Policy(提言・報告書) 経済連携、貿易投資  提言「投資協定等の締結加速を求める
―21世紀型の国際投資ルールの構築に向けて―」の概要

2015年12月15日
一般社団法人 日本経済団体連合会

1.現状・課題

  • わが国・世界経済の成長に果たす国際投資の重要性の高まり
  • 国際投資保護・自由化のための協定等の飛躍的増加(2014年末現在で3,271)
  • わが国の発効済投資協定等の締結数の劣後
    (日本35、ドイツ184、フランス149、英国148、中国124、韓国94、米国85)

2.投資協定等の締結の進め方に関する基本的考え方

  1. (1)協定に盛り込むべき内容
    投資家対国家の仲裁条項、公正衡平待遇義務、投資の自由化ないし外資参入規制への規律(投資前の内国民・最恵国待遇、パフォーマンス要求の禁止等)、投資活動の円滑化(法令の公表、パブリックコメント等による透明性の確保)、送金規制の撤廃、清算・撤退の自由、アンブレラ条項(締約国が投資家になした約束の遵守義務)、ビジネス環境整備

  2. (2)留意事項
    適切な保護範囲の確保、投資家対国家の仲裁、企業の社会的責任

3.具体的な国・地域の例

  1. (1)現在交渉中の投資協定等の早期妥結と発効
    投資協定:アンゴラ(大筋合意、中断中)、アルジェリア、カタール、アラブ首長国連邦、ケニア、ガーナ、モロッコ、タンザニア、イスラエル、イラン(大筋合意)、サウジアラビア(2013年4月署名)、オマーン(2015年6月署名)
    投資章を含むEPA/FTA:バーレーン(交渉延期)、GCC、日中韓FTA、RCEP、日EUEPA、TPP(大筋合意)、日トルコEPA

  2. (2)新規交渉開始
    ブラジル、南アフリカ、セネガル、キューバ、ナイジェリア、ボリビア、エクアドル、アルゼンチン、パナマ

  3. (3)既存の協定の見直し・改訂交渉への着手
    エジプト(1977年投資保護協定)、スリランカ(1982年投資保護協定)、香港(1997年投資保護協定)、パキスタン(1998年投資保護協定)、バングラデシュ(1998年投資保護協定)、ロシア(1998年投資保護協定)、フィリピン(2006年EPA)、タイ(2007年EPA)、インド(2011年EPA)、イラク(2012年投資保護協定)

以上