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Policy(提言・報告書) アジア・大洋州 第22回日タイ合同貿易経済委員会 サマリー

英文正文、和文仮訳)

2012年5月28日(月)
於 東京 経団連会館

2012年5月28日、経団連会館において、第22回日タイ合同貿易経済委員会が開催された。日本側からは、小林栄三経団連日タイ貿易経済委員長、伊藤一郎共同委員長をはじめとする90名、タイ側からは、チャットシリ・ソーポンパーニッ・タイ商業・工業・金融合同常任委員会(JSCCIB)会長兼タイ銀行家協会会長をはじめとする29名が参加した。

第22回合同委員会は、2015年のASEAN経済統合後のアジア経済を見据え、日タイ経済関係強化のための具体的方策について、経済界の視点から協議することを主眼に開催された。協議を通じて、両国経済界は以下のサマリーを採択した。

  1. 1. 両国経済界は、日本とタイがアジアの経済的繁栄をともに促進するための戦略的パートナーであるとの認識を共有した。アジアの繁栄は、金融危機後の世界経済の成長を促進するものである。本合同委員会は、こうした日タイの重要なパートナーシップを強化するうえでの主要なフレームワークであり、日タイ修好125周年の年に開催されたことは、適切なタイミングであるとの考えを確認した。

  2. 2. 両国経済界は、両国間の投資が、昨年両国で発生した2つの天災を乗り越えて着実に増加していることを確認した。タイの大規模洪水で被災したインフラの再構築における協力について、前年の経験を踏まえた意見交換を行い、災害に強いインフラ整備の重要性を強調した。

  3. 3. 両国経済界は、2020年までのアジア太平洋自由貿易地域(FTAAP)の構築が、両国の共通の目標であることを確認した。また、アジアの地域統合を支えるには、ハードおよびソフトのインフラ整備が不可欠との認識を共有した。特に、メコン地域の共同ドナーとして、衛星、電力をはじめとする同地域のインフラ整備で積極的な役割を果たすべきとの考えで一致した。中でもミャンマーについて、東西経済回廊および南部経済回廊のミッシングリンクの解消を含め、同国のインフラ整備促進によって、民主化および経済改革を支援することが喫緊の課題であると確認した。

  4. 4. 両国経済界は、日タイ経済連携協定(JETPA)について、発効後5年以内の見直しの機会を捉えて全面的な見直しを行い、より包括的かつ質の高いEPAとすべきであるとの考えを再確認した。日本側は、部品・素材や完成車の関税撤廃スケジュールの前倒し、投資・サービス分野における外資出資規制の緩和、人の移動の自由化、知的財産権保護の強化、認定輸出者自己証明制度の導入を要望した。タイ側は、豚肉調整品の輸入割当枠の拡大および関税削減、ツナ缶の原産地規則の見直し、両国の官民による7つの協力プロジェクト(省エネ、繊維・アパレル産業、鉄鋼産業等)のレビューを求めた。

    以上の議論を踏まえ、両国経済界は、互いの政府に対し、年内の可能な限り早い時期に物品貿易小委員会を開催し、上記の課題に取り組むよう求めることで一致した。また、ビジネス環境向上小委員会を年内に開催し、税制、地域統括拠点の設立促進、労働紛争、鉄鋼の強制規格等に関する課題を協議すべきとの点で合意した。併せて、JTEPAの進捗状況をフォローアップするため、第21回合同委員会で設置された合同作業委員会を活性化することで合意した。

  5. 5. 両国経済界は、日タイ間には多様な分野で一層の協力可能性があることを確認した。中でも、日本側は、エコ住宅、金融サービス、観光での協力促進策を提案し、タイ側は、水管理、エコ産業タウン、相互に産業サプライチェーンを構築する「“お互い”事業継続モデル」の採用での協力を提案した。

  6. 6. 両国経済界は、第23回合同委員会を、双方の合意に基づくしかるべき時期に開催することで合意した。また、互いの関心事に関するアップデートを目的として、定期的に情報交換を行うことで合意した。

以上

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