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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 定例記者会見における十倉会長発言要旨

2021年7月5
一般社団法人 日本経済団体連合会

【静岡県熱海市の土石流災害】

静岡県熱海市の大規模な土石流により、甚大な被害が確認されている。亡くなられた方々にお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げる。

現地では、降雨が続く中、救命・救助活動、安否不明者の捜索、被災者の支援が行われている。関係者のご努力には誠に頭が下がる思いである。一人でも多くの方が無事にお戻りになること、被災された方々が一日も早く普段の生活を取り戻されることをお祈りする。

私どもは現在、全国の災害支援ネットワークを通じて情報収集に努めており、必要に応じて、経団連1%クラブから会員企業に支援の協力を呼びかけてまいりたい。

【三菱電機の活動自粛】

柵山副会長より、三菱電機の品質管理に関わる不適切な検査行為に関する調査結果が出るまでの間、副会長ならびに委員長の活動を自粛したいとのお申し出があり、了承した。

本件は、日本の製造業の根幹に関わる大事な問題であり、原因究明を徹底していただきたい。その上で再発防止策を含め適切な対応が取られることを強く期待している。2017年に、企業の品質管理に関する不適切な事案が相次いだ際、経団連会員企業・団体に対して一斉に自主調査を依頼し、企業行動憲章順守の徹底を呼びかけた。今回、再びこのような問題が生じたことは非常に残念である。

〔三菱電機の株主総会で本件を説明すべきだったか否かを問われ、〕個社のことなので事情は分からない。一般論として、情報を整理するのに時間がかかることもある。いずれにせよ、説明を先延ばしにしようという意図はなかったと考えたい。

【東京都議選結果】

都民の判断として厳粛に受け止める必要がある。自民・公明両党は議席を増やしたが、一方で、小池都知事ならびに都民ファーストへの支持も根強いのではないか。新型コロナ対策やオリンピック・パラリンピックへの対応など様々なイシューが都議選の争点となり、それらに対する都民の考え方が一様ではなく分かれた結果であろう。

【ワクチンの職域接種】

職域接種は、「完璧よりもスピード重視」という考えの下、接種加速を促す目的で経団連から政府に要請し、政府がそれに応えたもので、評価している。一時停止は非常に残念であるが、一刻も早く職域接種が再開されることを期待している。また、この間、関係者の混乱が最小限で済むよう、政府には、適時適切な情報提供をお願いしたい。

【最低賃金】

賃金の引き上げを通じて経済の好循環を実現するという考えには賛同する。ただ、いまだにコロナ禍という異常な事態であることも踏まえ、最賃引き上げの検討には、(影響を受けやすい)中小・零細企業、中小企業団体の意見に十分耳を傾ける必要がある。

【国土強靭化】

気候変動問題や、プレートが複雑に入り組むなどの地質学的な問題を背景に、日本はレジリエントな経済社会を構築する上で大きなハンディキャップを負っている。政府には引き続き、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(2020年12月)を着実に実施していっていただきたい。

以上

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