会長コメント/スピーチ 会長コメント  「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」・
「骨太方針2022」に関する十倉会長コメント

2022年6月7日
一般社団法人 日本経済団体連合会

この度閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」・「骨太方針2022」は、資本主義のバージョンアップによって、経済格差の拡大や気候変動問題の深刻化などの社会課題に対応するとの方針のもと、重点投資分野や経済財政運営のあり方等を示している。

また、ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスクを踏まえた、今後の安全保障をめぐる考え方も盛り込んだ。

そして、新しい資本主義においては、社会課題解決を新たな市場創出ととらえ、「市場も国家も」、「官も民も」連携して取り組む必要性が示されている。

こうした考え方は、経団連が掲げるサステイナブルな資本主義の実現と合致するものであり、高く評価したい。

とりわけ、GXについては今後10年間に官民協調で150兆円規模の投資を実現すべく、「GX経済移行債」の創設、「GX実行会議」の設置、「GX投資のための10年ロードマップ」を策定すること等が盛り込まれたことを歓迎する。また、スタートアップについても、育成5か年計画を策定するとともに、司令塔機能を明確化し、重点的に取り組むとされた。さらに、科学技術・イノベーションへの投資、人への投資、DXへの投資について計画的な重点投資を行うこととされ、これらにより、新たな成長軌道が確立されることを期待する。

このほか、経済財政運営に関しては、単年度主義の弊害を是正し、民間投資の呼び水となる効果的・効率的な支出(ワイズスペンディング)を思い切って行うとの方針が示された。

経済界としても、社会課題の解決と成長のけん引役として、岸田政権や様々なステークホルダーと連携を図りつつ、サステイナブルな資本主義による持続可能で豊かな未来社会の確立に向けて、全力を尽くす所存である。

以上