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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 定例記者会見における十倉会長発言要旨

2021年6月21
一般社団法人 日本経済団体連合会

【新型コロナワクチンの職域接種】

経団連は「新型コロナウイルスワクチン接種に関する緊急提言」(2021年6月1日公表)で、冬の到来までに集団免疫を確立すべく経済界も全面的に協力するスタンスを示し、具体的な行動を重ねている。会員への説明会ではオンライン出席を含め約1700名の参加者に最新の情報を提供し、取り組みを促した。各社において、職場でのワクチン接種に加え、接種会場の提供や、産業医・看護師の集団接種会場への派遣、就業環境の整備等、接種をスムーズに進めるための様々な取り組みが進んでおり、非常に手応えを感じている。地域での接種、大規模接種会場での接種、職域接種などを並行させながら、一刻も早く接種が進むことを期待している。

【東京オリンピック・パラリンピック】

東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたっては、安全・安心対策に万全を期すべきである。その上で、観客制限については、本日(6/21)開催される五者協議の決定を尊重したい。

【東芝の株主総会運営】

個社の事案であるため、コメントは差し控えたい。一般論として、企業は、コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードに則り株主と対話しつつ中長期的な成長と価値向上を実現すべきである。

〔経産省の関与の是非を問われ〕一般論として、国の安全保障に関わる事業や技術等について、経産省が個別企業とコミュニケーションをとるのは何ら問題ない。国家公務員の守秘義務等については、既に梶山経済産業大臣が説明されている。

【日経平均株価】

〔日経平均株価の急落について問われ〕株価の変動に一喜一憂しても仕方がない。米国での政策金利引き上げ見通しの前倒し等を背景に米株式市場が下落し、それに反応したという見方もできるが、米国経済はしっかり回復に向かっていることを見るべきである。

【原油価格】

鉱物資源価格は、基本的には市場の需給で決定するので、乱高下は経営上困るが、その時々の上下を読み通すことは容易ではない。現下のコロナ禍にあって輸送がままならず、供給が滞り、結果として需給がひっ迫している面もある。コロナ禍の収束との見合いもあるが、当面は、価格の高止まりが続くかもしれない。

【原子力の活用】

2030年度の温室効果ガスを2013年度比46%削減するために、エネルギーミックスを早急に固め、電源構成における原子力の比率を定める必要がある。その上で、原発の新増設や小型モジュール原子炉へのリプレース等についても議論を深めていくべきである。

【核のゴミ最終処分】

高レベル放射性廃棄物の最終処分は、原子力発電を利用する上で、避けて通れない課題であり、原子力を利用してきた現世代の責任として取り組む必要がある。寿都町と神恵内村での文献調査は、デュープロセスを経て開始に至ったものである。この動きを歓迎するとともに、関係者に改めて敬意を表したい。

地層処分の地点選定にあたっては、科学的な特性に加え、地元の理解を得ることが大前提である。広く国民理解を醸成することも欠かせない。

【輸出管理】

〔機微技術の輸出管理について問われ〕企業としては、予見可能性の確保、適正な管理の徹底という観点から、境界線ができる限り明確であることが望ましい。

以上

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