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Policy(提言・報告書) アジア・大洋州 第5回日中企業家及び元政府高官対話 共同声明

2019年7月11日
於:日本・東京

  1. 1.中国国際経済交流センターと日本経済団体連合会は、2019年7月10日~11日、第5回日中企業家及び元政府高官対話を東京で開催した。

  2. 2.双方は、両国の政治・経済関係が明確に改善し、官民の対話や交流が活発化していることを歓迎するとともに、より一層の日中経済協力の拡大に向けた環境整備が進展しているとの認識を共有した。双方は、交流と協力を継続的に強化するとともに、本年6月のG20大阪サミットの際の習近平主席と安倍晋三総理との会談における重要な合意事項の早期実現に期待を表明した。

  3. 3.双方は、両国経済の現状、動向、政策の方向性等について意見交換を行い、相互理解を促進するとともに、今後の日中経済協力の展望につき議論した。双方は、ルールに基づく多角的自由貿易体制の維持・強化や貿易・投資環境の改善、インフラ整備や第三国市場協力の推進、医療介護や健康養老ならびに環境分野での実務協力の深化、デジタル経済やイノベーション分野の協力推進などについて活発な議論を行った。

  4. 4.双方は、保護主義の激化や世界経済の回復の減速が懸念される中、両国がルールに基づく多角的自由貿易体制の維持・強化に協力するとともに、地域経済統合を深化させ、貿易・投資の自由化・円滑化とルール整備を推進する必要性を確認した。このため、双方は、変化するグローバル経済の現状に適合したWTO改革推進の必要性について一致するとともに、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)及び日中韓FTAの高いレベルでの早期実現、さらには、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築に向けた議論の進展に期待を表明した。

  5. 5.双方は、日中第三国市場協力は、日中経済貿易協力の新たなハイライトであり、交通・物流、エネルギー・環境、産業高度化、金融、地域開発、スマートシティーなど様々な分野で積極的に協力していく意思と機会があることを確認した。とりわけ、質の高いインフラ整備は、全ての人々がグローバリゼーションによる成長の恩恵を享受していくための産業活動及び国民生活の基盤であり、「共同協議・共同建設・共同享受」や「開放性、透明性、経済性、財政健全性」等の原則に則り、第三国を含めた三者がwin-win-winとなる協力を推進する旨合意した。

  6. 6.双方は、少子・高齢化、環境問題はじめ両国が共通して直面する代表的な社会課題の解決に向けて、政府、産業界、企業、個人など各界各層でのパートナーシップを構築し、医療介護、健康養老、省エネ・環境保護、生態文明建設等の分野での協調と協力を推進し、これらを通じて、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する旨で一致した。また、双方は観光・文化交流等についても重要な協力分野であることを確認した。

  7. 7.双方は、両国の相互補完性が高く、資金、技術、人材など様々な分野でそれぞれに優位性を持ち、一層の協力の余地が極めて大きいことを確認し、産業の多角化・高度化や新産業の育成・発展等における実務協力を強化することで一致した。とりわけ、「大衆創業・万衆創新」や「Society 5.0」などのコンセプトの下、イノベーション分野での協力を推進するとともに、各国のプライバシーやデータ保護、知的財産権に関する法的枠組を尊重しつつ、国境を越えたデータ、情報、アイデア、知識の自由な流通を確保する必要があることを確認した。

  8. 8.双方は、日中の企業家と元高官による定期的なハイレベル対話の開催が果たす重要な役割を高く評価し、日中経済貿易協力の拡大・強化に向けて議論を継続することで一致した。双方は、来年2020年のしかるべき時期に、第6回会合を北京で開催することに合意した。

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