1. トップ
  2. 会長コメント/スピーチ
  3. 記者会見における会長発言
  4. 定例記者会見における十倉会長発言要旨

会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 定例記者会見における十倉会長発言要旨

2025年2月10
一般社団法人 日本経済団体連合会

【副会長、審議員会副議長人事】

本日の会長・副会長会議において、定時総会(5月29日)で新たに副会長ならびに審議員会副議長にご就任いただく候補者を内定した。

副会長については、定時総会をもって、会長に就任する筒井副会長に加え、東原副会長、橋本副会長、津賀副会長、南場副会長が退任する。新たな候補者として、小川啓之・コマツ社長、時田隆仁・富士通社長、木原正裕・みずほフィナンシャルグループ社長、佐藤恒治・トヨタ自動車社長の就任が内定した。

審議員会副議長については、定時総会をもって、副会長に就任する時田副議長に加え、早川副議長、大橋副議長が退任する。東原副会長、橋本副会長、南場副会長に引き続き副議長にご就任いただくとともに、新たに、木藤俊一・出光興産社長、岩田圭一・住友化学社長、秋池玲子・ボストン コンサルティング グループ日本共同代表、楠見雄規・パナソニック ホールディングス社長の就任が内定した。

いずれの候補者も、人格・識見、経営手腕、各業界における実績、さらに幅広く業種・業界のバランスなどを総合的に判断し、人選した。なお、久保田事務総長については、引き続き副会長を務めていただく。

〔新任副会長の人選理由を問われ、〕コマツの小川社長は、建設・鉱山機械、産業機械などの事業をグローバルに展開する企業の経営者である。同社は、この6年もの間、大橋会長に経営労働政策特別委員長という重責を担っていただくなど、経団連活動で活躍されている企業である。

富士通の時田社長は、テクノロジーをベースとしたグローバルICT企業を率いる経営者である。経団連では、行政改革推進委員長として、民主導による経済社会の活性化と競争力の強化を目指して、規制改革をはじめとする行政改革への取り組みに尽力されてきた。議長・副議長会議でも鋭い意見を述べておられ、副会長としても活躍を期待している。

みずほフィナンシャルグループの木原社長は、銀行、信託、証券、アセットマネジメントおよびシンクタンクを擁するグローバルな金融グループを牽引されてきた。同社も従前より経団連活動で活躍されている企業である。

トヨタ自動車の佐藤社長は、日本経済を支える重要な基幹産業であるモビリティ産業において、世界を代表する企業のトップである。また、同社は過去に経団連会長を輩出するなど、経団連活動に長年貢献されてきた企業である。

〔東原副会長、橋本副会長、南場副会長の副議長登用や、久保田副会長・事務総長の任期継続の理由について問われ、〕退任される3名の副会長はこれまで経団連に多大な貢献をいただいた方であり、引き続き経団連をリードいただきたいという思いで副議長就任をお願いした。

とりわけ南場副会長は、自ら起業された創業者であり、異なる目線で経団連に活を入れてくださる存在である。南場副会長の下で取り纏められた「スタートアップ躍進ビジョン」(2022年3月公表)の実現も道半ばであり、引き続き経団連活動に尽力いただきたい。

久保田副会長・事務総長は、理事としての任期が満了していないこと、また今年は会長交代の年であることを踏まえ、引き続き副会長として会長を支えていただくこととした。

【日米首脳会談】

〔日米首脳会談の受け止めを問われ、〕石破総理とトランプ大統領の初の日米首脳会談が成功裡に終わったことは、わが国にとって唯一の同盟国かつ、自由・民主主義・人権・法の支配などの基本的な価値観を共有するパートナーである米国との関係性強化のために、大変意義のあることである。

安全保障面では、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を堅持するという従来の姿勢が相互に確認されたことは非常に重要である。また、経済面では、日本の米国への直接投資残高が5年連続で世界1位、雇用創出も世界2位であるなど、日本企業の米国経済への貢献が評価されたことも非常に意義深い。二国間の経済協力の不可欠性が認識されたことを嬉しく思う。加えて、AI・量子コンピューター・先端半導体等の重要技術開発や、LNGをはじめとするエネルギー安全保障に関する両国の協力についても検討を進めることが確認された。強固な同盟関係を基盤に、日米関係のより一層の発展を期待している。

経団連としては、今後も日米経済関係の一層の強化を図っていく所存である。その一環として、19日~25日にかけて、ワシントンDCに訪米ミッションを派遣する。全米州知事会に参加する州知事のほか、連邦議会関係者等との面談を通じ、両国経済関係の強化に貢献していきたい。

〔石破総理とトランプ大統領の会談の印象を問われ、〕報道を見る限り、双方が非常ににこやかで、力強い握手もされており、よかったのではないか。石破総理および日本政府関係者の周到な準備あってこその結果であろう。トランプ大統領との関係構築において良いスタートが切れたことを喜びつつ、引き続き次の機会に備えていただきたい。

〔日本製鉄によるUSスチールの買収に関する、日米首脳会談での両首脳のやりとりについて問われ、〕詳細を把握していないため、具体的なコメントは差し控えるが、日本企業による対米投資を含む日米経済関係の重要性が確認された上で、本案件が一段高い検討のステージに進んだことを大いに歓迎し、期待している。今後の動向を注視したい。

【トランプ関税】

〔トランプ大統領が、高関税の貿易相手国に同水準の関税を課す相互関税の導入や、米国の輸入する鉄鋼とアルミニウムへの25%の関税賦課を発表したことについて問われ、〕日本産農産物の輸出への影響は懸念されるが、相互関税の詳細がわからず、わが国への影響は計りかねる。鉄鋼やアルミニウムへの関税賦課についても、詳細を把握しておらずコメントは控える。

【日産・ホンダ経営統合協議打ち切り】

〔日産自動車と本田技研工業の経営統合に向けた協議が打ち切りとなったことを受け、日産自動車の今後の他社との提携の方向性について問われ、〕個社による今後の他社との業務提携のあり方についてはコメントを差し控えたい。経営統合に向けた協議の打ち切りは残念だが、危機を打開すべく、スピード感をもって代替策を検討されることを願っている。

以上

「会長コメント/スピーチ」はこちら