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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 記者会見における榊原会長発言要旨

2017年2月20日
一般社団法人 日本経済団体連合会

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【プレミアムフライデー】

消費マインドを活性化させるためには、根本的な要因であるデフレマインドや将来不安の払拭などに引き続き取り組むとともに、消費者がワクワクした気持ちになり、買い物や旅行がしたくなるように創意工夫することが重要である。今週金曜日の2月24日に始まるプレミアムフライデーは、消費喚起と働き方改革の両方の観点から、毎月の月末金曜日に早めに仕事を終えて、いつもより少し豊かな時間を過ごすという新たなライフスタイルを提案するものであり、官民をあげて推進している。

第1回プレミアムフライデーに合わせて、各社は創意工夫を凝らした多彩な企画を打ち出している。日本橋・東京駅・丸の内の3エリアの来場者による乾杯を同時中継するイベントも開催される。私も当日は早めに仕事を切り上げ、この乾杯イベントに参加するほか、買い物を楽しむ予定である。このほか、金曜日の午後に出発し、週末をより有効に活用する国内旅行の企画など、東京だけでなく、地方からも特色のある企画が打ち出されている。

柔軟な働き方の推進もプレミアムフライデーの目的のひとつである。すでに経団連では全会員に対し、有給休暇の取得促進やフレックスタイム制度の活用等を通じて、社員が月末金曜日の午後、定時より早目に、遅くとも午後3時には仕事を終えられるよう、配慮してほしいと呼びかけている。この呼びかけを受けて、経団連会員・非会員を問わず、各社の事情に合わせて働き方改革に取り組む企業が増えてきた。政府も民間の取り組みに足並みを揃え、内閣人事局から全省庁に対し、プレミアムフライデー当日は早期退庁を促すよう、通知が出されている。

プレミアムフライデーは、3月以降も継続して実施し、いずれクリスマス、ハロウィーンのような全国的な国民的行事として定着させていきたい。まだすべての地域に浸透しているとは言えず、企業は勿論のこと、社会全体で大いに盛り上げていく必要があり、是非、メディアにも積極的に取り上げてもらいたい。

【働き方改革】

残業時間の上限規制について、まだ政府から具体的な数字が示されている段階ではないが、例えば労災認定基準である月100時間は妥当な水準であり、過労死を絶対に起こさないという観点から100時間を超える残業には問題がある。現行の36協定では、労使が合意すれば、無制限に残業できる仕組みとなっており、100時間以内に抑えることがまずは重要である。具体的な基準の議論はこれからだが、月100時間は一つの判断基準となる。先般の働き方改革実現会議において、安倍総理より上限規制については労使の合意を得て決めたいとの発言があった。3月中旬までのある時期に必要に応じて、労使での話し合いを行う。

経団連は上限規制を設けることには賛成しているが、前提として次の三点に留意する必要があるというスタンスである。第一に、日本ではこれまで社員の勤勉さと長時間労働が産業競争力を支え、国際競争力の源泉となってきた側面がある。実態を離れた急激な規制は企業の競争力を損なう懸念がある。第二に、大企業では社員数も多くなんとかやり繰りできるだろうが、中小・零細企業では、絶対的に人が少ないうえに、昨今の人手不足の状況下、必要な人材の確保がままならないこともあり、現状とかけ離れた上限規制を課されると、経営、操業そのものが成り立たない。第三に、規制が厳しすぎると、結果として、規制対象外の管理職に過度な負担がかかる懸念が生じる。

上限規制に関し、このほかの論点としては、インターバル規制と上限規制の例外規定の問題がある。インターバル規制には、経済界は反対を主張している。また、上限規制の例外規定についても、業種業態の実態を踏まえた配慮が必要である。

【日米関係】

トランプ大統領の政策には、期待と懸念が交錯している。期待は、減税、インフラ投資、規制緩和などの産業促進的な政策に対してであり、市場も好感しており、株価は史上最高値をつけている。米国経済が拡大すれば、日本経済、世界経済にも好影響を及ぼすだろう。懸念は保護主義的な動きであり、具体的には、TPPからの撤退、NAFTAの見直しである。

先の日米首脳会談は様々な点で大きな意義があった。一つは安倍総理とトランプ大統領との間で個人的な信頼関係が築かれたことである。もう一つは日米同盟がアジア・太平洋地域における平和、繁栄および自由の礎として位置づけられたことである。日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用されることも文書で確認された。このように外交面で大きな成果があった。経済面でも、両首脳が自由で公正なルールに基づいて、日米両国およびアジア太平洋地域における経済関係を強化していき、ひいては世界経済をリードしていくことで合意し、新たにハイレベルの日米経済対話の枠組みが設けられることになった。これはTPPの見直しに向けた糸口にもなると期待している。

【東芝を巡る問題】

東芝は、日本を代表する企業であり、名門中の名門である。不正会計問題からの再出発を期待していただけに、今回の案件は残念である。子会社の内部統制に不備があったとのことだが、徹底した調査を行い、早急に決算を確定させるとともに、万全の再発防止体制を構築し、市場の信頼回復を急いで欲しい。

半導体事業事案を売却するということだが、半導体はわが国の重要かつ機微な技術、中核技術である。それに携わる世界トップレベルの人材も抱えている。技術と人材が国外に流出することは国の安全、国益を考えると問題があり、何らかの対応が必要である。

以上

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