1. トップ
  2. Policy(提言・報告書)
  3. 経済連携、貿易投資
  4. 経済連携協定の一層の推進を改めて求める

Policy(提言・報告書) 経済連携、貿易投資 経済連携協定の一層の推進を改めて求める −APEC首脳会議に向けての緊急提言−

2010年10月21日
(社)日本経済団体連合会

11月13、14の両日、横浜でAPEC首脳会議が開催される。この会議では、世界経済の重心がアジア太平洋地域に移る中、地域経済統合の推進、新たな成長戦略の策定などについて議論し、世界の構造変化に対応した新たな行動の長期ビジョンを確立することになっている。議長を務めるわが国としては、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の実現に向けた道筋を明らかにすることなどを通じて、目標の実現にリーダーシップを発揮することが求められている。

本年6月に閣議決定された「新成長戦略」において、APECの枠組みを活用し、2020年を目標にFTAAPを構築するためのわが国としての道筋を策定するとしたことは、そのような方向に向けた適切な第一歩である。さらに、今国会の冒頭において、総理が、アジア太平洋諸国と成長と繁栄を共有するための架け橋として経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)の重要性に言及、その一環として環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加検討を表明したことは誠に時宜を得ている。

この上は、下記の考え方に基づき、来月のAPEC首脳会議までに決定される予定のEPAに関する基本方針を策定するとともに、APEC首脳会議の場でTPP交渉への参加を表明し、国を開く姿勢を内外に鮮明にすることによって、アジア太平洋地域を中心にEPAを一層強力に推進すべきである。この機会を逃せば、国際的な事業環境の整備において諸外国から大きく後れをとることになる。

1.TPP交渉への早期参加

(1) 日韓EPAを出来る限り早期に妥結するとともに、ASEAN自由貿易地域(AFTA)が域内の輸入関税撤廃を完成する2015年を目途に日中韓FTAを締結することによって、ASEAN+3を完成する。また、先般大筋合意したインドとのEPAに加えて、豪州とのEPAを締結することによって、2015年までのASEAN+6の完成に道筋をつける。

(2) 二国間のFTAに対する米国の関心が薄らいでいると見られる現時点において、これらアジア地域における経済統合の動きと米国とを橋渡しする唯一の道は、わが国がTPP交渉に出来る限り早期に参加することである。2015年までにTPPを締結することによって、FTAAP実現に向け、東アジアにおける広域経済連携と並ぶ経済統合の一つの大きな核を形成することができる。

TPP交渉は、最近マレーシアを加え9カ国で行われており、今後更に参加国が拡大する可能性がある。わが国としても、門戸が開かれているうちに、出来る限り早期に交渉に参加し、わが国の事情を考慮した国境措置の取扱いなどについて主張していくとともに、新たなルール作りに積極的に参画する必要がある。

(3) わが国と同盟関係にあり、世界第一の経済大国である米国を含むTPP交渉に参加し、先進的なルール作りを進めることは、わが国の戦略的な地位を高めることにもなる。その結果、日中韓FTAなど中国を含む枠組み作りや焦眉の急となっている日・EU経済統合協定(EIA)の来春交渉開始・早期締結にも大いに寄与するものである。

なお、大詰めを迎えているペルーとのEPA交渉についても、早期妥結に向け政治のリーダーシップが求められる。

2.わが国農業の構造改革による競争力強化

わが国農業の競争力強化を図るため、新規就農や新規参入を含めた意欲ある多様な担い手の確保、担い手への農地集約による経営規模の拡大と生産性の向上等を図っていかなければならない。政治のリーダーシップの下、これら構造改革を迅速かつ強力に推進するとともに、その進展も見据えた真に必要な国内対策を総合的に講じ、EPAの推進とわが国の食料供給基盤の強化との両立を図るべきである。その際には、ウルグアイ・ラウンド対策事業の効果を改めて検証し、競争力強化につながるような施策を講ずることにより国民負担の軽減につなげなければならない。

経済界としても、農業の成長産業化に向けて、農商工連携の推進や輸出の促進をはじめ、農業界との連携・協力を更に推進していく所存である。

以上

「経済連携、貿易投資」はこちら