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会長コメント/スピーチ  記者会見における会長発言 定例記者会見(10/5)における筒井会長発言要旨

2026年10月5日
一般社団法人 日本経済団体連合会

【政治との連携強化に関する見解・主要政党の政策評価】

わが国は内政・外交両面で重要政策課題に直面している。先般、高市改造内閣が発足したが、これらの課題を克服するためには、政策本位の政治を実現することが不可欠である。

こうした観点から、本年も、政治との関係ならびに政治寄附に関する考え方として、「政治との連携強化に関する見解」を取りまとめた。併せて、会員各位が政治寄附を実施する際の参考として、「主要政党の政策評価」を策定した。

【臨時国会・所信表明演説】

〔本日(10/5)開会した臨時国会での論戦に対する期待を問われ、〕「骨太方針2026」「日本成長戦略」「地域未来戦略」が閣議決定され、官民投資ロードマップも提示された。高市総理の目指す「強い経済」の実現に向け、活発な政策論議を行い、山積する重要政策課題をさらに前進させることを期待する。

〔所信表明演説における、消費税減税の財源確保や市場の信認に関する高市総理の発言への受け止めを問われ、〕市場自体も消費税減税の財源をどのように確保するかを注目している。年末までの予算編成期間は数ヵ月あるが、政府には可能な限り早く財源を明示し、十分に説明していただきたい。市場は非常に敏感であり、他の要因によって金利が変動する可能性もあるため、市場の信認確保に継続的に取り組む姿勢を引き続き発信していただきたい。

〔所信表明演説において、「正攻法で、市場の政府に対する信認を高めて」いくとの言及があった中、「正攻法」に該当する方策を問われ、〕所信表明演説では、債務残高対GDP比の安定的な引下げ、複数年度での基礎的財政収支(プライマリーバランス)の管理、さらに通年の国債発行額の適切なコントロールについて言及されている。これらの発言は、市場の信認を高める上での「正攻法」の1つの表れと受け止めている。

さらに、「日本成長戦略実行計画」の年内策定や、投資状況を可視化する「国内投資マップ」の策定等にも言及されている。成長投資・危機管理投資をわが国の成長につなげるという方針が具体的な取組みとして表れており、市場の信認の確保に寄与するものと捉えている。

経団連としても、官民連携の下、「投資牽引型経済」の実現に取り組んでまいりたい。

【地方銀行の経営統合】

〔東北の地方銀行3行による経営統合に向けた協議開始への受け止めと、地域経済への影響について問われ、〕今般の協議開始は、幅広い見地に立った各行の経営判断と評価しており、今後の動向を注視していきたい。当該地域の人口減少のスピードは速く、各行とも強い危機意識を有していると推察する。各行の経営資源を持ち寄り、県境を越えて経営基盤を強化することは、金融仲介機能を持続的に確保する上で極めて重要な取組みであり、前向きに受け止めている。

地方銀行全般が人口減少も相俟って厳しい経営環境に直面する中、経営統合に限らず、様々な提携・連携が進んでいると認識している。地域経済の活性化に向けて広域連携が重要である。今回の動きもその推進に向けた重要な契機となり得ると考えており、地域全体の活性化や持続的な発展につながることを期待する。

【長期金利の上昇】

〔長期金利が3%台に上昇した背景や、現状認識、今後留意すべき点について問われ、〕世界的な金利上昇の主因は、中東情勢に伴うエネルギー価格の高騰等を背景としたインフレと、将来のインフレに対する懸念にあると考えている。

わが国の場合、かつて私自身は3%を重要な節目と捉えてきた。ただ、現在の金利上昇は世界的に共通する現象であり、わが国でもインフレ懸念の影響が大きいと考えている。

もちろん、わが国の長期金利の上昇の背景に財政に対する懸念が全くない訳ではないが、金利水準自体は海外との比較や様々なプレミアムを考慮しても、危機的な水準とは考えていない。

市場の信認確保に向けた取組みを継続し、実際に前進させていくことが重要である。経済成長に伴って金利が上がること自体は合理的であるが、短期間での急激な上昇は好ましくない。金利上昇のスピードには十分留意する必要がある。

【株価の動向】

〔日経平均株価が一時7万円台を回復したことへの受け止めを問われ、〕米国の雇用統計を受けて利上げ観測が後退し、株式投資でリスクを取る動きが強まったことに加え、原油価格がやや落ち着いたことも株価の上昇に寄与したと考えている。過去1年ほど株価が上昇基調にあることは、高市総理の目指す「強い経済」や経団連の提唱する「投資牽引型経済」の実現に向けて見通しの立つ地合いになってきたことを示唆していると考えている。

〔さらに、従来との比較において足もとの株価の底堅さの背景について問われ、〕世界全体でみると、地政学リスクやエネルギー問題に直面する一方で、AI・半導体分野の旺盛な投資と好調な業績が株価全体を牽引している。

わが国では、長年のデフレからの完全脱却の兆しが見え始めている。価格転嫁は道半ばではあるものの、これが進み始めていることを背景として、企業業績はもちろんのこと賃金引上げ、投資も堅調に推移している。「成長と分配の好循環」が回り始めていると認識している。

【日本の経済・金融政策に対する米国の影響】

〔足もとでの米国の日本の経済・金融政策に対する影響の有無を問われ、〕日米は同盟国として、安全保障のみならず、金融市場の動向についても緊密に連携していると考えているが、具体的な日米当局間の意思疎通の実態は把握していない。

こうした中、「リフレ政策」という言葉の定義やラベルに捉われることなく、日米が同盟国として金融市場においても緊密かつ適切な連携を図ることが重要である。その上で、わが国としての経済・金融政策が展開されることを期待する。

【地方経済懇談会】

〔就任2年目の地方経済懇談会において、地方経済界との意見交換のあり方について問われ、〕就任1年目は、特に「投資牽引型経済」の確立に向けた発信に注力した。2年目となる本年度は、政策課題が山積する中での経団連の取組みを引き続き発信するとともに、私自身も視野を広げ、地方経済界との意思疎通を一層密にすることを通じて、物価、人手不足、さらには春季労使交渉・協議等、地域経済の実情に対する理解をさらに深めていきたい。

【中部経済連合会の勝野会長の辞任】

〔中部経済連合会の勝野会長の辞任や、中部電力で不祥事が相次いだことへの受け止めを問われ、〕中部電力における事案は極めて遺憾である。同社には、新たな経営体制の下、再発防止に向けてガバナンス・組織風土を再構築し、国民の信頼を一つひとつ取り戻していただきたい。

原子力の活用に向けて、原子力発電所の再稼働を進めていく重要性に全く変わりはない。こうした前提の下、中部電力には、国民からの信頼を回復し、電力事業を着実に推進いただきたい。

【簗農林水産大臣の発言】

〔簗農林水産大臣の道路予算に関する発言を受けた一連の報道に対する受け止めを問われ、〕報道自体は承知しているが、事実関係を含めて詳細を把握しておらず、コメントは差し控えたい。

以上

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