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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 定例記者会見における十倉会長発言要旨

2021年9月6
一般社団法人 日本経済団体連合会

【Withコロナにおける社会経済活動の活性化に向けた提言】

本日の会長・副会長会議で、経団連提言「Withコロナにおける社会経済活動の活性化に向けた提言」を審議し承認されたので、この場で公表する。

提言では「早期治療を可能とする医療提供体制の整備」「職場等での積極的な検査の実施」「帰国・入国後隔離措置の適正化」の3点について、今から検討・準備を開始することを求めている。経団連は、「Withコロナ」における社会経済活動の活性化に向け、引き続き感染拡大防止に全力を挙げて取り組む所存である。

【菅政権の評価と自民党総裁選】

いろいろな見方があるかもしれないが、菅政権が、ワクチン接種をここまで加速させ、デジタル庁設置などを成し遂げ、DXやGXを強力に推進したことは確かであり、評価に値する。いまだコロナ禍のさなかにあり、内外情勢が流動的であるから、もう少し経って世が落ち着いてから、歴史が判断を下すものではないか。

次期政権にもDXやGXの流れを加速させ、日本の経済社会の発展を確かなものとしていただきたい。海外に目を転じると、自由で開かれた国際経済秩序の再構築など国際社会が直面する重要課題が山積している。国家的ビジョンとその実現に向けた力強い政策を持つ方による強いリーダーシップの発揮が待たれる。

こうしたことから、総裁選では、コロナ禍の克服はもとより、DXやGXへの取り組み、地政学的リスクが高まる中での国際協調の推進について、活発な政策論議が行われること望む。

〔野党独自の補正予算案について問われ〕財政規律やタイミングの問題も含め、議論を戦わせてほしい。

【コロナ対策】

政府は、医療体制のひっ迫の回避に向けて、ワクチン接種と中和抗体薬の投与を積極的に進めている。ワクチン接種で重症化が防げることは確かであり、感染拡大への対処の一つとして、ワクチン、治療薬は極めて有効である。希望する方全員にワクチンが行き渡る11月初旬までの間、重症者の増加による医療崩壊を食い止めることが肝要である。

コロナ対策は日本全体で取り組む課題であり、経団連は政府・与党はじめ関係先と連携を深めている。日本医師会とも、企業施設の提供などで協力していく。すでに多くの企業から具体的な案件の相談が寄せられている。

【炭素税】

〔炭素税の議論を容認するとの一部報道について問われ〕中西前会長の時から炭素税を含むカーボンプライシングの議論には積極的に参加することを表明しており、この姿勢に変化はない。税制改正提言に関する報道であったことから、炭素税だけに着目されたものと思うが、カーボンプライシングには、炭素税のみならず排出権取引や自主的クレジットなど様々なものが含まれ、炭素税の議論だけを容認するものではない。

いかなる方法、ポリシーミックスが適切かについては、産業政策や成長につながるかどうかの観点から、時間軸、社会変容への効果も含め、タブーを設けず幅広く検討すべきとかねてより申し上げている。経団連でも引き続き、議論を続けていく。

【アフガニスタン情勢】

アフガニスタン情勢の評価を申し上げるのは時期尚早である。長年関与してきた米国のアフガニスタンからの撤退は、米国が、かつてのように世界の警察官としての役割を担い続けられないことを示している。今後は国際協調とマルチラテラリズムにより、国際社会の課題として、アフガニスタンの安定と発展に対応していく必要がある。日本も当然その一員である。

今なお、アフガニスタンには、日本のために働いてきた関係者が残っておられる。日本政府は、そうした方々の国外退避に向けて努力を続けるということであり、推移を見守りたい。

以上

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