地域の状況や特性を踏まえて地域の産業基盤の強化に努める。
1-5個人情報の保護を図りつつ、データの利活用を通じてデジタルトランスフォーメーションを推進する。
1-6知的財産権の保護の重要性を浸透させるとともに、知的財産を適切に活用する。
1-7積極的なオープンイノベーションを促進するとともに、社会全体でスタートアップ振興に取り組む。
<コラム:AI倫理の遵守によるSociety 5.0の実現>

第2章 公正な事業慣行

2.公正かつ自由な競争ならびに適正な取引、責任ある調達を行う。また、政治、行政との健全な関係を保つ。
2-1競争法の遵守につき、社内での徹底を図る。
2-2パートナーシップ構築宣言等の趣旨を踏まえ、適正な取引を徹底するとともに、持続可能な社会の発展を支える責任ある調達を促進する。
2-3不当な利益などの取得を目的とする贈収賄を行わない。
2-4政治、行政と透明度が高い関係を構築するとともに、政策本位の政治の実現を支援する。

第3章 公正な情報開示、ステークホルダーとの建設的対話

3.企業情報を積極的、効果的、公正に開示し、企業をとりまく幅広いステークホルダーと建設的な対話を行い、企業価値の向上を図る。
3-1適正な開示を行うとともに、インベスターリレーションズ活動や株主総会を通じて、株主・投資家との建設的な対話に努める。
3-2インサイダー取引の防止に努める。
3-3ステークホルダーとの対話・協働に向け、幅広いステークホルダーに対して、情報を適時、適切に発信する。
3-4幅広いステークホルダーとの双方向での継続的な対話を通じて信頼関係を構築する。

第4章 人権の尊重

4.すべての人々の人権を尊重する経営を行う。
<コラム:国連「ビジネスと人権に関する指導原則」制定の経緯と3本の柱>
4-1国際的に認められた人権を理解、尊重し、企業としての責任を果たす。
4-2人権を尊重する方針を策定し、社内外にコミットメントを表明する。
4-3事業の性質ならびに人権への負の影響リスクの重大性に応じて、人権デュー・ディリジェンスを適切に実施する。
4-4人権侵害の発生を未然に防止し、万一発生した場合には、速やかにその是正に努める。
4-5多様なステークホルダーと連携し、人権侵害を受けやすい社会的に立場の弱い人の自立支援を通じて、包摂的な社会づくりに貢献する。

第5章 消費者・顧客との信頼関係

5.消費者・顧客に対して、商品・サービスに関する適切な情報提供、誠実なコミュニケーションを行い、満足と信頼を獲得する。
5-1商品・サービスに関する適切な情報を提供し、消費者の自立的な選択や判断を支援する。
5-2消費者・顧客からの問い合わせなどに誠実に対応し、商品・サービスの改良や開発などに反映する。
<コラム:持続可能な消費と生産>
5-3消費者・顧客の多様性に配慮した商品・サービスを提供する。

第6章 働き方改革、職場環境の充実

6.従業員の能力を高め、多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現する。また、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を整備する。
6-1多様な人材の就労・活躍を促進する人事・処遇制度を構築・拡充し、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進する。
6-2差別や不合理な格差のない雇用管理および処遇を推進する。
6-3働き方改革を図り、ワーク・ライフ・バランスを推進する。
6-4従業員の個性と主体性を尊重し、キャリア形成や能力開発・スキルアップを支援する。
6-5労働災害を防止するとともに、健康に配慮した経営を推進する。
6-6従業員あるいは従業員の代表と誠実かつ建設的に対話、協議する。

第7章 環境問題への取り組み

7.環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の存在と活動に必須の要件として、主体的に行動する。
<コラム:経団連の環境問題への自主的な取り組み>
7-1経済成長、産業競争力の強化に取り組みつつ、カーボンニュートラルの実現を目指し、経済社会全体の変革であるグリーントランスフォーメーションを推進する。
7-2資源の循環的・効率的な利用を推進することを通じ、環境負荷の低減と競争力の強化を図り、循環型社会の形成・サーキュラー・エコノミーの実現に取り組む。
7-3環境リスク対策に万全を期す。
7-4事業活動の基盤として必要不可欠であるとの認識のもと、自然保護、生物多様性の保全のための取り組みを推進する。

第8章 社会参画と発展への貢献

8.「良き企業市民」として、積極的に社会に参画し、その発展に貢献する。
8-1国内外の社会的課題について情報を収集し、企業のパーパス(存在意義)や経営理念、サステナビリティに関する優先課題などを踏まえ、社会貢献活動の目的や分野、活動領域、具体的な活動等を決定する。
8-2社会貢献活動の目的や社会のニーズにあわせて、投入できる経営資源、効果的な推進体制、具体的な手法を選択する。
8-3NPO・NGO、地域社会、行政、国際機関、スタートアップや社会起業家をはじめとする他企業など、幅広いステークホルダーと連携・協働する。
8-4重要なステークホルダーの一つである、従業員による自発的な社会参加を推進・支援する。

第9章 危機管理の徹底

9.市民生活や企業活動に脅威を与える反社会的勢力の行動やテロ、サイバー攻撃、自然災害等に備え、組織的な危機管理を徹底する。
9-1組織的な危機管理体制を整備する。
9-2反社会的勢力を排除する基本方針を明確に打ち出し、社内体制を確立する。
9-3反社会的勢力による被害防止のために、全社をあげて法に則して、関係団体とも連携して対応する。
9-4テロの脅威に対する危機管理と対策に取り組む。
9-5サイバーセキュリティの確保に努める。
9-6災害発生時に備えた体制を構築し、対応する。
9-7経済安全保障の確保に取り組む。

第10章 経営トップの役割と本憲章の徹底

10.経営トップは、本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識して経営にあたり、実効あるガバナンスを構築して社内、グループ企業に周知徹底を図る。あわせてサプライチェーンにも本憲章の精神に基づく行動を促す。また、本憲章の精神に反し社会からの信頼を失うような事態が発生した時には、経営トップが率先して問題解決、原因究明、再発防止等に努め、その責任を果たす。
10-1経営トップは、企業行動憲章の精神の実現に向けたコミットメントを表明するとともに、サステナビリティを経営に組み込む。
<コラム:重要となるインパクト評価>
<コラム:インパクト評価のマネジメントツール「SDGインパクト」>
10-2自社・グループ企業に企業行動憲章の精神の浸透を図る
10-3持続可能で強靭なサプライチェーンを構築するため、サプライチェーンに企業行動憲章の精神に基づく行動を促す。
10-4経営の健全性、効率性、透明性、実効性を確保するガバナンス体制を確立する。
10-5企業倫理の徹底のための全社的な取り組み体制を整備し、実効性を高める。
10-6通常の指揮命令系統から独立した企業倫理ヘルプライン(相談窓口)を整備・活用し、企業行動の改善につなげる。
10-7万が一緊急事態が発生した場合には、経営トップ自らの指揮のもと、速やかな事実調査と原因究明、再発防止に努める。社会への迅速かつ的確な情報の公開と説明責任を遂行し、権限と責任を明確にした上、自らを含めて厳正な処分を行う。

〔参考〕

  • ○ 「企業行動憲章 実行の手引き」第9版の改訂について
  • ○ 企業行動憲章〔序文〕新旧対照表
  • ○ 企業行動憲章 実行の手引き〔項目〕新旧対照表