会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言  定例記者会見における十倉会長発言要旨

2022年11月21
一般社団法人 日本経済団体連合会

【新型コロナ第8波への対応】

第8波で想定されるオミクロン株の重症化率・致死率は、季節性インフルエンザよりも低くなるとの報告もある。国民のワクチン接種は進み、治療薬も開発された。これまで蓄積したエビデンスや経験に基づき、行動制限は行わず、新型コロナ対策と社会経済活動の両立を図るという方向性は妥当である。

〔政府方針により自治体が発出することとなった「対策強化宣言」について問われ、〕緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に基づく外出自粛等の対策のプラスマイナス両面の効果・影響を総合的に勘案して示されたものである。基本的には国民への行動制限をかけないが、想定を超えて、地域で感染が拡がった場合に、各自治体の判断で宣言発出を決定するものと認識している。

【政治への期待】

3人の閣僚が相次ぎ辞任したのは残念であり、岸田内閣は正すべきところは正す必要がある。他方、厳しい国際情勢下における外交面での対応や物価高騰への対策など、足もとでは重要課題が山積している。与野党ともに迅速で深みのある議論を行い、一刻も早く補正予算を成立させていただきたい。

【防衛費増の財源】

防衛・安全保障は日本国民全員が裨益者であることから、防衛費も国民、社会全体で広く薄く負担するのが適切である。財源として法人税が先行して議論されているとの報道もあるが、事実とすればいかがなものか。企業には、強靭な日本経済を構築するために国内投資や賃上げが強く求められている。日本の経済・社会・財政状況を総合的に勘案し、日本経済の持続可能性も踏まえて、バランスのとれた議論がなされることを期待したい。

以上