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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 記者会見における榊原会長発言要旨

2016年10月11日
一般社団法人 日本経済団体連合会

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【政治との関係】

本日の会長・副会長会議において、「政治との連携強化に関する見解」ならびに「主要政党の政策評価」の審議を行い、了承を得た。

「政治との連携強化に関する見解」は、経団連の政治との関係および、企業の政治寄附に関する考え方を整理し、文書で示すものである。私が経団連会長に就任した一昨年来、毎年この時期に公表してきた。その中で、政治との関係については、内外の重要政策課題を強力に前進させていくため、これまでにも増して、政治との連携を強化していくという基本姿勢を示している。

また、企業の政治寄附については、社会貢献の一環として重要性を有するとの考え方を改めて明記した。その上で、会員企業・団体に対して、自主的な判断に基づき、自由主義経済のもとで企業の健全な発展を促進し、日本再興に向けた政策を進める政党への政治寄附を実施するよう呼びかけている。政治寄附を行うのかどうか、寄附先をどこにするかは、あくまで会員企業・団体が自主的に判断することである。

次に、政策評価について、これは会員企業・団体が政治寄附を行なうに際しての参考材料の一つとして、「政治との連携強化に関する見解」とあわせて、一昨年来、取りまとめている。具体的には、経団連が行っている政策提言がどの程度進捗しているか、経団連の事業方針と照らして、主として与党の実績ならびに残された課題を検証するものである。本年については、自由民主党を中心とする与党は、内政・外交両面において強力に政策を推進し、成果を上げており、高く評価できるとしている。

同時に、今後の期待として、政権基盤が安定している今だからこそ、政府・与党には、2020年度のPB黒字化の実現に向けた歳出・歳入改革、社会保障制度改革や抜本的な規制改革など、国民の痛みを伴う改革に真正面からより一層強力に取り組んでもらいたいということを明記した。

これまで繰り返し申し上げている通り、「政策をカネで買う」との批判はまったくあたらない。民主政治を適切に維持するためには相応のコストが必要であり、企業の政治寄附は社会貢献の一環として行うものである。実際、政策評価の評価項目中に経済界へ利益を誘導するような政策は一切ない。震災からの復興、GDP600兆円経済の実現、科学技術・イノベーションの推進、経済連携の加速などいずれも日本全体を良くするための国策である。こうした重要課題に対して政府・与党がどのように取り組み、何を実現したかを評価するのであり、経済界へ利益を誘導しようという考えはまったくない。

【日韓関係】

10月10日、1983年から26回目となる全経連首脳との懇談会を開催した。3年続けて開催してきたことから、参加者同士のネットワーク・信頼関係が構築され、率直でかみ合った議論を行なうことができた。今回は、(1)アジアにおける経済連携協定の拡大、(2)第三国市場での日韓協力の推進、(3)新たな成長分野の育成、(4)科学技術イノベーション、(5)人材育成、(6)観光をテーマに取り上げた。特に第三国市場での日韓協力について、電力を中心とするインフラ整備や資源開発の分野においては、日韓企業の強みを活かした相互補完的な協力関係を活かすことができる。これにより、双方にとってより大きなビジネスチャンスを生み出すことができるし、ひいては世界経済の発展に寄与するものである。これに関連し、来春にソウルでセミナーを開催することで合意した。また、観光については、一時期落ち込んでいた両国間の観光客が増えつつあるので、これをさらに拡大していくことで一致した。

また、一昨年、昨年に続き朴大統領と会談した。和やかな雰囲気の中で、全経連との首脳懇談会を報告するとともに、私から3点申しあげた。まず日韓の経済界は長年にわたって緊密で相互互恵的な関係を培ってきており、これを強化・発展させるためには、その基盤として安定的で良好な政治・外交関係が不可欠である。かつてのように首脳同士が自由に往来できる関係を築いてほしいと要望した。昨年11月には安倍総理と朴大統領の首脳会議が初めて実現し、3月、5月にも首脳会談が実現するなど、両国関係は改善に向けた道筋ができつつある。これらを背景に今回、未来志向の懇談を行うことができた。

また、年内に日中韓首脳会議が開催されれば、それに合わせて経済界も日中韓ビジネスサミットを開催する予定であり、朴大統領に出席をお願いした。

最後に、経済連携協定について、第三国市場での日韓協力の推進ならびに貿易・投資の拡大のためにも、日中韓FTAとRCEPが包括的かつ高いレベルで早期に実現するよう、期待を申し上げた。TPPについても、韓国が参加を表明するのであれば、日本の経済界としては歓迎したいと伝えた。TPPを巡っては、その後の周産業通商資源部長官との会談において、韓国はTPPへの参加に向けて準備を進めており、近いうちに公式に参加を決定するとの発言があった。韓国が参加するとなれば、現在のTPPのルールを受け入れることが前提となる。

【経済対策】

本日、臨時国会で第二次補正予算が成立したことを受けて、経済対策(「未来への投資を実現する経済対策」)のかなりの部分が動き出すことになる。景気の下支え、デフレ脱却へつながることを期待したい。ただし、今般の経済対策は来年度の通常予算にもまたがって予算措置が行われることから、年末の予算編成にきちんと計上し、できるだけ早期に成立させ、すべての対策が実施されるよう求めていきたい。

他方、財政の健全化は大前提であり、経済成長、歳出改革、歳入改革の三本柱で推進していかなければならない。今般の経済対策を実行し、三本柱の中でも特に重要な経済成長を加速化しなければならない。財政健全化という観点からも今般の経済対策は極めて重要である。

【中国の過剰生産問題】

先月、日中経協合同訪中代表団で張高麗筆頭副総理と会談した際、張副総理から第13次5カ年計画に則り構造改革を進めていく中で、過剰生産問題をしっかり解消していくとの発言があった。鉄鋼については4億トン規模とも言われる過剰生産能力が存在しており、企業の統廃合は国としての大きな方向性の中での現象であると思う。こうした中、余剰人員への対応が課題となっており、張副総理から中国は日本企業の経験や事例を学びたいとの発言があった。雇用に関連した社会問題が起きないよう取り組む必要性を認識しているのだろう。関心を持って、注視していきたい。

【日ロ経済関係】

ロシアは歴史的、地理的にも重要な隣国であり、経済的なポテンシャルも高い。こうした中、安倍総理とプーチン大統領との間で対話が進んでおり、日本側からは8項目の協力プランも提示された。双方の経済界も関与し、現在、ロシア側にも、日本側にもメリットがあるプロジェクトになるよう詰めの作業を行っている。12月中旬には、プーチン大統領の訪日が予定されているようであり、この機会を捉えた経団連としての対応についても検討を進めている。

【パリ協定】

マラケシュでのCOP22に合わせて開催される第1回締約国会合において、協定の基本的なルール作りに関する議論が始まることを踏まえれば、締約国として最初からルール作りに参画することが望ましい。本日、パリ協定の承認を求める議案が閣議決定されたが、今臨時国会での早期批准を期待したい。

以上

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