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会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 定例記者会見における十倉会長発言要旨

2023年4月4
一般社団法人 日本経済団体連合会

【大阪・関西万博】

4月13日は大阪・関西万博の開幕までちょうど2年となる。国家的なイベントの全国的な機運醸成に向け、2025年日本国際博覧会協会の会長として開催準備を精力的に進めてきた。万博は、経団連が掲げるSociety 5.0 for SDGsの達成や、わが国の経済社会の持続的な成長につながるものである。世界に誇れる万博とすべく、引き続き政府、地元自治体、経済界等が一体となって取り組んでいく。メディアの皆様にも情報発信等、万博の成功に向けて力強いご支援をお願いしたい。

【中国における邦人拘束】

〔反スパイ法違反の疑いで中国当局に邦人男性が拘束された事案について問われ、〕昨日、呉江浩駐日中国大使と面会した際、問題の早期解決を強く要請した。企業は、事業活動を行う際、現地の法令やルールを遵守し、コンプライアンスを徹底しなければならない。そのうえで、企業の自由で安定的な経済活動は保証されるべきである。今回の事案では、拘束理由がつまびらかになっておらず、日本の経済界は不安を覚えている。中国には、わが国企業が中国で経済活動を安心して行えるよう、基盤や環境の整備をお願いしたい。

【CPTPP】

英国の加入交渉の妥結を心から歓迎する。ハイレベルの貿易投資ルールが環太平洋を越えて広がり、自由で開かれた国際経済秩序が維持、強化されることを大いに期待している。

〔米国のTPP復帰について問われ、〕2月に訪米した際、米国政府関係者に対してTPPへの復帰を強く要望した。政治的にも難しい課題であろうが、日本の経済界は諦めておらず、主張をし続ける。

【半導体製造装置の輸出管理規制】

〔半導体製造装置の輸出管理規制の強化が日本企業の対中輸出に与える影響について問われ、〕輸出管理対象に追加された23品目について、中国への輸出が禁止になるのではなく、事前の個別許可が必要になるものと承知している。国際的な安全保障環境が厳しさを増すなか、昨今の地政学的状況を踏まえれば、一定の規制はやむを得ない。他方、経済活動は自由貿易のもとで行うことが基本であり、規制対象品目は限定すべきである。

【少子化対策】

〔少子化対策「たたき台」の受け止めと、財源に関する考えについて問われ、〕今回のとりまとめは、政策メニューを網羅的に整理したものと受け止めている。政策の具体化に向けて、全世代型社会保障の構築や働き方改革の推進も含め、優先順位をつけ、メリハリもつけて、財源とセットで議論することが不可欠である。

【デジタル給与解禁】

資金移動業者の破綻時や賃金の不正引出時の対応等に関して、労働者からの心配や不安の声があると承知しているが、資金保全を含めた労働者保護は制度上担保されており、次第に社会に馴染んでいくことになるのではないか。

【春季労使交渉】

〔春季労使交渉の現時点までの受け止めを問われ、〕経団連の集計はこれからであるが、各業界、各企業が物価に負けない賃金引き上げの実施を回答している印象である。今年を起点として、賃金と物価の好循環が形成され、構造的な賃金引き上げの実現につながるよう期待しながら、引き続き見守っていきたい。

以上

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