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Policy(提言・報告書) アジア・大洋州 第4回日中企業家及び元政府高官対話 共同声明

2018年10月12日
於:中国・北京

日本経済団体連合会(経団連)と中国国際経済交流センター(CCIEE)は、2018年10月11日~12日、第4回日中企業家及び元政府高官対話を中国北京で開催した。

双方は、本年が日中平和友好条約締結40周年であり、両国首脳会談を契機に、政府間交流が強化され、経済界の往来が緊密になる中、日中経済発展の加速化と両国の戦略的互恵関係の更なる推進について、認識を共有した。

双方は、両国の経済情勢や成長戦略等について意見交換を行ない、相互理解を促進するとともに、日中企業間協力の更なる深化や両国が共通して直面する課題の解決に向けて、貿易・投資の自由化・円滑化の推進と、「一帯一路」の枠組みを含めた世界規模での第三国市場協力の推進、イノベーション分野の協力強化、ハイエンド製造業やシェアリング・エコノミー等の発展の共同推進、更には、人口減少や高齢化社会、環境問題等に適切に対応し、調和ある経済社会発展実現のためのソリューションの提供等について活発な議論を行った。

双方は、経済のグローバル化が深化する中、世界的な反グローバリズムや保護主義の台頭に懸念を共有するとともに、日中両国が共に自由貿易の旗を高く掲げ、自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化に協力していくことが、日中両国のみならずアジアひいては世界経済の発展のために重要であることを確認した。その観点から、双方は、現在交渉中のRCEP(東アジア地域包括的経済連携)や日中韓FTAの早期かつ高いレベルでの実現に期待を表明した。

双方は、アジア太平洋地域が成長センターとして持続的に発展し、全ての人々がグローバリゼーションによる成長の恩恵を享受していくためには、産業活動および国民生活の基盤であるインフラの整備を質量両面で着実に進めていく必要があることを確認した。双方は、アジアをはじめ膨大なインフラ需要に対応すべく、「一帯一路」の枠組みを含めた第三国市場開発のために、両国企業の強みを活かした緊密な協力関係を構築することで一致した。その推進にあたっては、開放性、透明性、経済性、財政健全性等が確保されることを踏まえた上で、両国首脳間で合意された「日中民間ビジネスの第三国展開推進に関する委員会」や「日中第三国市場協力フォーラム」の枠組を積極的に活用していく。

イノベーションの推進において、企業が重要な役割を担っていることを改めて確認するとともに、企業活動のグローバル化、市場ニーズの多様化、解決すべき課題の複雑化などにより、新しいアイディアやこれまでにない視点が求められる中、両国企業がこの分野で協力する必要性について一致した。とりわけ、日本が推進する「Society 5.0 」や中国における「大衆創業・万衆創新」などのコンセプトの下、日中両国が積極的にイノベーションを推進し、両国が互いの知見を共有するとともに、それぞれの優位性を学び合い相互補完することで、アジア地域の持続的で安定した発展に果たす重要性を確認した。また、双方は、イノベーション推進にあたって、日中双方の官民が連携して、必要な環境整備が推進されることに期待を表明した。

調和ある経済社会発展に向けた人口減少や高齢化社会、環境問題への対応は、双方の共通課題であり、有望な協力分野でもある。双方は、とりわけ日中双方で急速に進む高齢化について、医療・ヘルスケア・介護関連製品・サービスの分野で協力を進展させ、国民生活の向上、更には全世界の福祉の向上に貢献していくことで一致した。環境保全については、経済と環境の両立を実現するべく、グリーンエネルギーの開発や省エネルギー問題に取り組み、気候変動問題への対応など地球規模の環境課題の解決に向けて双方が貢献することを確認した。また、双方は観光や文化等についても重要な協力分野であることを確認した。

双方は、日中の企業家と元高官による定期的なハイレベル対話の開催が、日中の経済・産業協力関係の深化と、対等なコミュニケーションや相互理解の促進に果たす重要な役割を高く評価し、来年のしかるべき時期に、第5回会合を東京で開催することに合意した。

以上

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