1. トップ
  2. Policy(提言・報告書)
  3. 環境、エネルギー
  4. 生物多様性の保全と持続可能な利用をめざして

Policy(提言・報告書) 環境、エネルギー 生物多様性の保全と持続可能な利用をめざして ~生物多様性条約第10回締約国会議の成功にむけた提言~ 骨子

2010年6月15日
(社)日本経済団体連合会

1.生物多様性への企業の取り組みの推進

2009年3月の「生物多様性宣言」において、経済界における生物多様性への取り組みに関する基本的考え方を提示。自然や生態系に関する科学的知見、客観的な評価指標やデータ等の把握・共有が十分でない中で、生物多様性の保全と持続可能な利用に資する活動に積極的に取り組む。

  1. (1) 多様で自主的な取り組みと検証(PDCAサイクル)を推進する。
  2. (2) 生物多様性の本質は地域固有性にあり、現場ごとの実態に応じた、具体的で実効性ある取り組みを進める。
  3. (3) 自然と共生する経営、技術力の活用により生物多様性に貢献する。
  4. (4) 専門家やNGO、地域住民、地方自治体など、多様な主体と連携する。
  5. (5) 社会全体の認識向上に向け、企業も環境教育活動などを通じて協力する。

2.COP10議長国としての政府への期待

COP10においては、科学的知見に基づいて、生物多様性保全と経済との調和をはかることを基本として、以下の内容で合意すべきである。

  1. (1) 2010年以降の生物多様性目標については、各地域において、多様で個性的な自然や生態系の実態に合わせた柔軟な対応がとれるものとする。
  2. (2) 生物多様性や生態系に関する科学的知見・データの整備・充実をはかる。
  3. (3) NGO等によるプロジェクトを支援するしくみや、技術面を含む相談、助言機能の強化など、生物多様性の具体的な保全活動を推進するしくみを整備する。またODAによる支援の拡充をはかる。
  4. (4) 企業の取り組み促進については、「基本理念」を共有(例:日本経団連生物多様性宣言)したうえで、各企業の実態・特性に応じた、多様で創造性あふれた取り組みが自発的に行われるような条件を整備する。
  5. (5) 生物多様性の経済的評価や生物多様性オフセットについては、科学的知見・データの蓄積、客観的な定量化手法の開発、評価手法の精度向上など、有効性検討の前提条件をまず整備する。
日本経団連では、5月25日、日本商工会議所、経済同友会と共同で、関係各省などの協力を得て、「生物多様性民間参画イニシアティブ」を立ち上げた。今後、生物多様性をはぐくむ社会づくりにむけ、着実な取り組みを推進していく。
以上

「環境、エネルギー」はこちら