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会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 定例記者会見における十倉会長発言要旨

2024年4月23
一般社団法人 日本経済団体連合会

【為替】

〔円安傾向にある現在の為替相場について問われ、〕為替は経済のファンダメンタルズを反映するものと言われるが、1ドル150円を超える現在の為替水準は、日本経済の実力を表しておらず、少し円安にすぎる。

現在の円相場は、日米の金利差に加え、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰、さらには短期的な投機マネーの動きに影響されている面があろう。中長期的には、為替レートは購買力平価に収斂していくと期待している。当面、政府、日銀が適切に対応を判断されるのではないか。

【大阪・関西万博】

〔海外パビリオンの建設遅れ、運営費が赤字になった場合の費用負担のあり方について問われ、〕タイプAの海外パビリオンについては、既に37カ国が建設事業者を決定している。海外パビリオンは万博の華であり、引き続き各国や事業者とのコミュニケーションを密にしながら進めていく。八つのテーマ館や、日本館の準備も順調に進んでいる。万博が実りあるものとなるよう引き続き尽力していく。

運営費については、博覧会協会の「運営費執行管理会議」の開催等を通じ、厳格に執行管理を行っている。引き続き、黒字を出すという気持ちで取り組んでいく。9月からは第2期PR重点期間となる。個々のコンテンツについて、広く丁寧に情報発信・PRを行い、前売り券の販売を進めていきたい。

〔万博への関心が高まらない理由、さらなる機運醸成について問われ、〕コンテンツの内容が十分に知られていないことが最大の原因ではないか。海外パビリオンやテーマ館などのコンテンツについて、わかりやすい情報発信をすべく鋭意準備中である。万博の意義を内外によく伝えていくことも課題である。世界中の人々が今、生命の尊さや、分断が危ぶまれる時代における連携の大切さを痛感している。こうした中、大阪・関西万博は「いのち」をテーマに掲げている。会場内に建設する「リング」には多様性に満ちた世界を一つにつなげるというメッセージが込められている。こうしたコンセプト、メッセージはやや抽象的な面があるので、分かりやすいコンテンツにして発信していきたい。

今はデジタルの時代であるから万博会場に行かずとも世界中の新技術に触れられるという意見も耳にするが、「リング」の上から見渡せる風景や様々な催事に現場で接することでしか得られない、リアルで、長く心に残る感動を是非とも味わっていただきたい。そうした有意義な体験を提供できるよう、引き続き、諸準備に全力で取り組んでいく。

【政治資金規正法】

〔政治資金規正法の改正に向けた自民党の動きについて問われ、〕政治資金について重要なことは、透明性と実効性の確保ではないか。与野党で引き続き協議を重ねていかれるものと思っている。

いずれの国であっても、民主政治を適切に維持していくためには相応のコストがかかる。(そのコスト負担のあり方について)政治サイドで議論を深めていただきたい。

【ダイハツ工業における生産・出荷再開】

〔認証不正により停止していた生産・出荷の再開を決定したダイハツ工業への今後の期待を問われ、〕ものづくり産業、とりわけ人命にかかわる産業、事業においては、社会からの信頼を得ることが最も重要である。トヨタグループが総力を挙げてガバナンス改革をしているところであり、ダイハツ工業には高い倫理観を持って社会的責任を全うしてほしい。再発防止に向け徹底的な取り組みを続けていただくことを期待している。

経団連は引き続き、企業行動憲章に基づき、実効ある不正防止策の実施を広く呼びかけていく。

【巨大IT企業規制】

〔米IT大手グーグルに対し、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで行政処分を出すなど、米IT企業に対する規制が強化されていることについて問われ、〕革新的な技術を、いかに制御しつつ社会に有用、有益なものとして活用していくかが重要な課題であろう。利用者だけでなくサービスを提供する事業者の責任も非常に大きい。こうした観点から、わが国を含め各国において、適切な規制のあり方が探られているのではないか。

以上

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