1. トップ
  2. 会長コメント/スピーチ
  3. 記者会見における会長発言
  4. 記者会見における榊原会長発言要旨

会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 記者会見における榊原会長発言要旨

2015年12月7日
一般社団法人 日本経済団体連合会

YouTube動画はこちら

【賃金引上げ】

本日の会長・副会長会議において、2016年版経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)の原案につき議論を行なった。賃金というのは、各企業の支払い能力、業績、労使協議の結果等に基づき、個社の判断により決めることが大原則である。これを前提に先日の官民対話において、収益が拡大した企業には、年収ベースで今年を上回る賃金引上げを期待したいと申し上げた。本日、この方向性について出席した副会長の同意を得た。今月開催する経営労働政策特別委員会での議論を経て、最終的には来年1月12日の会長・副会長会議において、来年の経労委報告を策定することになる。なお、ベースアップについては、まだ具体的になっておらず、どのような形で言及するかはこれからの議論となる。ただし、賃金はベア、定昇、手当て、賞与など総合的に考えることが重要である。

組合側の要求水準については、内容を総合的によく精査する必要があると思っている。ベアの要求が今年より下回っていたとしても、付帯的な要求を行っている可能性もある。処遇はベアだけで決まるものではない。一概に今年よりも要求水準が下がっているとは言えないのではないか。

【採用選考活動】

本日の会長・副会長会議で「採用選考に関する指針」「手引き」の改定案について審議を行い、了承を得た。改定した指針について、経団連の幹事会や機関誌・紙など様々な機会・媒体を通じて、会員企業への周知を図っていく。経団連会員以外の企業に対しては周知を呼びかける立場にはなく、政府が近々呼びかけを行うものと承知している。

今年の就職活動については、学生にとって長く、暑いものとなり、大学にとっては卒論や研究・実験などへの支障が生じ、企業にとっては特に中小企業では内定辞退が相次ぎ、経団連会員企業では政府の要請を守らない企業の影響を受け、当初目標とした採用者数に届かなかったり、良い人材が確保できなかったりした。このように三方すべてが損をした結果となっており、こうした状況をいくらかでも改善するため指針を改定した。選考開始を8月から6月に2ヵ月前倒す一方で、学業最優先という観点から、広報活動については、現状のまま3月開始を維持している。来年の就職活動では、今年の問題点が改善され、三者が望む方向に近づくことを期待している。

【法人税改革】

法人実効税率については、平成27年度税制改正大綱においても、できるだけ早い時期に20%台にするという大きな方向性が示され、安倍総理もそうした趣旨で発言されている。現在、平成28年度より20%台に引下げられる方向で議論が進められていると理解している。経団連としては、できるだけ早く、可能であれば28年度からの20%台への引下げを強く望んできた。これが実現されるのであれば、大いに歓迎したい。

財源については、与党税制協議などの場で最終的な詰めの議論が行なわれていると理解している。今週中には具体的な形が示されると思うが、経済界としては、何らかの形で財源確保に協力していく。

外形標準課税の拡大については、すでに平成27年度税制改正において、平成28年度には所得割と外形標準課税の割合を4対4とする枠組みが決まっており、現在、これをさらに拡大するのかどうかについて議論されている。税制改正全体の議論の中でそうした可能性もあり得ると見ている。全体のバランスを勘案しながら、総合的に決定されることと理解している。

【非正規雇用問題】

約1900万人の非正規労働者の内、不本意ながら非正規雇用となっている方々、なかでも30代、40代の働き盛りの世代に対して、政策的な支援を集中的に行っていくべきである。この方向性については、政府とも共有しており、25~34歳層で約80万人と言われている不本意非正規労働者から優先的に正規化を進めていくべきである。塩崎厚生労働大臣からも直接、協力を要請されており、経済界としてもできる限りの協力を行っていきたい。正規雇用には様々な形態がある。各社の実情に照らしながら、正規化が進んでいくことを期待している。

【最低賃金】

先日の経済財政諮問会議において、年率3%程度を目途に最低賃金を引き上げていき、時期は明示されていないが、最終的には全国加重平均1000円を目指すという方向性が示された。消費の喚起という観点から非常に重要な問題だと捉えている。一方、最低賃金は法律で強制的に適用される制度であり、最終的には、企業、特に中小零細企業の支払い能力を十分に勘案したうえで、決定していく必要がある。

【政治資金】

2014年の国民政治協会を通じた自民党本部への企業・団体寄付は、2013年から約1割増加した。経団連としては、昨年9月に企業の自主的な判断に基づく社会貢献活動の一環としての政治寄付の実施を呼びかけており、会員企業・団体がこの呼びかけを勘案しつつ、自主的に判断した結果だと受け止めている。経団連としては呼びかけ以上の働きかけをしていない。これに応じて、各社が自主的な判断で政治寄付を実施した結果である。

銀行業界が政治寄付の再開を検討していることについても、あくまで各社・各団体の自主的な判断であると思う。経団連としては、政治寄付が社会貢献の一環として重要性を有することを訴えているが、これをどう受け止め、どう行動するかは各社・各団体の自主的な判断に委ねられている。

【インド・ミッション】

安倍総理のインド訪問に合わせて、インド・ミッションを派遣する。日本とインドは、両国首脳間でシャトル外交が展開されるなど、戦略的グローバル・パートナーシップの関係にある。経済界は首脳の往来に合わせて、日印ビジネス・リーダーズ・フォーラムを開催しており、昨年9月には、モディ大統領の訪日に合わせて、東京で行った。今年は安倍総理の訪印に合わせて、ニューデリーで開催し、結果を共同報告書として取りまとめ、両国首脳に手交する予定である。

インドは日本の経済界が最も重視している国のひとつである。この10年間で投資は7~8倍に拡大し、進出企業も1200社程度まで増えている。ただ、インフラも含めインド国内のビジネス環境はまだ十分に整備されていない。今回のミッションを通じて、こうした課題の解決に向けて日印間での協力の可能性を模索したい。

以上

「会長コメント/スピーチ」はこちら