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Policy(提言・報告書)  地域別・国別 欧州 経団連・CBI共同声明

(仮訳/正文英文
2025年11月27

未来へのビジョン

日本と英国は、自由、民主主義、法の支配という共通の価値で結びついている。相互依存が武器化され保護主義が高まる世界において、経団連とCBIは、安定と繁栄を実現するために同志国間の信頼できるパートナーシップが不可欠であると確信している。

この重要な関係のため、日英包括的経済連携協定(CEPA)は、強固かつ成功した基盤として機能してきた。CEPAは両国の企業、投資家、消費者に具体的な利益をもたらし続けている。デジタル貿易やサービス貿易のための現代的なプラットフォームを構築しており、またサプライチェーンの統合を深め、先端製造業への投資を促進している。  

この成功を基盤に、両国は「日英産業戦略パートナーシップ」の下で新たな成長の道筋を探求する決意を示している。このパートナーシップは、重要・新興技術、クリーンエネルギー、デジタルイノベーションでの協力や相互投資の促進に関し、両国が野心を具体的な行動に移すための枠組みとなる。

経団連とCBIは、このパートナーシップの潜在力を最大限活用し、日英両国が、繁栄に向けた新たなルール・規範を確立するにあたり共同でリーダーシップを発揮するために協力するよう、両政府に働きかける。

自由・公正で開かれた貿易へのコミットメント

経団連とCBIは、自由・公正で開かれた貿易への支持を堅持する。国際貿易はルールに基づく国際秩序の上に行われなければならない。両団体は、紛争解決制度の完全機能回復を含め、世界貿易機関(WTO)改革の推進の重要性を強調する。これは、多国間主義への信頼回復と、国際ビジネスが雇用創出・持続可能な成長を牽引し続ける基盤となる。この目的のため、両団体は英国と日本が「自由で公正な貿易投資クラブ」#1への参加を最初に表明することを促す。これは自由貿易を支持する国々のネットワークを拡大に繋がる。

両団体は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の強化・拡大の機会を歓迎する。我々は、EUのCPTPPとの協力を深化させる意向を歓迎し、このためEUの経済団体と連携する所存である。CPTPPを拡大することで、協力的な貿易システムに対する国際的な信頼を強化できる。

両団体は、産業補助金や強制的な技術移転を含む市場歪曲的慣行について懸念を共有し、日英両政府に対し、これらの慣行に対処する強力な国際ルール・規範の推進に向け主導的役割を果たすよう強く要請する。また両団体は、市場歪曲的な慣行による供給過剰に対処するため、非価格要素を考慮することの重要性と、そうした措置が透明性と国際ルールへの適合性を確保し、共通の価値観を持つ国々の協力を促進する必要性を認識する。

1. 経団連とCBIが参加した2023年4月のB7東京サミット共同提言で提起。所定の期間内に一定のハイレベルな貿易投資の基準を満たす有志国により形成し、参加国・地域間において、相互に無差別原則を適用するもの

重要原材料の確保

重要原材料へのアクセスの確保は、経済安全保障と経済成長の両方を支える基盤である。日本と英国は既にこの分野で協力した歴史を有しており、経団連とCBIは、世界市場の安定を確保するため、二国間および多国間レベルでの協調的アプローチの必要性を強調する。両政府がサプライチェーンの脆弱性を低減する政策の策定を目指すことが重要である。

革新的かつ戦略的な協力

経団連とCBIは、次世代の経済を牽引する重要分野における日英協力の深化を強く支持する。具体的には、経済安全保障強化のためのサプライチェーン強靭化、クリーンエネルギー・省エネ技術・持続可能な交通・脱炭素化、防衛、サイバーセキュリティ確保、包摂的成長と国際競争力強化に向けた研究・イノベーション協力を支援する。

日本と英国が「広島AIプロセス」への揺るぎないコミットメントを示し、パートナーズ・コミュニティの拡大に向けたイニシアチブを推進していることを歓迎する。両国は、国際協力を通じて包摂性、安全性、セキュリティ、信頼性を確保しつつ、AIやその他の新興技術が創出する機会を最大限に活用しなければならない。

経団連・CBIパートナーシップ

経団連とCBIは、日英産業戦略パートナーシップの活動を認識しつつ、日英両国の経済界間におけるハイレベルかつ戦略的な対話を維持する意向を改めて確認する。

B7の一員として、経団連とCBIは引き続き模範を示し続け、開放的な市場を推進し、持続可能な成長を促進し、機会と楽観主義、協力に満ちた未来を形作る。

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