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Policy(提言・報告書) 経済連携、貿易投資 BRT・ERT・経団連による共同声明 日米EU三極貿易大臣会合によるイニシアチブを支持する

(仮訳/英文正文
2019年4月3日
一般社団法人 日本経済団体連合会
米国ビジネス・ラウンドテーブル(BRT)
欧州ビジネス・ラウンドテーブル(ERT)

米国、欧州、日本の主要なビジネス(CEO、ビジネスリーダー、企業会員を含む)を代表する我々3団体は、「現行のルールが効果的ではない分野も含め、深刻な過剰供給能力につながり、労働者や企業にとって不公平な競争条件を作り出し、革新的技術の開発と使用を阻み、国際貿易の適切な機能の弱体化をもたらす、第三国の非市場志向の政策と措置に対処する」ために、建設的かつ効果的な戦略を構築すべく行われている、日米EU三極の貿易大臣による取組みを一致して称賛する。

我々は、市場志向の政策は公正で相互に有利な国際貿易システムの基礎であるとの三閣僚による認識を共有し、現行のWTO紛争案件も通じて、既存のWTOの規律の妥当性と有効性を維持することへのコミットメントを歓迎する。我々は、WTOがルールに基づくシステムの根幹であり、効果的な改革を通じて、21世紀の国際貿易ルールの形成に向け、その役割を再活性化できると確信する。

我々は、以下の三極による取組みを称賛する。

  1. (1) 不公正な産業補助金の問題に対処するため、春までに三極のテキストベースの提案を完成させる
  2. (2) 強制的技術移転に対抗するための新たなルールの策定、安全保障目的での投資管理、輸出管理について協力する
  3. (3) 昨年11月のWTO物品貿易理事会に提出した、三極の通報・透明性提案を推進するため、他のWTOパートナーへの関与を強める
  4. (4) 物品貿易理事会によるWTO協定および約束の履行に関する通常の監視を強化する
  5. (5) 途上国の地位を主張する発展した新興市場国のWTO加盟国に対し、現行及び将来のWTO交渉において完全な責任を引き受けるよう呼びかける
  6. (6) 高いレベルの合意を可能な限り多くのWTO加盟国の参加の下で実現することを目指す、電子商取引の貿易的側面に係るWTO交渉への支持を確認する

我々は、WTO上級委員会に関するものも含めたWTOの紛争解決手続の包括的な改革について、その進展を妨げている膠着状態を解消するため、三極が協調的な努力を強化していることを支持する。さらに、プルリでの交渉等、より柔軟性の高い交渉手法を推進することにより、WTOの交渉機能を強化するための三閣僚の努力を支持する。交渉機能を強化することは、ウルグアイ・ラウンドの時代以降拡大してきた市場歪曲的貿易措置や、海外市場において今日のビジネスが直面する実務上・運営上の困難に対処するルール、電子商取引、デジタル貿易、デジタル経済等、新たなテクノロジーのためのルールを、適切かつ効果的にアップデートした多角的貿易体制を確保するために必要である。最後に、ビジネスコミュニティとステークホルダーが、WTOへの関与を強化する方法について検討することを奨励する。

我々は、再活性化されたWTOを21世紀に実現することを喫緊の課題と位置付け、この行動アジェンダを推進、実行することを各国政府に求める。米国、日本、EUが、国内で経済的な困難が続き、世界において不公平な競争圧力に直面する中、国家レベル、地域レベル、そして国際レベルでのイニシアチブを通じて、2019年をWTOの近代化と活性化を含む極めて重要な問題への取組みを大きく進展させる年にすることが重要である。本共同声明に述べる目的を達成するために、中国を含む他のWTO加盟国への関与を継続することを求める。

この極めて重要な日米EUによるイニシアチブを支持すべく、我々3団体は一致して、この重要な試みについて協働する用意がある。

以上

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