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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 定例記者会見における中西会長発言要旨

2020年12月7日
一般社団法人 日本経済団体連合会

【カーボンニュートラルに関する経団連提言】

本日の会長・副会長会議で、経団連提言「2050年カーボンニュートラル(Society 5.0 with Carbon Neutral)実現に向けて」を審議し承認されたので、この場で公表する。

経団連として、2050年カーボンニュートラル(以下、2050CN)に対するスタンスを示す必要があると考えていたところ、菅総理が所信表明演説で2050CNを宣言された。経済界が2050CNを目指して経済と環境の好循環を図るべく取り組んでいくことを理解いただきたく、本提言を取りまとめた。

2050CNに向け、水素の基幹燃料化や電力システム改革など、経済社会の各分野で取り組むべき課題は多岐にわたる。最終的なゴールであるカーボンニュートラルへの道筋をつけるため、まずは環境が経済社会活動の基盤であるという価値観を各界で共有し、ひとつの方向に向かって力を合わせていく必要がある。具体的な重要なアクションとして、(1)イノベーションの創出、(2)投資循環による電力システムの次世代化、(3)サステナブル・ファイナンスの推進、(4)イノベーションの海外展開の4点を掲げた。

2050CNは国を挙げた挑戦であり、経済界は「チャレンジ・ゼロ」などの取り組みを加速するとともに、業界を越えて連携し、脱炭素に資する技術開発や投資等の面で積極的な役割を果たしていく。

【サステナブル・ファイナンス】

タクソノミーについては、経団連としても1年以上議論を重ねてきた。イノベーションを阻害せず、トランジションを促進するような、日本やアジアのエネルギー事情を踏まえたタクソノミーの考え方を打ち出していくことが重要だ。EUとも活発にコミュニケーションを図っている。

〔脱炭素に向けた研究・開発を支援する2兆円の基金への期待を問われ〕イノベーションは単年度で達成されるものではないことから、政府が10年間継続して支援する姿勢を打ち出したことを歓迎したい。具体的なイノベーションにつながるよう、政府とともに検討していきたい。

【エネルギーミックス】

エネルギーミックスは、原子力の取り扱いを含め、最終的には国の責任で決定すべき事項と認識している。目標設定の議論の過程で、経済界としても意見を発信していく。

【春季労使交渉】

春季労使交渉に向けた経営側の基本スタンスは、来年1月に公表する「2021年版経営労働政策特別委員会報告」で明らかにするので、今日はコメントを差し控える。

ただし、現下の経済情勢を踏まえれば、賃上げだけに焦点をあて、しかもベースアップがいくらなどと選択肢をせばめて議論している状況ではないだろう。労使一体となって雇用維持に取り組むことが必要であり、賃金についても、経済情勢などを踏まえて十分に協議を尽くした上で総合的な判断で決定していくこととなろう。

【新型コロナウイルス対策】

新型コロナウイルス感染症が再拡大する中、何よりも重要なことは医療提供体制の維持である。地域によっては逼迫が続いており、医療機関への支援を惜しんではならない。

同時に、感染拡大防止と経済活動を両立させる方策を引き続き探っていく必要がある。その意味で我々国民一人ひとりが、三つの密の回避など感染防止対策を実行していかなければならない。

【後期高齢者の窓口負担】

全世代型社会保障の検討が実のあるものとなるかどうかは、高齢者に偏りがちな今の社会保障給付費を若い人にもっと振り向けていく一歩を踏み出せるかどうかにかかっている。一歩踏み出す雰囲気を醸成しなければ、これまでと変わらぬ、高齢者への手厚い施策になってしまう。様々な議論があることは承知しているが、若者が将来に希望を持てるような制度を目指し、踏み込んだ改革を政治決断で行うべきである。

【出向等を通じた就業・ワークシェアリング】

〔コロナ禍のなかで、航空会社などが他の企業への出向などによって雇用継続を図ろうとしている状況について問われ〕労働の流動性を高めていく側面からも、よいことである。労働市場の流動性を高めるための施策を政府として検討すべきである。

【東京オリンピック・パラリンピックの追加費用負担】

東京オリンピック・パラリンピックの開催延期に伴う追加経費が示されたことは承知している。負担の内訳等の議論はこれからで、関係者間で良く話し合う必要のある課題だと認識している。

【自身の健康状態】

治療が全て順調に進んでいるわけではない。体調は良好なので、仕事をしながらもう少し時間をかけて健康回復に努めたい。

以上

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