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Policy(提言・報告書)  総合政策 「投資牽引型経済」を確立し、力強い成長を生み出す ―2026年度 事業方針―

2026年6月3
一般社団法人 日本経済団体連合会

高市政権は、国民の厚い信任を得て、「強い経済」の確立に向け、積極的に政策を推進している。こうした中、日本経済は、長きにわたるデフレからの脱却と本格的な成長軌道への道を着実に歩みつつある。

国際情勢に目を転じれば、米国による自国第一主義や、中国との緊張関係等を背景に、国際秩序が大きな転換期にあり、地政学・通商上のリスクが高まっている。特に、現下の不安定化する中東情勢にあって、天然資源や重要物資の多くを特定国・地域に依存する日本は、サプライチェーンの脆弱性に直面している。官民連携で迅速かつ機動的に混乱回避に向けた取り組みを進め、不確実性の縮減に努める必要がある。加えて、気候変動や、AIの急速な浸透に伴い非連続に発展する経済社会への対応も国際社会の重要課題となっている。

一方、わが国においては、自然災害の激甚化・頻発化はもとより、経済安全保障上の脅威の増大等、複合的な危機が顕在化している。さらに、少子高齢化・人口減少という供給制約の中、持続可能な社会保障制度の構築や、地域経済社会の基盤強化に向けた取り組みが急務である。併せて、官民で少子化対策を進めつつ、初等中等教育から高等教育に至るまで、将来を担う多様で主体的な人材の育成を図ることも求められる。

経団連は、中長期ビジョン「FUTURE DESIGN 2040」を発展的に継承しつつ、様々な将来リスクへの対処とイノベーションの創出を通じて強靭な経済社会を構築するとともに、中長期的に力強い経済成長を生み出していく。そのためには、企業・経営者がマインドセットを転換し、各種政策措置も活用しつつ、日本における設備投資、研究開発投資、そして賃金引上げを含む人的投資を積極果敢に自律的・主体的に実行し、潜在成長力を着実に引き上げていくことが不可欠である。官民連携を一層強化する下で、「投資牽引型経済」によって日本経済の基盤と自律性を強化し、「成長と分配の好循環」を実現する。その際、中長期的な視点から、税・財政・社会保障の一体改革を含めた日本経済の姿を俯瞰的に描いていくことが求められる。

本年、経団連は創立80周年を迎える。終戦直後の1946年8月に発足した経団連は、日本経済の再建・復興を果たしながら、自由主義経済の維持・発展に寄与してきた。この機会に、設立の原点に立ち返り、経済界の公正な意見をもとに政策を立案し、その実現に邁進する(Policy & Action)。これにより、日本経済を着実に発展させ、国民一人ひとりが物質的・精神的豊かさを享受し続けることのできる社会を実現する決意である。

こうした観点から、下記の主要政策分野に注力し、将来世代への責任を果たしていく。

1.絶え間ないイノベーションが創出される「科学技術立国」の実現

  1. (1)官民の研究開発投資拡大をはじめ「科学技術立国」の実現に資する取り組みの推進
  2. (2)官民データ連携・利活用及びサイバーセキュリティの確保を含む社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
  3. (3)スタートアップ振興の加速
  4. (4)AI・半導体、ロボット、量子、フュージョン、通信、バイオ、宇宙、エンタメ・コンテンツ等、戦略分野への国内投資拡大による産業競争力の強化
  5. (5)成長投資を強力に後押しする大胆な税制措置の整備、規制改革、国際標準化の推進
  6. (6)高度専門人材の育成・活躍促進

2.税・財政・社会保障の一体改革の推進

  1. (1)「投資牽引型経済」実現と市場の信認維持に向けた官民連携によるダイナミックな経済財政運営の推進と財政の持続可能性の確保
  2. (2)全世代型社会保障制度の構築や給付と負担のあり方の見直しを含めた税・財政・社会保障の一体改革による公正・公平で持続可能な中福祉・中負担程度の制度の構築

3.人的投資(「人への投資」)の拡充・促進に向けた労働改革

  1. (1)生産性の改善・向上を通じた賃金引上げの力強いモメンタムの「さらなる定着」と、中小企業を含むサプライチェーン全体での価格転嫁を通じた取引適正化の推進等の環境整備
  2. (2)労働移動の積極的な推進に資する制度整備とリスキリングを含むリカレント教育等の支援策の導入・拡充
  3. (3)裁量労働制の拡充等、労働者の健康確保を前提とした柔軟で自律的な働き方を可能とする労働時間法制への見直し
  4. (4)多様な人材(女性、若年者、高齢者、障害者、外国人、有期雇用等労働者等)の活躍推進

4.わが国経済社会の強靭性を高めるための地域経済社会の活性化

  1. (1)産業クラスター形成等を通じた「新たな道州圏域構想」の実現
  2. (2)防災・減災・被災時の対策を含む国土強靭化の推進
  3. (3)生産性向上と食料安全保障に資する農政改革の断行
  4. (4)観光立国の実現

5.「貿易・投資立国」としての自由で開かれた国際秩序の維持・強化と経済安全保障への配慮

  1. (1)ルールに基づく自由で公正な貿易投資環境の実現
  2. (2)官民・同志国連携による経済安全保障の確保
  3. (3)特定の国・地域に依存しない強靭な経済構造の確立に向けた民間経済外交の展開
  4. (4)グローバルサウスとの連携強化の推進

6.経済活動の基盤となるエネルギーの安価で安定的な供給確保とグリーントランスフォーメーション(GX)の推進

  1. (1)「第7次エネルギー基本計画」、「GX2040ビジョン」等の具体化と着実な実現
  2. (2)再生可能エネルギー、原子力といった脱炭素電源の最大限の活用、とりわけ原子力発電所の再稼働の加速、リプレース・新増設の推進、新型炉の早期実用化、バックエンドプロセスの加速
  3. (3)アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の着実な推進
  4. (4)資源の安全保障や日本の自律性向上の観点も踏まえた、サーキュラー・エコノミー(CE)の推進、各産業を支える重要鉱物等の安定供給の確保、代替素材等の開発推進

7.持続的な成長とマルチステークホルダーへの還元を志向したコーポレート・ガバナンス改革

  1. (1)中長期的な企業価値向上に向けた、投資家との建設的対話の促進
  2. (2)会社法や金融商品取引法等の法整備の推進
  3. (3)人権尊重をはじめとするサステナビリティ経営の推進

8.2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)の成功

  1. (1)政府、地元自治体、地元経済界等との連携の下、開催準備への協力
  2. (2)生物多様性・自然資本保全と気候変動・資源循環との統合的取り組みの推進
以上

[参考資料]

2026年度政策委員会等活動計画


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