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会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 関西会員懇談会後の記者会見における筒井会長発言要旨

2026年7月9
一般社団法人 日本経済団体連合会

【関西経済】

〔関西経済の現状認識と期待について問われ、〕関西経済活性化に向けた様々な動きが並行して進んでおり、非常に注目し期待感を持っている。

全国とほぼ軌を一にしながら、関西経済は総じて緩やかに回復してきている。それを支えているのは、AIが牽引する半導体やデータセンターに対する需要の高まりを背景とした力強い設備投資である。設備投資の伸びが牽引する形で、雇用や所得の改善につながっており、経団連の提唱する「投資牽引型経済」に向けた胎動が関西で始まりつつあると前向きに受け止めている。

中東情勢は再び緊迫化の動きをみせ、非常に気に懸かるところであり、実体経済にどのような影響を及ぼすのか引き続き注視が必要である。一方で、大阪・関西万博というレガシーを活用し、持続的な成長に向けた投資の拡大が着実に進むことを大いに期待している。

観光分野についても、大阪・関西万博を契機として、高付加価値化、すなわち量から質への転換が進展していると受け止めている。体験型の観光、歴史・文化を重視した観光等、質を重視し、高付加価値化が進展している状況は、わが国の観光が目指すべき方向性と合致している。ビジネスやエンターテインメント機能が集積する大阪、世界に誇る歴史・文化を有する京都、そして国際港湾都市としての魅力や豊かな自然環境を持つ神戸等、関西の都市のポテンシャルは非常に高い。これに加えて、アジアとのアクセスにも優れ、交流も長くかつ深い点は大きな利点と考えている。

〔関西経済が日本経済において担うべき役割や期待する産業について問われ、〕かつて関西経済は、重厚長大型の産業の下で発展してきた歴史がある。しかし、産業構造が変化する中で、日本全体に占める関西経済の比重が低下してきたことは否めない事実である。

一方で、直近では、AIの牽引による半導体・データセンター、GX、さらにはモビリティの分野等において、大阪・関西万博のレガシーも活用しつつ、「投資牽引型経済」に向けた胎動が始まりつつあると前向きに受け止め、期待している。観光分野においても、関西は歴史・文化が集積しており、日本を観光面でリードする素地を元来有している。これらの動きが相まった形で関西経済のさらなる発展につながっていくことが期待される。

【副首都構想】

〔副首都の必要性と、副首都にふさわしい都市について問われ、〕与党の副首都法案の目的は、国家社会機能の継続性を確保すること、多極分散型経済圏を形成することにある。日本の持続可能性を維持・強化していく上で、いずれも重要な課題である。

副首都構想や防災庁の地方拠点整備等をはじめとして、幅広く検討を進めることが極めて重要である。国家社会機能の継続性の確保という観点からは、政府・民間双方が重要拠点の複線化や分散化、そして災害時のバックアップ体制の構築について検討・整備を進めておく必要がある。

また、多極分散型経済圏の形成について、経団連も「新たな道州圏域構想」を提唱してきた。高市政権の「地域未来戦略」の中にも「戦略産業クラスター計画」が組み込まれており、経団連としても大いに注目し、期待している。すなわち、「新たな道州圏域構想」と「戦略産業クラスター計画」がしっかり連動していく中で、多極分散型経済圏が具体化されていくことが肝要であり、そのような方向で取組みが進むよう後押ししていきたい。

副首都にふさわしい都市に関する質問について、特定の候補地を選定することを目的化してはならないと考えている。国家社会機能の継続性の確保と多極分散型経済圏の形成という、本来の目的の実現に向けた建設的な議論が行われていくことを期待している。

【骨太方針2026】

〔「骨太方針2026」原案に対する評価や同原案の記述が日銀の利上げを牽制しているという指摘があることへの受け止めを問われ、〕「骨太方針2026」原案について、まず日本成長戦略の「官民投資ロードマップ」において、17の戦略分野に、2040年までの累積で370兆円超規模の官民投資が展望されており、成長投資に対する積極的な姿勢が政府方針として確認されたと理解している。また、複数年度での予算措置、別枠での投資予算の確保、そして補正予算ではなく本予算での十分な予算の確保等、従来から経団連が主張してきた予算編成の考え方も反映されており、経済財政運営において非常に画期的な方針が示されたと受け止めている。これらの点を高く評価している。

同原案が日銀の利上げを牽制しているとは認識していない。財政の持続可能性確保や市場の信認維持の重要性が強く位置付けられて記載されている。この点を高市総理も非常に強く強調して発信していると理解している。日銀の利上げを牽制しているとは捉えていない。

【消費税減税】

〔飲食料品に係る消費税減税を推進しようとする動きについての所見を問われ、〕従来から主張している通り、消費税は社会保障制度の重要な財源である。社会保障制度の持続可能性や市場の信認確保の観点から、消費税減税に際しては代替財源の明示・明確化が大前提である。しかし、未だその財源が明示されていない現状にあって、長期金利の上昇もみられるが、市場の信認を維持することが基本的に重要である。このため、飲食料品に係る消費税減税の議論を進めていく上でも、市場の信認確保に努力している旨を政府が粘り強く、かつ継続的に発信していくことが必要不可欠である。

【国会運営】

〔高市政権の下での直近の国会運営に対する所感を問われ、〕自民党と日本維新の会による連立政権が昨年発足し、本年2月の総選挙の結果、衆議院での絶対安定多数の下で政権運営がなされてきたと認識している。内政・外交両面で非常に重要な課題に直面し、かつ重要法案の審議が控えている中、与野党で粛々と議論を尽くしていただきたいということに尽きる。

【日中関係】

〔合同訪中団派遣の実現可能性や経済団体が日中関係改善に向けて果たすべき役割について問われ、〕関西財界による訪中団派遣の動きがあることは承知しており、日中関係の改善に向けた取組みと認識している。経団連としても、中国政府、中国の経済界との対話の機会を様々な切り口から模索して関係改善を目指していく所存である。その一環として先月末に久保田副会長の訪中を実施し、中国側とコンタクトの機会を持つことができたのは大変有意義であった。合同訪中団の派遣を再開できるよう、関係者と対話を進めていきたい。日本政府も、様々な懸案や課題があるからこそ意思疎通が重要であり中国との対話についてはオープンであると繰り返し表明しているところ、対話に向けた努力が払われることを期待している。

【GREEN×EXPO 2027】

〔GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)の現状と今後開幕に向けて注力する取組みについて問われ、〕全国的な機運醸成は道半ばにあると認識している。同博覧会は、メッセージ性が強く、環境問題や地球への貢献を訴え、来場者の意識と行動を変容させていきたいという願いが込められている。このメッセージがしっかり伝わるように機運醸成に取り組んでいきたい。当面は関連施設の建設や入場券の販売促進等に全力で取り組みたい。

高市総理には2027年国際園芸博覧会の名誉会長を務めていただく等、同博覧会の成功に向けて、政府や自治体を含めオールジャパンで取り組む体制が既に出来上がってきている。短い期間の中で、大阪・関西万博とともに2度国際博覧会が開催されることは世界でも稀なことである。大阪・関西万博の経験や知見を引き継ぎつつ、2度の国際博覧会を成功裡に開催したという実績とGREEN×EXPO 2027の有するメッセージを内外に発信することを通じて、日本のプレゼンスを一層向上させることができるように官民一体となって開催準備を進めていきたい。

【企業の倒産件数の増加】

〔2026年上半期の企業倒産件数が5,000件を超えたことへの受け止めを問われ、〕要因としてはやはり物価高が挙げられよう。最終製品・サービスに至るまでの過程で投入されるインプットに要する価格が相当上昇してきている。円安基調の構造的な定着も一因と考えられる。

さらに、労働供給制約に直面する中での人手不足という問題も原因の1つと認識している。

【キャッシュレス決済】

〔決済代行業者の倒産に伴う社会的影響の受け止めや社会のインフラとしてのキャッシュレス決済の安全・安心確保のための対策について問われ、〕個別事案であり、原因等を詳細に把握している訳ではないので、コメントは難しい。

一般論として、キャッシュレス決済の普及は時代の潮流であり、今後もさらなる進展が見込まれる。当然キャッシュレス決済に携わる事業者は健全な経営を徹底しなければならない。同時に、消費者としても、キャッシュレス決済に対する理解のさらなる醸成を図る必要がある。キャッシュレス決済社会の到来にあって、国・地方自治体、企業、消費者、金融機関、そしてキャッシュレス事業者がそれぞれの果たすべき役割を良く踏まえながら、キャッシュレス決済を安全・安心に利用できるようにすることが重要であろう。

以上

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