一般社団法人 日本経済団体連合会
【副会長人事】
本日の会長・副会長会議において、定時総会(6月3日)で新たに副会長にご就任いただく候補者を内定した。
定時総会をもって、任期満了により、小路副会長、永野副会長、遠藤副会長、小堀副会長、永井副会長が退任する。
新たな候補者として、深澤祐二・東日本旅客鉄道会長、岩田圭一・住友化学会長、漆間啓・三菱電機社長、小宮暁・東京海上ホールディングス会長、奥田 健太郎・野村ホールディングス社長、秋池玲子・ボストン コンサルティング グループ日本共同代表が内定した。今回の内定で、副会長は20名となる。
〔各候補者の選任のポイントを問われ、〕いずれの候補者の方も人格・識見、経営手腕、各企業・業界における実績、業種・業界のバランス、これまでの経団連活動を通じて私自身が感じた印象などを総合的に判断し、人選した。
東日本旅客鉄道の深澤会長は、公共インフラである国内最大の鉄道会社の経営者である。経団連では、現在、重要テーマである外国人政策を扱う外国人政策委員長等を務めている。非常に現場に精通したスケールの大きな方である。
住友化学の岩田会長は、総合化学メーカーの経営者である。経団連でも、現在、審議員会副議長やバイオエコノミー委員長、日本・韓国経済委員長を務めている。包容力があり、マネジメント力に長けた方である。
三菱電機の漆間社長は、総合電機メーカーでインフラ、産業機器、家電など幅広い事業に携わってきた。経団連でも、現在、審議員会副議長や宇宙開発利用推進委員長等を務めている。宇宙は今後のわが国の成長戦略においても重要なテーマである。広く産業競争力強化への知見をお持ちの方である。
東京海上ホールディングスの小宮会長は、損害保険事業をグローバルに展開している。経団連でも、現在、教育・大学改革推進委員長として、教育政策の推進に取り組んでいる。同社の事業の視点だけでなく、幅広く中立的な見地から発信される方である。
野村ホールディングスの奥田社長は、国内証券最大手の経営者として、グローバルな金融サービス事業を展開している。経団連でも、現在、経済法規委員長として、会社法・競争法等の対応に尽力している。非常に明朗でコミュニケーション能力の高い方である。
ボストン コンサルティング グループの秋池日本共同代表は、国内最大規模の経営コンサルティングファームの代表であり、過去には事業会社での経験もある。経団連でも、現在、審議員会副議長や企業行動・SDGs委員長を務めている。非常に冷静で、発信力に長じた方である。
〔秋池氏の副会長就任により、女性副会長が2名となることについて問われ、〕経団連はこれまでもダイバーシティの確保に配意した人事を行ってきているが、今後も一層ダイバーシティが確保されるよう努力していきたい。
【衆議院選挙】
〔衆議院選挙で自民党が大勝したことを受け、今後の政権運営への期待を問われ、〕自由民主党が単独過半数を回復し、与党が安定した議席を確保する結果となったことを歓迎したい。
わが国経済は今、将来にわたる持続的で力強い成長の実現に向けた正念場にある。世界情勢の先行きに対する不透明感も依然、払拭されていない。こうした中、絶え間ないイノベーションの創出を通じた「科学技術立国」の実現や、税・財政・社会保障の一体改革の推進といった重要課題が山積している。また、主要政策課題の遂行の基盤となる、安価で安定的なクリーンエネルギー供給の確保とグリーントランスフォーメーション(GX)の推進といった課題もある。経済界が一丸となって取り組んでいく必要がある。
高市政権には、今般の選挙によって示された国民の厚い信任をもとに、強力なリーダーシップを発揮し、こうした重要政策を迅速かつ着実に実行に移していただきたい。経団連としても、官民連携を一層強固なものとしつつ、引き続き高市政権の政策遂行に協力していく。
〔自民党が単独で全体の3分の2の議席を獲得したことの受け止めを問われ、〕国民の厚い信任を得たということは事実であり、安定した政治の態勢の確立に大きく寄与すると考えている。
一方、自民党単独で3分の2の議席を獲得した状況であっても、大胆かつスピーディーに政策を実行していくためには、野党と常に建設的な熟議を重ね、政策本位の政治を遂行していくことが重要である。異なる見解を持つ政党間の活発な議論を通じて民主主義を高みに上げ、世界や市場からの信認を得ていく重要性は不変である。例えば、税・財政・社会保障一体改革といった中長期的で骨太のテーマについて、建設的に熟議がなされることを期待する。
〔自民党が大きく議席を伸ばし、中道改革連合が大きく議席を減らした原因を問われ、〕十分な分析はできていないが、結果の背景には、当然、高市総理への高い支持率があると考えている。
技術的には、自民党は今回、ネット広報にかなり力を入れ、総理ご自身の発信も多く見られた。ネットを通じて若い世代が政治の場にこれまで以上に参画し、街頭演説でも多くの聴衆が参加するといった形で、支持の拡大に間接的につながっていった面もあろう。
中道改革連合については、公明党の自公連立政権からの離脱後、短期間で新党が結成され、慌ただしい中での選挙戦となったことが影響したのではないか。
〔ネット戦略の巧拙が選挙結果に大きく影響を及ぼしたことを受け、こうした選挙戦が行われることが健全な民主主義の醸成につながるのかと問われ、〕掲げる政策、連立政権の枠組み、そして高市総理が日本の総理であることに対して、国民の厚い信任が得られたことは事実である。
ネットは単なる情報発信の手段である。今回の選挙戦では、発信内容がネットという手段を通じて、さまざまな世代、とりわけ若い世代へ広がったと感じた。国民からの厚い信任の背景に、あくまで手段としてのネットがあったということだと認識している。
【金融市場】
〔市場との向き合い方や財政規律に対する考え方について高市政権への期待を問われ、〕為替や長期金利について急激な変動は望ましくないと考えている。最近の円安の進行や長期金利の上昇傾向は、今後の財政運営や金融政策をめぐる市場のさまざまな思惑の表れだと認識している。
経済界にも、今後の財政、さらには企業活動への影響を心配する向きもある。高市総理は、「責任ある積極財政」を進める上で市場の信認を維持することが大事である旨、繰り返し発言している。政府には、市場の信認を維持すべく、「強い経済」と財政健全化の両立について、引き続きわかりやすく発信していただきたい。
その上で、短期的な市場の動向に一喜一憂することなく、経済のファンダメンタルズの向上、潜在成長力の引き上げを実現し、実力ベースでレジリエントな相場をつくっていく必要がある。経団連としても、「投資牽引型経済」への転換が確実にそれにつながっていくものとして取り組んでいきたい。
〔今回の与党の大勝は、市場の信認の維持に向けてプラスになるかどうかを問われ、〕安定した政治の態勢が確立されたということは、基本的に市場からプラスで受け止められるものと考えている。他方、政党政治として他党と活発な議論を行うことは、もとより民主主義の重要な要素であり、市場からの信認を引き続き得ていく上でも重要である。
【消費減税】
〔選挙戦で各党が掲げた消費減税について問われ、〕消費税は、社会保障の重要な安定財源として長く位置付けられてきたことを十分踏まえ、市場の信認の維持と社会保障の持続性の確保という観点から、徹底的な議論が必要である。
速やかに「国民会議」を設置いただき、消費減税に係る諸課題について検討を深めていただきたい。重要な論点である代替財源に加え、地方財政への影響や給付付き税額控除との関係、事業者への影響やシステムの問題等の課題について議論がなされることを期待している。
〔消費減税について具体的に聞いている懸念等について問われ、〕特に飲食に関わる中小事業者から、対応に係る事務負担や一定の投資を伴うことへの懸念の声を聞いている。
「国民会議」が速やかに設置され、そのような民間目線のさまざまな声をしっかり収集いただき、徹底的に議論いただくことが重要である。
【日中関係】
〔衆議院選挙の結果を受け、日中関係の改善が遅れることへの懸念について受け止めを問われ、〕日中関係は、政治的に難しい局面が継続しており、経済、ビジネスの世界にも波及している。選挙結果に関わらず、日中間では、建設的かつ安定的な関係の構築が重要であり、中国との対話にオープンであるという高市総理のスタンスが継続されるべきだと考えている。
関係改善のスピード感を推し量ることはできないが、あらゆるレベルにおいて幅広い分野で対話を通じた意思疎通を図っていくことが重要であり、政官だけでなく経済界もその糸口を探っていかなければならない。
【株価】
〔2/9の日経平均株価が終値で過去最高値を更新したことの受け止めを問われ、〕非常に安定した政治の態勢が確立されたことに伴い、高市政権の掲げる「強い経済」の実現に向けて「危機管理投資」と「成長投資」が確実に遂行されるであろうという期待の表れであると理解している。
【トヨタ自動車・佐藤社長の副会長就任】
〔トヨタ自動車の佐藤社長が4月1日付で同社の副会長に就任されることについて問われ、〕佐藤社長は、経団連でも副会長およびモビリティ委員長を務めており、また日本自動車工業会の会長も務めている。経団連、自工会で果たしている役割は非常に大きい。これまでのご経験を活かして、一層ご活躍されることを期待している。