一般社団法人 日本経済団体連合会
【2019年度補正予算】
基本的にわが国にとって重要なことは財政の健全化である。もちろん国土強靭化など必要な対策にしかるべく予算措置をすることは当然だが、極端に大型の補正予算は組むべきではない。要求ベースで10兆円ということならわからないでもないが、そのままの金額では通らないのではないか。
【経団連デジタルトランスフォーメーション会議】
デジタルトランスフォーメーション会議において、デジタル技術で日本の産業構造を変革していくことと、社会課題の解決を国内からさらにアジアをはじめ世界に広げていくことの2つを最重要課題と位置づけ議論していきたい。前者は経済界自らが取り組む課題である。それを後押ししてもらうため、例えば規制改革要望についても個別テーマをバラバラに並べるのではなく、目指すべき方向を示して体系的にまとめていこうという話が出ている。後者については、特に海外展開を視野に入れると、個々の企業の壁を越えて、リソース、知恵、アイデアを持ち寄る必要があると話している。こうした認識の下、今後、議論を本格化させる。
【内部留保】
内部留保は利益剰余金、つまり企業の過去の利益の反映である。すでに大半は設備投資やM&Aに投下済みであり、企業の現預金とは全く別物である。他方、研究開発に関する税制上の優遇措置は内部留保とは全く別の話であるが、これは経団連がかねてから強く主張していることであり、手当てをしていただけるのであればありがたい。
【春季労使交渉】
来たる春季労使交渉に向けた経営側の基本スタンスを「2020年版経営労働政策特別委員会報告」にしっかりとまとめたい。現下の日本の最大の課題は、生産性向上である。重要なことは、計算式の分母となる労働時間を圧縮するだけではなく、分子となる付加価値を高めることだ。そのためには、働き方改革とエンゲージメント(やる気)を高める取り組みをセットで強力に進めていくことも必要である。これは、ジョブ型やメンバーシップ型といった様々な雇用の下での働き方そのものの議論にもつながっていく。春の労使交渉は、こうした問題も労使で議論する場にしたい。
【日韓関係】
日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)が延長されたことはよかった。政府間の問題であり、経済界が口を出すべきものではない。いわゆる徴用工問題も然り。日韓関係の正常化に向けて、経済界同士の対話を重ねていく。
【香港区議会選挙結果】
香港の各種制度や現状を細部まで承知していないので、今回の選挙結果について特段のコメントはない。一国二制度の下、香港が発展することが大事であり、ビジネスの観点からも平穏が戻ることを願っている。