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会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 定例記者会見(1/13)における筒井会長発言要旨

2026年1月13
一般社団法人 日本経済団体連合会

【中国による対日輸出管理強化】

〔中国政府が発表した、軍民両用品目の対日輸出管理の強化が日本に与える影響や、日中関係の改善に向けて必要なことは何かを問われ、〕内容に不明瞭な点が多い状況ではあるが、わが国のみをターゲットにした今回の輸出管理強化の措置は、明らかな経済的威圧行為であると捉えており、極めて遺憾である。現時点で日本経済への影響について、確定的なことは申し上げられないが、輸出管理の強化が現実に拡大すれば、幅広い業種に大きな影響が生じるのではないかと危惧している。今後は事態の推移の把握に努めるとともに、官民で連携して対応していきたい。

日中関係については、従前と変わらず、最も重要な二国間関係の一つであり、両国政府間で対話を通じた意思疎通が図られていくことを期待している。経団連としても、中国の指導者や閣僚、経済界等との対話の機会を探っていく所存である。

〔G7および一部の資源国の財務相が、レアアース等の重要鉱物の供給網を整備し、中国への依存度を低減していく方針で一致したことの受け止めを問われ、〕同志国との国際的なネットワークを構築することの重要性は言うまでもない。G7を含む枠組みの中でそうした取り組みが進みつつあることを歓迎する。

【衆議院解散報道】

高市総理が通常国会の冒頭で衆議院を解散する検討に入ったとの一部報道について問われ、〕解散については、総理の専権事項であり、詳細なコメントは差し控えたい。

〔高市総理が講じてきた物価高対策の評価を問われ、〕ガソリン税及び軽油引取税の暫定税率の廃止や電気・ガス料金の補助といった対策が物価上昇の抑制に寄与していくものと見通している。今後、金融政策上の一つの目安とされる2%程度の物価上昇率へと徐々に落ち着いていけば、賃金引上げの力強いモメンタムの「さらなる定着」と相まって、実質賃金がプラスに推移する世界が定着していくものと考えている。その意味で、高市総理の物価高対策は、実質賃金のプラス化にも間接的に寄与するものと評価している。

【株価・為替・金利】

〔衆議院解散に関する報道がなされて以降、日経平均株価が53,000円を超え、史上最高値を更新したことについて問われ、〕株価については、特にAIや半導体銘柄が牽引するという世界的な流れに沿って、依然として好調が続いていると認識している。

また、為替や長期金利も日米の金融政策等の諸情勢に関する市場のさまざまな思惑を踏まえた動きを見せているのであろう。為替は円安方向に少し振れ過ぎており、円高への修正が必要だと考えている。長期金利の上昇は、財政運営に対する市場の思惑もあるだろう。

政府には、中長期での財政健全化への取り組みを通じて、財政の持続可能性を確保し、市場の信認を維持し続けていただきたい。また、市場の信認を意識した発信に努めていただくことも重要である。

〔現在の為替相場は日本のファンダメンタルズから外れた水準になっていると考えるか、また、円安の是正は市場に任せるべきか、あるいは通貨当局が為替介入によって行うべきかを問われ、〕為替は自国のファンダメンタルズが反映されるべきだと考えており、その意味で、現在の円安は少し行き過ぎている。

基本的には、為替は市場に委ねられることが望ましい。わが国において「投資牽引型経済」が中長期でしっかり定着し、潜在成長率が上がっていく方向性が具体化されていけば、ファンダメンタルズが反映され、円高方向に向かっていくと確信している。

ただし、為替相場も市場のさまざまな思惑を反映するものであり、現実に、投機筋の短期的な思惑が相場に相当の影響を及ぼしていることも事実である。そうした影響等により、仮に円安が過度に行き過ぎた場合は、為替介入もあってしかるべきだと考えている。

【浜岡原子力発電所】

〔中部電力が、原子力規制委員会による浜岡原子力発電所の審査において、不適切な方法で地震評価を行い、報告していたことの受け止めと、経団連としての対応を問われ、〕詳細な事実確認ができている状況ではないが、原子力の利用の大前提である安全性に対する国民の信頼を揺るがしかねない重大な問題であり、極めて遺憾である。

これまでも柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関連して、安全性の確保と地元の理解が大前提であると申し上げてきた。事業者には、安全確保と地元の理解、そしてそれらを支える高い倫理観が求められる。本件については、中部電力が立ち上げた第三者委員会による調査を通じて徹底的に原因究明がなされ、透明性が十分に確保された上で、再発防止策を確実に実施していくことが重要である。

経団連としては、個別企業である中部電力に対し、現時点で特段の対応予定はない。透明性がどう確保され、再発防止にどのような姿勢で向かっていくのかを見極めたい。

〔他の電力事業者に対しても、原子力規制委員会の審査における報告内容の再点検を行う必要性について問われ、〕他の事業者が、今回の事態をどう受け止めているかは重要であろう。中部電力において、原因究明がなされ、透明性が確保されていく中で、他の事業者においても自浄的効果が誘発されていくことが期待される。行政等によるさらなる対応が必要かどうかは、今後の推移次第であろう。

【丹羽宇一郎氏ご逝去】

〔元伊藤忠商事社長で、駐中国日本大使も務められた丹羽宇一郎氏のご逝去に際してコメントを求められ、〕丹羽氏とはお会いしたことがあり、伊藤忠商事を今日の力強い総合商社に高め上げられた功労者であると認識している。弔意を表したい。

以上

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