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会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言 記者会見における榊原会長発言要旨

2017年11月27日
一般社団法人 日本経済団体連合会

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【企業の事業主拠出金】

消費税率を10%へ引上げる際、その使途を見直し、子ども・子育て支援に活用することは経団連の考えとも合致する。国民全体が消費増税によって追加的な負担をする以上、経済界としても消費税率の引き上げを前提とする応分の負担を行い、大胆な少子化対策に協力していきたい。従業員の就労継続や仕事と子育ての両立を後押しする観点から、待機児童の解消に向けた「子育て安心プラン」の前倒し実現に協力したい。ただし、3~5歳児の幼児教育・保育の無償化はバラマキにつながらないよう真に必要な経済的支援に限定すること、児童手当特例給付金の廃止、労働保険料率の引き下げ、将来的な子ども子育て支援策は税財源で確保することも併せて求めていく。また、日商が指摘しているように、中小企業にとって事業主拠出金の負担は大きいとの懸念は理解できる。労働保険料率の引き下げなどの負担軽減策と併せて、企業側の理解が得られるよう、事業のPDCAをしっかり回すことが必要である。政府には、こうした要請に真摯に対応してもらいたい。日商とも連携し、経済界の考えをまとめていく。

【税制改正】

法人税について、賃上げや設備投資が不十分な企業を研究開発税制などの租特の対象から外すことを検討しているとの報道があることは承知している。現在、検討段階であり、具体的なコメントは差し控えたい。ただ、11月17日の未来投資会議で私から安倍総理に2020年までの3年間の集中投資期間の設備投資や賃金引上げを強く促すため、こうした投資等に前向きな企業について、法人税、固定資産税の税負担を大幅に軽減するなどの一層の対応を要望した。これを受けて、税制改正の検討が進んでいると理解している。

所得税改革を巡っては、高所得者の控除の減額が検討されているようだ。所得控除の見直しは時代の要請と変化に合致したものであり、改正は必要であると理解している。給与所得控除についても、会社勤めの人だけではなく、フリーランスや在宅勤務者にも共通の経費が発生することを勘案する必要がある。また、扶養控除についても、制度が制定された当時は専業主婦世帯が主流であったが、今は共働き世帯が増えており、大きな流れとして世帯単位での控除のあり方を検討する必要がある。

【原子力発電所の再稼働】

福井県の西川知事が、関西電力の大飯原発3・4号機の再稼働に同意すると表明した。経団連は、これまで原子力を重要なベースロード電源として活用すべきと一貫して主張してきた。原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発については、地元の同意を前提に速やかに再稼働することが必要である。今回の大飯原発3・4号機の再稼働に向けた動きはこうした流れに沿ったものであり、経済界として歓迎したい。今後とも、事業者や政府等関係者には引き続き、新規制基準に適合した原子力発電所の安全性について丁寧に説明し、地元住民や国民の理解を深めてもらいたい。

【企業不祥事】

先日、三菱マテリアルのグループ企業において、検査データの改ざんが明らかになったことは極めて残念である。日本を代表する大企業で不祥事が続いており、日本の製造業への信頼に影響を及ぼしかねない深刻な事態と受け止めている。各事案に品質管理や検査体制などに係る特有の事情があり、現在、それぞれに原因究明、再発防止策を講じるところであると認識している。すぐに日本の製造業全体への信頼が揺らぐとは思わないが、危機意識を持ち、初心に戻って信頼を回復していかなければならない。

先般、経団連は企業行動憲章の改定を行い、その第10条において、経営トップがしっかり役割を果たし、本憲章を徹底するよう定めている。具体的には、企業トップには、実効あるガバナンスを構築し、社内とグループ企業に周知徹底を図るよう求めている。経団連としても引き続き、企業トップに対して、企業行動憲章の徹底を呼びかけていく。

【1997年の金融危機】

1997年の山一證券の破綻は、経済的にも社会的にも極めて大きなインパクトを与えた事象であった。1997年から2012年ぐらいまでわが国の名目GDPは増えておらず、20年前の金融の混乱がデフレの出発点にもなった。他方、金融機関の破綻を教訓に危機管理体制が構築され、それが現在の金融システムの安定につながっていると見ることもできる。

以上

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